2004.09.22 16:16 JST - ()

DoCoMo PHSの顧客情報流出

 ついに、というか。DoCoMoがPHSの顧客情報が57000件流出した疑いがあるとの発表をした。

・CNET Japan: PHSの顧客個人情報、5万7000件漏れる ドコモ発表 - パソコンを盗まれたのは、ドコモPHSの位置情報検索サービス「いまどこサービス」を手がける、都内の情報システム保守業務再委託会社。6日深夜から7日早朝にかけて窃盗犯が侵入し、現金とともにいまどこサービスのお客情報が記録されたノートパソコンを盗まれた。

 いまどこサービスはPHS端末がいまどこにあるかを検索することができる位置情報サービス。ということは、その端末がどこにいたか、というプレゼンスの個人情報が漏れてしまっている可能性もあるそうだ。

・ITmediaモバイル: ドコモ、位置情報付き・個人データ入りPC盗まれる - このうち5万6396件はPHS番号が羅列されているだけ。「不正に使用される恐れはほぼない」(ドコモ)という。ただしこのほかに、PHS番号と「位置検索パスワード」情報がひもづけられているケースが110件、番号と契約者氏名がひもづいているケースが29件、番号と「緯度経度」情報がひもづいているケースが125件あった。悪用されれば、特定の番号のユーザーがどこにいたのかなどが把握されるおそれがある。

 DoCoMoは「データの羅列なので解読は難しい」との発表をしていた。規模や悪用の有無の問題はわからないけれど、位置情報が付いている個人情報が漏れることが何を意味するのか、という点を考えた方が良さそうだ。

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       サービスを提供する側としては、プライバシー情報を出さない、という信頼性の問題なので、そのあたりはきちんとして欲しいところだ。使っている側の自分の位置情報に関する「感覚」はどうなんだろうか。「行動、生活が追いかけられる」ということへの抵抗や怖さもあるだろうし、一方で「あんまり関係ないんじゃない?」という可能性もあるし、人によって違う点が多いかもしれない。

       少し極端な例を考えてみると「それなら渋谷の街で覆面をつけて歩くんですか?」という話。渋谷のハチ公前のスクランブル交差点を見ていると、なかなかそんな人には出会うことができない。芸能人だったらサングラスくらいはしているかもしれない。まあオーラというか空気感ですぐにバレそうだ。サングラスをかけたり変装したりするのは、バレたらバレたですぐに人に囲まれてしまって往来の迷惑にもなるから、という点もあるんだろうけれど。

       基本的には、という話ですが、スクランブル交差点を行き交う人は、お互いの顔だったり名前だったりケータイ番号だったりを全く知らない状態ですれ違うわけで、そこに何らかの意味があるのか、と言われるちょっと首をかしげたくなる。それに相手も自分のことを見てるわけで、お互い様かな、という感じもしてくる。

       行きつけのお店(という何らかの意味がある空間)で会う常連仲間みたいな人は、何となく顔見知りになってそのうち名刺交換をするのかもしれないけれど、同じスクランブル交差点で出会った人にいちいち名刺交換をしているわけにもいかないじゃないですか。そういうイベントがあってもおしろいかもしれないけれど、日常ではない。

       皆の間で顔と名前が一致していたり、よく知られている人の場合は位置情報がバレてしまうと、プライベートな時間を守ることができなくなる。カメラ付きケータイが出始めの頃に、確か松本人志さんが「行く先々でケータイで写真を撮られていたら、自分がその日どこで何をしていたかがトレースできてしまって怖い」という話をしていたのを覚えている。確かにその記録の連続が入手できた場合は、その人の行動をそのまま追うことができるようになる。自分が知らない人に行動を追われたらどういう感覚なのだろう。

       リアルな空間ではないが、それに近いモノがある。ソーシャルネットワーキングのmixiでは、誰が自分のページを見たか、というログを見ることができる「あしあと」機能が入っている。友達が自分のページや日記を読んだかどうか。リンクをたどって自分にふらふらと流れ着いてきた人は誰だったのか。そんなことを明示的に知ることができるのが「あしあと」機能だ。

       逆に言えば、自分が誰かのページをしょっちゅう見ているだとか、ふらふらリンクをたどって知らない人に辿り着いただとか、そういう自分のmixi上での行動が他人にも見えるということになる。もちろんお互い様で見たページの情報を見合っているわけだし、単純にプロフィールを見たかどうかというだけの話なので、リアルの世界で位置情報を見られることとは少し違っているかもしれない。

       とはいえ、SFCの学生の多くはこれを「気持ち悪い」という。誰が自分を見ているのかがわかってしまうのも気持ち悪いし、自分が誰かを見たときにそれが知られてしまうのも気持ち悪い、と言うのだ。つまり、隠されていた方がいい情報だ、ということなのだろうか。誰が見たかが明示されてしまって、その人のプロフィールを見ることができてしまう。このあたりに抵抗を感じているのだろうか。

       もし見た人の名前が伏せられていたらどうなるか。一方的にログを取られていたならどうなるか。このあたりのシチュエーションを変えて質問してみたいところだ。

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2007.02.01 #06松 村 太 郎
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慶應義塾大学SFC研究所 上席所員(訪問)

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