CingularのAT&T Wirelessを買収関連クリップ
2004.02.20 20:43 JST - (keitai)
こういうニュースがきっかけで、アメリカのケータイ事情の知識がブラッシュアップされますね。DoCoMoが全株式の16%を保有し、米国版i-modeサービスmModeを微妙に展開していたAT&T Wireless(昔のmLifeキャンペーンが好きだった)が、Cingular Wireless(オレンジのかわいらしいロゴ)に買収される。買収にはVodafoneが動いていたが、最後の最後でCingularが競り勝った格好。Cingularの親会社SBC CommunicationsとBellSouthがAT&T Wirelessの1株を15ドル、合計410億ドルで買い取ることに決まった。DoCoMoが持っている株式も現金化される。
・CNET Japan: AT&Tワイヤレス、シンギュラーが買収へ
・ITmediaモバイル: 米Cingular、AT&T Wirelessを買収
・ITmedia: [WSJ] 60秒で決まった買収−−−AT&T Wirelessをめぐる深夜の攻防戦
・ITmediaアンカーデスク: 通信業界を見舞う大変動、小さき私たちへの影響は
・ITmedia: Cingular/AT&T Wireless合併は業界再編の波を起こすか?
・IT Proニュース: 米国で超大型携帯電話会社が誕生,NTTドコモにはiモード全米展開のチャンス
60秒の買収劇
・ITmedia: [WSJ] 60秒で決まった買収−−−AT&T Wirelessをめぐる深夜の攻防戦SBCのフルムキン弁護士は、AT&T Wireless陣営のローゼンブラム弁護士に、1株15ドルで入札する用意があると伝えた。この異例の条件だけで、AT&T Wirelessは契約内容を見て60秒以内にCingularの申し出を受け入れた。それからおよそ1時間後、ローゼンブラム弁護士はCingularに合意を伝えた。
こういう買収競争のリアルなストーリーが語られている。すぐにこういった話が出てくるのもアメリカならでは、と言うべきか。1週間くらい前からたらたらとニュースになり始めていたが、いざ決まる時はこんな感じ…。面白い。
アメリカのケータイ業界再編が来るか?
Cingularの加入者数はAT&T Wirelessと合わせて4600万人で、Verizonの3600万人を抜いてアメリカ1位のケータイキャリアになる。この2社とT-Mobile USAはGSM方式を採用している。一方買収をかけようとしていたVerizonとSprint PCSはCDMA方式。
・ITmedia: Cingular/AT&T Wireless合併は業界再編の波を起こすか?AT&T Wireless買収に失敗したVodafoneにとって、現実的な買収相手はT-Mobile USAだけだろうとアナリストは指摘する。T-Mobile USAは、欧州市場でVodafoneと競合するDeutsche Telecomの子会社で、GSMを採用している。Vodafone広報担当者はこの件についてコメントしなかった。Verizon Wirelessが自社と同じCDMAを採用しているSprint PCSを買収し、CingularとAT&T Wirelessの連合に対抗するとの憶測も広まっている。
Vodafoneは世界25カ国でサービスを添加しているが、GSM系。しかしCDMA系のVerizonのかなりの株を持っていて、3Gに向けた業界標準の主導権を狙うべく買収をかけにいったようだ。アメリカのケータイ業界の複雑な資本関係や各地での競争過多が、アメリカのケータイの発展に多少なりとも障害を与えているように見受けられる。
VodafoneとDoCoMoの立場
良い提示額を出しながら買えなかったVodafone、先にも挙げた通りT-Mobile USAの買収に乗り出すかどうか、という攻め系の予測も出てきている。一方で16%の株式を持ちながら手も足も出なかったDoCoMo。ニュースリリースにも寂しさが漂う。
・ITmediaモバイル: 米Cingular、AT&T Wirelessを買収AT&T Wirelessの買収については、同社に16%出資し筆頭株主であるNTTドコモや、英Vodafoneなども打診していたと報じられてきた(1月27日の記事参照)。ドコモは、AT&T Wirelessに第3世代携帯電話の技術協力なども行っており、米国市場参入への足がかりとする方針だったが、CingularがAT&T Wirelessを手に入れたことで、対米戦略は一歩後退することになる。
多くの記事でDoCoMoがアメリカ市場への足がかりを失ったという見方をしているが、IT Proにはポジティブな見方も出ている。
・IT Proニュース: 米国で超大型携帯電話会社が誕生,NTTドコモにはiモード全米展開のチャンスドコモがシンギュラとの技術提携に成功すれば,近い将来,ドコモ・ユーザーにメリットをもたらす可能性がある。例えば,ドコモ・ユーザーが米国を訪問した際,広域で高品質な通話サービスを利用できるようになる。また,iモードなどのデータ系のサービスも米国で利用可能になる道が開ける。シンギュラもAT&Tワイヤレスも,欧州標準GSM方式の携帯電話サービスを提供中である。このため,W-CDMA方式の3Gサービスを始める可能性が高い。GSMとW-CDMAは規格に共通部分が多いため,GSMから3G方式へ移行する際はW-CDMAを選ぶのが最もコスト・パフォーマンスが良いからである。しかも,「買収によって保有する周波数が増えるので,3Gの商用化を加速できる」(シンギュラ)。
DoCoMoがノキアの端末を採用したニュースが今朝出ていたが、これも端末の量産効果で安価な3G端末がノキアからリリースされているからこそ。DoCoMoのキャリアとしてはローミングのエリア拡大として、W-CDMAの3G端末を作る日本メーカーにとっては生産拡大によるコスト削減が、それぞれまだメリットとしての可能性が残されているようだ。
アジアでのローミングは、3 Hong Kongのサービスインなどもあり、現実的な路線が見えてきた。でもやっぱりアメリカでFOMA使いたいですよね。向こう1ヶ月の交渉などに、再び注目してみたいと思う。
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松 村 太 郎