3D Sound & Graphics - FOMA 901i
2004.11.20 00:09 JST - BLOGGING - COLUMN (keitai)
FOMA 901iシリーズのエントリー。FOMAでは3Dサウンドと3Dグラフィックスが全端末共通の仕様として搭載されているそうだ。
・ITmediaモバイル: FOMA 901iシリーズの特徴と疑問(2/3) - 3Dグラフィックスのほうは、エイチアイの「Mascot Capsule 3Dエンジン」のVer.4を、FOMAとして初めて搭載した。パースペクティブコレクションやZバッファに対応したほか、フォグ表現や複数光源の処理が可能になっている。Ver.4はボーダフォンの「V602SH」「V601T」が既に採用している。全機種がステレオスピーカーを搭載し、さらに左右や背後で鳴っているかのように音が流れる仕組みを搭載。コンテンツプロバイダが、着メロファイルに組み込んだ音の定位情報を、各端末が独自のアルゴリズムで信号処理を行う。これにより、あたかも複数のスピーカーがリスナーを取り囲んでいるように聞こえる。
着信メロディのデータに音の定位情報を組み込んでしまうんですね。僕はラジオ収録用にDeck 3.5というソフトを使っているけれど、これも5.1chサラウンド編集が出来るソフト。着信メロディ技術者は、ケータイが作り出す音場効果を研究しなければならなくなってしまうのですね。
この音場効果については、今までのサラウンドとは少し違う概念になっていると思う。これまでは空間、閉鎖されたスペースにスピーカーを配置して、中で聴いている人に対して音場効果を与えていた。それまでは映画館で、後ろから忍び寄ってくる足音や右から左に飛んでいくジェット機など、音に動きを与えたり、洞窟の中の反響する感じを再現したり。聴いている人はスクリーンから得られる視覚と次々に変わっていく音場によって、ヴァーチャルな体験を座っていながらしていたことになる。
ところが901iに搭載される3Dサラウンドについては、そういった閉鎖されたスペースにいるわけでもなければ、人が座ったままでその音を聞くわけでもない。人と共に移動していく空間の中で、そういった音場効果を作り出すのだ。どこまでその再現性が高いのかは体験してみなければならないけれど、ケータイによってそういう音場空間を持ち歩いてしまう状況が出てくると興味深い。
今まで電話をする空間として、外部と切り離していたのが電話ボックスだった。最近はめっきり電話ボックスを使わなくなってしまい、オープンエアでケータイからかけてしまうから、特に外界から遮られた空間で通話をする、というものではなくなった。その結果公共空間での電話利用に関するトラブルや議論が巻き起こっていた。電話ボックスはそう言う意味では、事前にトラブルを防ぐべく通話するための遮断されたプライベート空間を作ってしまうと言う、電話というメディアの特性からは利にかなっていたものだったと考えられる。
そういうプライベート空間を、ケータイが音場という形で作り出す、と言う可能性はないだろうか。公共空間でオープンエアに音を出すという行為は迷惑行為として扱われるので、電車の中で3Dサラウンドを楽しむということにはならないかもしれないが、あるいはその周辺に自分の音場を作り出して、その中に周りの人も入ってしまって何かを楽しむという、公共空間でのコロニーを作り出すような動きというものが出来てきたら面白そうだ。
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松 村 太 郎