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Edyと昼食とキャンパスの課題

2005.02.17 11:36 | by TARO MATSUMURA
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 この記事もタイトルが引っ張る世界観。けれども内容は、僕が今年追いかけようと強烈に思っているEdyの話題だ。特にケータイに入っていく電子マネーの行方に興味があるのだ。ちょうどSFCにEdyが導入され、またもSFCが4000人規模のテストフィールドとして運用されることになった。この話題は膨らませて行ければと思っています。

 SFCは春休みに入っている。学生は海外旅行やサークルの合宿へ出かけたり、卒業を控えた学生は最後の休みを満喫している。例えば海外へ行っている友人からは、普段の電子メールではなくソーシャルネットワーキングサービス上からメールが届いたりしている。メッセンジャーのコンタクトリストではオンラインの人は半分くらいに減っているし、普段ほぼ必ずオンラインという人すらサインインしていなかったりする。普段とは違うコミュニケーションの取り方をしてくるのも休暇中ならではかもしれない。

 そして先週も紹介したとおり、キャンパスでは新学期へ向けてのさまざまな準備が進められている。食生活の改善もまたその1つだ。有線LANや無線LAN、電源コンセントといったコンピュータ向けのインフラや、学生が利用可能なコンピュータなどの"デジタルサプリ"は充実しているが、食生活環境が必ずしも充実しているとは言い難く、キャンパス内に「食生活改善プロジェクト」が存在していることもまた象徴的なのではないだろうか。

 例えばSFCの昼食事情。これは時間との戦いだ。以前の記事でも紹介したとおり、最も長い休み時間でも20分しかない。そのため食堂でゆっくりと昼食を取るというわけにはいかない。学生はキャンパスの売店である生協で昼食を買い、授業中に食べることになる。基本的に授業中の飲食は認められている。中には「けしからん」と怒る先生もいないことはないが、おにぎりやサンドイッチをかじりながら学生が授業を聴いているという風景は日常的なものだ。

 授業中に食べてよいのなら時間との戦いはないようにも思えるが、生協での買い物がまた難儀する。キャンパスにいる学生が一挙に昼休みに生協へ押しかけるため、ピーク時の店内は移動もままならないほどに混雑し、レジにも長蛇の列ができる。もしも好みのものをじっくり選びつつ昼休み明けの授業に遅刻しないようにしたければ、前の授業が少し早めに終わって真っ先に生協に駆けつけるか、次の休み時間まで持ち越すかのどちらかだ。

 そんな状況を改善しようと生協以外にもテイクアウトの昼食を買える店を誘致することが決まったが、レジの長蛇の列を改善しようという動きも出始めている。以前の記事でも紹介したキャンパスニュースサイトSFC CLIPが村井純教授へ取材した記事によると、生協や食堂やラウンジなどのSFC内の店舗のレジにEdyの導入を検討しているそうだ。Edyの、タッチするだけで終わる決済によるスピードアップがレジの混雑解消に役立つのでは、とSFC CLIPは指摘している。

 EdyはFeliCaを利用した電子マネーで、レジやチャージ専用マシンなどでチャージして支払いに利用することができる。カード型のものが多く発行されているが、NTTドコモが発売している、FeliCaを内蔵したいわゆる「おサイフケータイ」でもEdyを使うことが可能だ。僕も2004年12月におサイフケータイに機種変更してまず2000円チャージして使ってみた。使ってみて僕が感激したのは、駐車場のEdy対応精算機での駐車料金支払いだった。

 自動販売機や駐車場の精算機では新札に対応していない機械があったり高額紙幣を受け付けない機械があったりする。使えない紙幣を持っているときは両替をしなければならなかった。もしコインがたくさんあってもクルマの窓から乗り出すようにしてコインを入れるのは一苦労だ。それに比べるとタッチするだけで支払いが終わってゲートが開くEdy対応精算機のスピードと快適さは目を見張るものがあった。

 これを快適だと思う感覚をひもといてみると、タッチしてすぐにゲートが開くという点ではスキーのIC式リフト券システムやJR東日本のSuica(Edyと同じFeliCaが使われている)対応の改札機と同じだ。また、クルマのハンドルを握っているというシチュエーションで煩わしさがなくなったという点では、高速道路のETCにも似ていた。生協のレジでできる行列も、Edyを導入すれば改善されるのだろうか。あるいは、まずは高速道路のETCレーンのようにEdy専用レジを設けてEdyユーザーが素早く買い物を済ませるようにするのだろうか。

 さて先週に引き続き、身の回りのSFCの学生にEdyについて話を聞いてみた。すると面白いことに、カード型のEdyを持っている人は多かったが、Edyを使っている人の全員がおサイフケータイでのEdy利用だった。話を聞いた男子学生によると「ケータイに5000円くらいチャージして使っている。チャージをしたら、Edyを使うことができるコンビニを選ぶようになった」とプリペイドカードにありがちな店の選択をし始めたそうだ。生協でも使えるようになったら、駅前のEdyが使えない店ではなく学校へ行って買い物をするようになるのだろうか。

 また女子学生によると「始めは使わない機能だと思って放っておいた」としながらも「試しに使ったら快適だった」と使うようになったそうだ。「特に冬の時期、ケータイはコートのポケットに入れているので、鞄から財布を出さなくても買い物ができるのが手軽」と財布のひもが緩んだことを苦笑いしつつも快適さを語ってくれた。使い始めるまで(チャージするまでの)敷居はやや高いものの、使い始めると便利さを認識するという類のものなのだろう。

 SFCの学生の間でも使い始めた人の評判は上々だったEdyは、本当にレジの列を解消できるのか。他の女子学生の経験を聞くと不安も見え隠れする。「以前ものすごく急いでいるときにコンビニエンスストアで使おうと思ったら、レジの人が慣れていなくてなかなかEdy決済が出来ず、結局小銭で代金を払った事がある」Edyを使おうとしたときの対応にお店側が慣れていないと、かえって時間がかかってしまうこともある点を指摘していた。スピーディーな決済には店員はもちろんのこと、われわれ利用者にも慣れが必要そうだ。

 さてここまで電子マネーであるEdyがキャンパスに導入されるという話をしてきたが、学生が全員必ず持っているカード、学生証がEdy対応になったなら、と想像を膨らませてしまう。SFCでは磁気カード式の学生証が学生に発行されていて、メディアセンター(図書館)や、コンピュータがある特別教室に入る際などに磁気を読み取らせて使っている。また各種申請証の発行の際にも使っている。キャンパスでの生活に欠かせない学生証にEdyが入って買い物ができるようになったら便利そうだ。

 それだけでなく、FeliCaケータイに学生証を入れることが出来れば、学生証を忘れてメディアセンターに入れないという事もなくなるし、ケータイの画面から認証が必要な学校のサービスを受けられるようになるかもしれない。そういった手続きや決済といった面での効率化だけでなく、授業や日常生活に生かせるような使い方だって有り得る。場所性と実名性を生かしたキャンパス内で有効なオープンなコミュニケーションシステムに成長をさせられれば、キャンパス内での人材や知識などの共有や活用に生かせる可能性もある。

 企業では既にEdyやクレジットカード機能を持たせた社員証が普及している。キャンパスで有効な学生証も同じように導入することは可能だ。そこに大学のキャンパスならではの機能を持たせることができるか。あるいはそういうモデルを作れるかどうか。Edyの導入を期にしてキャンパスに与えられた1つの課題ではないだろうか。

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