Amazon Scan Search
2004.11.23 00:58 JST - BLOGGING - COLUMN (keitai)
ケータイ向けのAmazon Anywhereを提供していたAmazonが、「Amazonモバイル」とサービスを改変して新たにサービスがスタートするそうだ。URLはどのキャリアからも http://www.amazon.jp/ 。リニューアルの目玉は「Amazonスキャンサーチ」だと思う。商品のバーコードをケータイのアプリで読み取り、その番号からAmazonのケータイサイトへジャンプ、商品の詳細を見たりすることができる。
・CNET Japan: アマゾン、モバイルサービスの強化でバーコードでの商品検索が可能に - Amazon モバイルには、バーコードリーダーを使った商品情報検索機能「Amazon スキャンサーチ」が追加された。これは、携帯電話のカメラを使ってバーコードをスキャンし、Amazonで取り扱っている商品であればその詳細が表示されるというもの。利用シーンとしては、消耗品が切れた場合や、友人の持っているCDや本が欲しい場合、その場でバーコードをスキャンしてAmazonで購入するといったことが想定されている。
記事にはこのようにあるが、シチュエーションとして考えられる大きな可能性は、本屋やレコードショップなど、リアルな店舗での使用じゃないか。
記事には当然書かないだろうけれど、お店で実物を見ながらAmazonのレビューをチェック、そのまま割引価格でケータイからオーダーという消費者の新しい経路が生まれてしまうという想像は簡単に思いつく。
これまでお店の中でのケータイ使用の制限としては、日本雑誌協会が「デジタル万引き」というセンスないキーワードを広めて、書店で購入しない書籍をケータイのカメラで盗み見するのは「情報の窃盗だ」として注意を促していた。雑誌の編集をしている色々な方に話を聞くと、危機感を持っている方がほとんどだったが、中には「5cm×5cmの価値しか作り出せない雑誌が悪い」とコンテンツの問題を指摘している方もいて、温度差はあるようだ。
これは買うつもりがない客(客と呼ぶべきではないのかもしれないが)への対応と言うことだったが、Amazonスキャンサーチはもっと深刻な事態かもしれない。今度は買うつもりがある客、とがめなくてもお金を払って買ってくれようとしている客を、ケータイ経由でAmazonがリアルな店舗から奪ってしまう可能性があるからだ。
リアルな店舗であれば実際に触ることができたり、本であればパラパラと眺めることもできれば、音楽を試聴することもできる。今までのAmazonではオーダーする前に触ることはできないし、自分の目でチェックすると言うよりはユーザーのレビューを頼りにするしかなかった。ところがAmazonスキャンサーチは、自分の目でチェックしながらレビューを読むことができ、そこでオーダーすることができる。
本やCDならまだしも、これが利益率の高いデジタル家電等だった場合は結構な痛手かもしれない。そもそもあまり「お持ち帰り」はせずに配送が基本なので、量販店で買おうがAmazonで買おうがあまり変わりがない。あとは価格の比較だけで、もしAmazonがちょっとでも魅力的な価格設定をしていた場合、リアルな店舗はコロッと負けてしまうかもしれない。さらに言えば、その場で決断しなかった場合はAmazonならその後いつでも決断をクリックできるが、リアルな店舗の場合はそうはいかない。
今現在このi-appliは、起動してスキャンのボタンを押すと端末ネイティブのカメラ機能を、バーコード読み取りモードで起動し、スキャンし終わったらやはり端末ネイティブのi-modeアクセス機能へバーコードを受け渡してAmazon Mobileのサイトへと導くだけのアプリケーションになっている。
ケータイがバーコード読み取り機としての役割をより明確に獲得していったとき、ASSは「Amazon Scan Search」じゃなくて「Amazon Scan Shop」になっていたら、と考えてしまう。しかもその足がかりが、たった5KBのサイズ。5KBで流通を変えるだけの可能性を作り出せるのが、人間行動に密着したケータイの世界なのかもしれない。
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松 村 太 郎