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イメージしにくいアドホックネットワーク

2004.11.24 02:34 JST - ()

 Bluetoothなどが活用できるアドホックネットワークに関連する技術が日本ではなかなか普及してこない。チップが高いことに加えて昨今ではケータイ間で流通するウイルスの懸念まで指摘され始めている。一方で通信料がかからないケータイ間のアドホックネットワークへのアイディアやニーズが足りないとの指摘もある。


松村
 基本的にアドホックネットワークもコミュニケーションのサービスとして捉えた場合、今までのケータイと何が違うのか、と言う視点から考えてみたいと思う。見える範囲での通信が行われるということになるが、ただ単に情報を伝えると言うよりは、もうちょっと高度な情報やコンテクストを渡す、と言う場面で使われるのではないか。

天笠
 1つ例を。東横線に乗っていたら、子供が走って通り過ぎていった。と思ったらまた走って戻ってきて、何回か往復している。何をしているのか疑問だったが、彼らはゲームボーイアドバンスを持って電車内を突っ走っていたのだ。ゲームボーイアドバンスでは無線キットを装着することができる。つまり、通信相手を探しながら走っていたのだと思う。

水島
 アドホックネットワークが使われるシーンとして考えてみたい。他人と繋がるケースというのはどういうときなのだろうか。例えばゲームボーイアドバンスの対戦相手を電車内で探す、というのは電車に乗っている時間の対戦相手をその場で探すというシーンだと言うこと?

天笠
 知り合いが集まる過程に影響力があるのではないかと思うのだが

水島
 例えば教室なんかでAppleのiTunesを立ち上げると、アドホックネットワークではないが、同じネットワークに乗っている他のユーザーのiTunesからプレイリストをルックアップできる。これは決して知り合い同士に限った話ではなく、ちょっとそこの場にある音楽を探してみて、ダウンロードはできないが視聴してみるというシーンは既に考えられる。例えばこれが着メロであったり写真であったり。

天笠
 「マルコビッチの穴」という映画は他人の視点で物事を見ると言うことの面白さを表現していたが、そう言う感覚になっているのかもしれない。

水島
 例えばラブゲッティ。街などでのインスタントな関係をシェアする、という使い方もある。

天笠
 しかしながらコスプレーヤーは自分の趣味を可視的にすることでおもしろみを感じるそうだ。人同士をただ単にその場でつなげただけでは面白くないかもしれない。

島田
 PSPで対戦ができるゲームに取り組んでいる。知り合い同士でやるのも当然面白いと思うが、知り合い以外を媒介できるメディアがあったり、オフ会があれば、知らない人同士でやるようになるかもしれない

松村
 それはこれまでのゲームセンターみたいな振る舞いだ。ゲームセンターでは対戦型ゲームで、機会の反対側にいる対戦相手と楽しむことになる。例えば(僕はやらないから分からないけれど)桜木町のゲームセンターには強いやつが良く集まっていてレベルが高い、だとか、新宿でもあの店では比較的勝てる相手がいる、だとか。今までは固定された場所が対戦場所だったが、今度は東横線の19時発の急行がよい、しかし冬になってくるとだんだん18時の急行になっていく。という流動性ある場所性みたいなものが実現されそうだ。

水島
 確かにその場でネットワークがくめるという点での面白さというのがある。しかし使い方がまだ見いだせていない。

天笠
 障壁が高いんじゃないかと思う。無線LANを使っている人がいきなりアドホックにするとは思えない。インターネットに接続できなくなってしまうから。ケータイの場合もシングルプロセッシングだから、待ち受けモードを普通のケータイの電波とはいたり要することになるのであれば、その可能性は低くなってしまう。

松村
 Vodafone Live! BBではコンテンツを暗号化してキー認証を各端末で取る形でコンテンツ流通の手段としてとして使い始めるそうだ。つまり今まではキャリアの公式サイト経由で行った先々でコンテンツをダウンロードしなければならなかったが、PCからケータイへ、ケータイからケータイへ、メモリカードやBluetoothによってコンテンツそのものは暗号化された状態で移すことができるようになる。これによってアドホックネットワークへ流通経路としての役割が確立されることになる。

島田
 コンテンツそのものの流通も考えられる。ニンテンドーDSのピクトチャットは描いた絵を流すことができる。昔の小学校の教室の中を思い浮かべて欲しい。女の子が教室で中で紙を回す感覚と同じだ。つまり近距離の限られた空間で行うコミュニケーション手段として、と言う可能性が切り開かれているが、コンテンツやインフラとしての可能性は、やはりまだまだ追求されていない。

天笠
 アドホックネットワークの構成要素を考えると、そう言った流通が起きるか起きないか、活発に行われるかどうかは、その場にいる人次第かもしれない。その場でいる人同士のメッセンジャーが1つ例だと思う。匿名性の世界よりは名前がある世界の方がアドホックネットワークにとってはよいのではないか。コンテンツ流通をするにしても、知っているという信頼性とお金がかからないという点が障壁を下げていくと思う。そのために顔が見えるP2P通信が必要かもしれない

松村
 なにがアドホックネットワークに必要か、と言う議論になってきているが、ここで考えてみたいのは、未だにアドホックネットワークで、普段から重宝している使い方がまだなく、イメージできていない。場所に即した、その場でのコミュニケーション、と言われてリアルなモノを思い浮かべても、やはりそこでケータイ端末やモノを介して行われるコミュニケーションとなると、何らかのジャンプが潜んでいるように思える。コンテンツ化する可能性があり得るのか、あるいは気付けていないだけか?

水島
 おそらく見ている範囲、という限定というのもなかなかの縛り。見えているなら会えてしまうし、人間が雰囲気を作り上げたり、雰囲気によって協調するような行動をしている。それをコンテンツとして可視化することができていない。トランシーバー的にもう少し帯域を細くして、エリア範囲を広めるというアプローチ、無料通話の領域を広げればいいかもしれない。写真を上げたい、軽く意思疎通に会話や文字を送りたい、というニーズはある。

島田
 例えばあるいは待ち合わせで近づくと反応するサーチャーのようなモノ。人探し、モノ探しに使えるようになるという使い方も考えられる。必要としている場面はないのか?何らかの解決すべき状況を考えてみた方がよいと思うが。

水島
 議論している4人で考えると、今のところ麻雀をやるくらいしか、ケータイによるアドホックネットワークを開くインセンティブ、シーンがないかもしれない。利用シーンを作らなければならないが、範囲を広げると言っても繋がってしまう事へのモードのON / OFFもできる必要がある。現在DoCoMoの端末を中心に搭載されている赤外線通信は通話料もかからないし、至近距離での通信になるが、指向性があるからユーザーアクションによる物理的なセキュリティがある。

松村
 なかなかイメージが掴みづらい議論になってしまっている。ケータイ同士の中距離通信について、もう少し考えていければならない。継続的に議論をしていきましょう。

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