2003.06.11 18:08 JST - (keitai)
N2701レビュー
N2701はFOMAとPDCのデュアル端末で、FOMAの電波が届かないところではPDCの電波でシームレスに待ち受けすることが出来る。FOMA端末普及のカギとも言われているデュアル端末の1号機を使ってみた。
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■ ディテール
まず端末をぱっと見たときに思ったことは、フォルムが美しいということだった。NECのFOMA端末であるN2051とほぼ同じカタチだが、表面に施されたデザインを比較すると、N2701は非常にシンプルで、薄く色が付いたメタルのボディになっている。N2051は男の子っぽい(ちょっとうるさめの)デザインになっていたが、N2701はむしろ女性的と言える。つまりかなりオシャレだ。大きさがあまり気にならないフォルムなので、デザインの上で抵抗を覚えていた人がいるとすれば、その抵抗は払拭できていると思う。
端末はピンクだったのだが、マットな塗装でポップなピンク色というわけではなく、メタルにうっすらと色づいたピンクで、大人のテイストだ。ピンクとはいえ男性が持ってもあまりおかしくないような色は、人気が出そうだ。あるいはフラッグシップともなりうるデュアル端末がここまでシンプルなデザインでまとめられたのは、今までになかったと思う。
これまでのFOMA新シリーズ端末はアンテナを内蔵していて引き出すロッド型のアンテナは搭載されていなかったが、デュアル端末には(長さ的に)PDCの電波を試用するときに使われると思われるアンテナが付いている。その分、N2051よりもアンテナ部分が盛り上がった格好になっているが、あまり抵抗感がない。それはおそらくは、今までの携帯電話にアンテナが付いていたからであると思われる。アンテナに関して言えば、あまり付いていても気にならないばかりか、「ケータイらしい」というイメージもあるので、特にデザイン的なマイナスポイントにはならないと思った。
■ インターフェイス
ディテイルも含めてN2051を踏襲しているので、もちろんニューロポインタも搭載している。十時キーの中心にあるボタン(通常決定ボタン)が上下左右にスライドできるようになっていて、これでポインタを操作できるようになっている。ただ上下左右に動いてしまうため決定ボタンとして使うときに少々使いづらい。またパソコンのマウスのように速度や感度などを完全にカスタマイズできるわけではないので、このニューロポインタを常用するというのはちょっと考えにくい。慣れてしまえば漢字変換の候補を選択するときなどはカーソルキーを連打するより使いやすいという場面もあった。
ポケベル世代の最後の年代である僕は、文字入力はポケベル入力(2タッチ入力)を使った方が早いししっくり来る。打鍵数も少なく早い入力が出来るのでテンキーからの文字入力はあまり不自由しない。一方でテンキーのボタンの使い心地は、スピードにかなり影響してくる。普段使っているP2102Vはボタンのカタチは角丸四角形で並び方はきちんと縦横が揃っているオーソドックスであり、ある程度深さがあるのでとても使いやすいテンキーになっている。一方P2701はやや変則整列でボタンが浅い。人によって適度な深さがあるかも知れないが、僕にとってはP2102Vのボタンの方が使いやすいと感じた。
■ デュアル端末
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスにあるDoCoMo houseで電源を入れてみたところ、FOMAの電波を受信してはいるものの、常にネットワーク暗証番号を求められ、正しいモノを入力しても何回でも聞かれるという現象が起きた。DoCoMo houseはもともとドコモのPDCの電波が弱く、待ち受けで圏外になってしまったり、通話中に途切れたりすることが多々ある場所である(FOMAの電波は非常に良好)。都内で電源を入れ直したところ、きちんと認証が通ったため、ドコモハウスの電波状況からPDCの電波がきちんと拾えなかったことが原因だったのかも知れない。
デュアル端末にセットされていたFOMAカード(SIMカード)は、表面が緑色のヴァージョン2になっていた。緑のFOMAカードはデュアル端末や国際ローミングなどのFOMAの拡張サービスに対応することが出来るとのことだ。試しに自分が使っている青いFOMAカードを差して起動してみたところ、FOMAでの通信は可能だがPDCが利用可能な地下鉄の駅(営団千代田線の乃木坂駅)ではFOMAモードのままで圏外表示になっていた。このためこの端末でデュアルネットワークを利用するには緑のFOMAカードが必要になるとのこと。
この端末の魅力は、FOMAエリアとPDCエリアを気にすることなく、自動的にネットワークを切り替えてくれる点だ。もちろんどちらを使うか決めたい場合は手動で選択することが出来るが、多くの場合通話もパケット通信もFOMAの方が安いので自動切り替えではFOMAを優先している。FOMAの電波が届きにくいビルの中やアンテナがない地下街などでは、自動的にPDCの電波を捕まえて待ち受け状態になっていた。この場合、画面の右上のマルチタスクの表示部分にFOMAモードかPDCモードかを表示してくれるため、いつの間にかPDCモードになっていて通信をしてしまった、なんて言うことはない。
■ 地下鉄実験
地下鉄千代田線で実験をすることにした。千代田線の代々木上原駅は地上駅で、FOMAの電波が問題なくキャッチできる。しかし次の駅に行く前に地下に潜るため、FOMA専用端末では地下に潜った段階で下車して地上に上がるまではずっと圏外になってしまう。しかしデュアル端末では、次の代々木公園駅(アンテナ設置駅)に着いた段階でPDCの電波をキャッチし、使える状態になった。その後もアンテナ設置駅である表参道、乃木坂と、駅ではPDCの電波をキャッチしてくれ、降りて地上に上がるとFOMAの電波をキャッチしていた。この間、全く切り替えはなく、デュアル端末であるということを意識することはなかった。
■ カメラ
カメラの性能は2051を踏襲しているが、内側、外側両方にフォトライトが搭載されている。これはかなり明るい。消費電力の面、明るさの面からLEDを使っているモノと思われる。真っ暗なところで撮影する場合でも、カメラの明るさの自動調整で十分対象物をきちんと捉えることができる明るさを確保している。内側のライトについては、今まではディスプレイの明るさで、顔なら撮影出来ていたが、やはりそれ以上にはっきりと映すことが出来るようになっている。こんなにも効果があるものか、とびっくりしてしまうほど、効果絶大だ。
■ 通信
デュアル端末を使い始めて、思った印象としては、FOMAの電波の受信強度がP2102VやF2051、N2051などに比べて体感的に向上していることだ。今までパケット通信の際に「接続できません」というメッセージで繋がらなかった事があった。実際に六本木ヒルズのTOKYO TSUTAYA ROPPONGI店内でP2102VとN2051を使ってみたが、P2102Vでは3回に1回ほどメール送信が「接続できません」で失敗する場所でも、N2051はきちんと接続が可能であった。このため、今までのFOMA機種よりもアンテナの性能が向上していることが見受けられる。
P2102Vを使っていて、パケット通信を断続的に行っていたり、USBケーブルで接続してコンピュータで通信を行っているときに、端末本体が熱くなってくることがやや気になっていた。N2701は同じような条件で通信を行っていてもそれほど発熱はしていなかったので、子のあたりも改善されたのか、と感じる。通信コネクタの場所だが、側面に付いているのはケーブルのと理回しの関係上、少し使いにくく感じた。
■ 終わりに
この端末のアピールポイントであるシームレスなデュアルネットワークは、FOMAのアンテナが設置されていない場所でも切り替え無しに通信が出来るようにすると言うことが目的になっている。その切り替え動作などは全く不満なく動いている。しかしながら東京都内、神奈川県内を行動範囲とする僕にとっては、そのデュアルネットワークを生かした通信環境へ“行くことが出来なかった”。FOMAはアンテナの数が少ないというイメージが持たれているが、行動範囲の中ではどこへ行ってもFOMAの電波をキャッチできない場所はなかった。
地下鉄の駅は都内でもFOMAの電波が行き届いておらず、PDCの電波は1駅おきに使える状態になっていたが、駅を通り過ぎるとトンネルに入り圏外になってしまうため、通話は出来ない。電車で車内で移動中に行えることはせいぜいメールの送受信程度である。それなら作成して置いて地上に出てから送信するのでも、あまり変わらないと思う。デュアルネットワークを契約しているものの、都内にいる上では活用する機会を見つけることができないのが現状である。
それでもFOMAに切り替えるときはPDC端末を残してデュアルネットワークに契約するし、その契約をやめずに保持している自分がいることを考えると、心理的な保険としては有効に作用している。これと同様にデュアル端末も、FOMAへの乗り換えをためらっている人にとっての良い材料になるのではないか。ただ実際にPDC側の電波を使うかといわれると、使わないだろう。
TAROSITE.NETは1997年にスタートした松村太郎のウェブサイトです。コラムやニュースクリップなどの情報発信と、様々なコラボレーションの場として、10周年を迎えました。
松 村 太 郎
TARO MATSUMURA
UPPERWESTSTUDIO
慶應義塾大学SFC研究所 上席所員(訪問)
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