GREE Mr. Tanaka "今までの出来事の延長線上"
2004.11.19 15:29 JST - COLUMN - SYNDICATE (net)

GREEの会社化のニュースが駆けめぐった今週だったが、11月16日火曜日にSFCで開講されている知識情報論で、GREEの田中良和さんが講演にいらした。なんと良いタイミングというか。会社化の話は発表の2日前なので当然その話は出なかったが、田中さんの話を何回か聞いていた中でも、一番に値するような、とても良い講演だった。どこかここまでの1年間の経験や出来事をきっちりと振り返って、新たなスタートを切る人の勢いというか、風を切る感覚すら覚えた。
とにもかくにも、GREEの会社化、おめでとうございます。
・GREE Blog: グリー株式会社 会社設立について
・Tanakayoshikazu.com: グリー株式会社設立について
まずこの授業、知識情報論は「企画を作ること」を主眼に置いた授業で、最終的なアウトプットは企画書を作成するという内容になっている。今回田中さんにお願いしたのは、個人でスタートして10万人のユーザーを獲得した「GREEの作り方」について、その裏ではどんな思いがあったのか、どんな企画を立てたのか、その結果どうなったのかという点を聴きたかったから。しかもSFCの学生の多くが身近に活用しているGREEということもあって、取っつきやすかったのではないかと思う。こんなことを書くと先生に怒られそうだけれど、毎回の授業で測っている就寝率は5ポイント少ない7%でした。ダイジェストで。
今までの出来事からの延長線上
講演の全体の流れは2つ。まず2003年の春に出会ったFriendsterの話から始まる。米国では流行っているけれど、そのころ田中さんにとっては何が面白いのか分からなかったそうだ。しかし熱狂的なブームがさらに盛り上がった秋になって「面白さが分からないのは、自分の目の付け所が悪いに違いない」と思い、今度は友人も何人か誘って登録したという。友達の顔が並んだときに、何が面白いか気付いたそうだ。
そのときに元々社会人になって以降思っていたことと繋がったのだそうだ。「友達は大切で、友達との関係性をもっと(悪い意味ではなく)効率化したい。それが出来るならやる意味があるからGoだ」やる意味があるのか?やり続けることが出来るのか?そう言ったことを十分に自分に問いかけた結果、GREEを作ろうという決心に至ったのだという。
SNSに期待していたことは次のように語っていた。「忙しい毎日を効率的にたの済むことは出来ないだろうか? e-mailなどで人間関係が効率化されている流れはあるが、しかしまだ足りないと思う。そこを解決できるのがSNSではないか、と目を付けた。かねてから考えていた人生を豊かにする「誰と」「何を」するか、という2つの変数の「誰と」はそれまでのSNSでも解決できていた。そこで自分が作るSNSでは、ネット内で完結せず、実生活を豊かにするためにネットを使うツールとして成立させたい」
振り返ってみると、今までの長年の出来事の延長線上で、自分の中の新しい出来事が存在しているという感覚があったそうだ。「インターネットが実現する未来を確信したところからこの業界に入ってきて、日本でのネットビジネスを探し始めたところがきっかけだった。別に始めからSNSを作ろうと思っていたわけではなく、SNSを作ったのは自分が経験してきた何かを反映した結果であって、始めから対したことは考えていなかった。やれるという感覚と、実際にやってみてたまたま何かが起きることの方が多いと思っている」
「インプリこそ全て」
「インプリこそ全て」というのは楽天の三木谷さんの言葉だそうだ。「思いついたとしてもそれを具現化しなければ意味がないし、やるかやらないかは能力ではなく行動力の問題だ。ほとんどの人はやらないし、行動に移さないし、続けない。始めなければ勝ち負けもつかないし、やめなければ負けもつかない」という点を熱く強調して、力説していた。
「生まれもって一生の目標を持っている人などいない。やりたいことだと思いこむ力が必要だと思う。とはいえ、やっぱり必ず飽きて面倒になってくる。株価みたいな自分のモチベーションの要素を知って、それを刺激する方法論を見いだすこと。これが必要なのではないか。GREEは自分にとってそう言う要素があるものだ」
そしてもう一つ、「ユニークは孤独を生む」という指摘。「『世界に1つだけの花』という歌があり、ユニークであることがポジティブに歌われている。希少価値に差があって、そこが評価されるものの、人と違うことや比較対象がないことへの不安というものが出てきてしまう。その孤独を恐れずに出来るかどうか。誰も分からないと言うことは、自分が気付いているチャンスと言うことかもしれない、と考えても良いのではないか」乱立するSNSサービスがあってもモチベーションを落とさず続けていく考え方のコツがここにあるのかもしれない。

質問1: 戦略的な部分はあったのですか?
「ユーザーを集めるというのは営業。絶対集めてやる、と言う気合いが先行していたと思う。もちろん気合いだけではなく、どんな人に使ってもらうか、という先行ユーザー像は考えていた。SNSの良さは根本的にわかりにくい一方で、勘の鋭い人にとっては何が面白いかすぐに分かる。日常的にネットを使っていて、コミュニケーションに価値を見いだす素養を持っている人たちに、まずはフォーカスを当てていた」
質問2: GREEの重要な機能
「実名性ではないか。このサービスが他のサービスと違っていく可能性は、実名率の高さにあると思う」
質問3: 他のサービスとの比較は? プレッシャーやポジショニングなど
「まず、オレが作っているから特別、と言う思いはあるし、自分なりにメッセージを持ってやっている。まず実名性であること。そして人間関係を豊かにするという目的の元に集めているサービス群を提供する。1つ1つの機能が重要と言うことではなく、そういうメッセージに基づいた全体感が伝わればよいと思っている」
質問4: やり続けるコツ
「一度始めるとやめられなくなるタチ。やめられない力学も発生してくるのかもしれない。今思うと、これをやらなかったら何をやっていたかな?と考えてしまう。何か生み出すことをやってみたいとずっと思っていたし、それはいろいろな友達がいたことも助けになっている。ネットバブル時代の友達が、皆それぞれ努力している。彼らの成功を見ると、自分もがんばらなければ、ともらい続けている。そういう友達を持っているのは重要かもしれない」
質問5: ビジネスとモチベーションについて
「お金を儲けるというのは重要だと思う。物事を続けるためにはどうしてもお金が必要だし、お金はわかりやすい感謝の意味として測ることも出来るのではないか。決してネガティブだととは思わないし、お金を作り出すことはむしろ重要ではないか。ネットで水やダイエット食品の通販がとても儲かっているのをみると、ネットビジネスをしっかりやればお金になることが多い、と言う考えもある」
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松 村 太 郎