Network Style プロジェクト 2003年度秋学期 活動報告
2004.01.30 16:38 JST - (weblog)
大学院ネットワークスタイルプロジェクトにおいて、アメリカから端を発し、インターネット上で急速に広まりながら社会的にも影響を与えつつあるコンテンツ・マネジメント・システム「ウェブログ」(blog)を取り挙げる。本研究はblogを教育環境で活用する手法の確立と、その影響を調査・分析する。なお本研究は、blogをテーマとした研究グループ「Triggers! SFC Bloggers Project」(http://blog.sfc.keio.ac.jp/)の一環として研究が行なっている。※ 2003年度 春学期研究報告書はこちらから。
背景
日本においては2003年7月以降blogの普及が急速に進んだ。これはLivedoor Blog、NTTデータによるDoBlog、ニフティによるCocolog、melma! blogなどのblogホスティングサービスが無料もしくは安価でスタートしたことが影響していると考えられる。ニフティのCocologによるとユーザー数は1万人を超えた、またウェブログを活用するためのサービスとして、更新通知サイト(pingサイト)は日本語版向けにping.bloggers.jp・MyBlog Japan、リンク作成サイトBlogPeopleが充実してきた。blogに関連する書籍も多数出版されており、blogをテーマにしたイベント(Link Knowledge、Blog Of The Yeah! 2003等)も行われるなど、日本にローカライズされてblogを行う環境が整ってきた。
研究活動
2003年度秋学期も、同春学期と同様、研究室へのblog導入と活用を推進した。また前回報告書で展望として掲げていた、blogを活用した授業の実施を行い、そこから生み出される記事・エントリーや授業を通じた教員・スタッフと学生とのコミュニケーションなどをモニタリングすることが出来た。授業にblogを導入した授業は、情報通信文化論(小檜山賢二)、ネットワーク社会論(国領二郎)、ネットワークコミュニティ(小林隆)が挙げられる。いずれの授業でも授業ウェブサイトをblogで構築し、コメントやトラックバック機能を活用した授業時間中・授業時間外のコミュニケーションを実現している。
情報通信文化論
TAを勤めた情報通信文化論では、授業ウェブサイトをblog化し、履修する学生全員にblogを導入。授業に関わる全員が自分のblogを持つという状況を作り出した。その上で授業ウェブに課題を掲載し、ここに対して学生が各自のblogに課題への回答を作成し、trackbackを送信して課題提出を行う形式を取った。これにより、これまで他の学生が提出された課題を閲覧することができなかったが、trackbackのリストで確認することが出来るため、提出された課題を元にした教室でのディスカッションの活発化に寄与した。この授業形式では、資料や他人のblogを読み、それらを編集して自分の意見を形成し、自らのblogに発信するという一連のスキームを学ぶこと、さらにこれを元にしたディスカッションを行うことより、発信に強い情報リテラシ教育が出来るものと考えている。
blog workshop
未だ難解なblogの導入をサポートするため、2003年10月に「Triggers! blog workshop」を2回開催した。初心者へのblogの導入から、既に使っている人へのノウハウ提供、使い方に関するディスカッションを行い、各好評を博した。
論文・学会発表など
『Myblog Japan「blog of the yeah!」ノミネート』
tarosite.net 科学&技術&パソコン&インターネット部門
『ウェブログを活用した並列的コミュニケーションを誘起する学習環境の設計と実装』
情報処理学会 第66回全国大会(2004年3月)へ投稿、発表予定。
今後の計画
情報通信文化論を通じて、学生のblogがいくつかのタイプに分けられるのではないかと考えている。履修していた学生に対してインタビューを行い、blogそのものについて、あるいは各記事を書いた時の意識を調査していく。また2004年4月から再び情報通信文化論の授業が開講されるため、継続的にインタビューとモニタリングを続けていく。
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松 村 太 郎