今日も1日諸々年末処理をしてから、夜にCNET Japan / ZDnet Japanの忘年会に参加してきた。西田編集長をはじめとした編集部の方々、ニュース原稿を作っている方々、そしてCNET Japan Bloggerの方々と神保町のイタリアンで楽しいひとときを過ごさせていただきました。ありがとうございます。それにしても話がとても面白かったので、むしろ四半期ごとに開催してそれぞれのblogの記事にしても面白いんじゃないかと思いました。
ちなみに、SWさんのblogでもその話が書いてあります。僕も頂いたCNET Japanの、トーキョーネット業界マップのカレンダー、気に入りました。なんだかこれを見ていると、いろいろなポジショニングが見えてきますね。業界の勢力図みたいなモノを想起させられるのはもちろんですが、その土地土地とそこに根付いている企業との関係を考えてみても面白そうだ。これは「今日のトーキョー」企画ですね。
渡辺聡さん、森祐治さん、渡辺隆広さん、途中から加わった林伸行さんとモバイルの来年、放送、IntelやAppleの来年の話をしていた。森さんと思いがけず盛り上がったのがデジタル地上波テレビの話。森さんは今年SonyのBRAVIAを、我が家は12月19日からSHARPのAQUOSを、それぞれ導入。デジタルハイビジョンライフをスタートさせた口だ。森さんはそこまでテレビを見ない人、僕は完全なるテレビっ子という違いがあるとはいえ、完全に一致したのは「もはやアナログ放送やケーブルの放送は見る気がしない」ということだ。
デジタルハイビジョンテレビといえば、プラズマや液晶、最近ではリアプロジェクションなどの方式が出てきていて、どれも大画面でコンパクトがウリだ。しかし本当のウリは、ハイビジョン放送を再現するその画質である。家電量販店の店頭で沢山薄型テレビが並んでいるな、キレイだなと思うかもしれないが、これが実生活の中に入ってきたときのメディア体験は、店頭で眺めているのとは全く違う。
今までいかに劣悪な放送を見てきたのか、なぜ早くハイビジョン対応パネルのテレビを買わなかったのか後悔するくらいだ。雑誌で読んだり、人の話を聞くのとは全く違う、非日常の画質が日常のモノとなったとき、森さんも「さすがにこのクオリティが日常の中にあると、テレビを見るようになった」と言ってました。ご家庭にお子様がいらっしゃる時、絶対テレビを見るなとは言えないのが昨今なので、どうせ見るならハイビジョン放送を見た方が良いです。クリエイティビティに大きな変化が出そうな気がするので。
デジタル放送と言っても制作サイドでの編集や送出などの環境によっては、完全なハイビジョンのクオリティが体験できるチャンネルや番組は限られていると思う。それでもアナログ放送の480iの画質に比べればその差は歴然。ちなみに480iだとか720pだとか1080iという用語は有効走査線数に関する話だけれど、、デジタルARENAのQ&Aあたりをご参照。せめてDVDの720p。もはや480iになんて絶対に戻ることが出来ない。絶対に。
いくらテレビや見る放送が1080iになっていても、我が家ではまだ完全にハイビジョン対応していないテレビのツールがある。それはHDDレコーダーだ。2年前のPanasonic Digaを使っているので、D端子こそ搭載しているものの、ハイビジョン録画をすることは出来ない。いくら記録の画質を高めたとしても、搭載しているチューナーは地上波アナログチューナーなので、AQUOSに表示させるとブロックノイズの固まりのような映像しか得られないわけです。
なんだか産業界の術中にハマっているような気がするけれど、年末のうちにハイビジョン対応のHDDレコーダーを買ってしまいそうだ。何でそこまで?と思わないでください。2段落前に書いた通り、もはやアナログチューナーの画質が苦痛でたまらないのだ。パンドラの箱というのは怖いモノですね。デジタル家電のインターフェイスはどれも使いやすいとは言えない残念な状況だけれど、スゴ録は男の子っぽいインターフェイスの使い勝手で気に入っているし、HDV端子も備えているので有力筋です。
ちなみに昨日「Sony Media World」に行ってきたという話を書いたけれど、その中で今までのテレビ(SD)の4:3の画角とハイビジョン制作のテレビ(HD)の16:9の画角で、絵の作り方がかなり違うという話を書いた。今ドラマが軒並み再放送をしているけれど、そのドラマの再放送を見ながら思うことが多々ある。
阿部寛のキャラクターが大好きなTBS『ドラゴン桜』の再放送はちょいちょい見ている。今年の夏に放送されていたときはSDのテレビ(Panasonicの画王でした)で見ていた。まあHDのテレビなんて見たことがなかったから何の違和感もなく見ていた。しかしドラマ自体はハイビジョン制作をしており、元の映像は16:9の画角で制作されている。しかし多くのテレビが未だSDであるため、4:3の画角でちょうど良いように絵作りがされているのだ。すると何が起きるか?
昨日のエントリーでは16:9の画角の方が4:3の画角よりも広く周りの風景を撮ることが出来る、というサンプルを載せておいた。つまり画角が広がることを生かした絵作りが出来るというポジティブなとらえ方だ。テレビ朝日の『ミュージックステーション』は早くから16:9の画角をスタンダードにして、SDのテレビで見ている人には上下に黒い帯を入れている。HDにポジティブに反応している例だと思う。
しかし『ドラゴン桜』をHDのテレビで見てびっくりした。SDのテレビで見ていたときには気にならなかったことだが、HDのテレビで見るとSDの画角の外側に、壁だとか話に関係ない電気のスイッチだとかが映っていたのだ。それにHDでみるとセットの安っぽさが際だってくる。「なんだこれ?」という状況である。日テレ『ザ・ワイド』をHDで見ていても、喋っている人が真ん中に映っているが、やはりSDの画角の外側には隣の人の肩が両サイドに映ってしまっている。HDの画角にしてはコメンテーターの座る間隔が狭すぎるのだ。
つまり今のテレビの制作現場は、カメラこそHDのカメラが入っているが、セットのクオリティや人の配置、映像表現などが未だSDの画角である4:3のスタンダードで作られ続けていると言うことだろう。別に現場にいるわけではないので詳しいことは分からないけれど、ちょっとお粗末なんじゃないの? と思わざるを得ない点が目立つのだ。お金を払っているわけではないので動向言える立場ではないが、逆に1000円払ってでも、きちんとハイビジョン制作されたテレビを見ていたいとも思った。
その願いが叶わないなら、これは2011年といわず何とか早くHDをスタンダードにした方が良いのではないかと思う。もっと安くハイビジョンが見られるようにすることと、Mステ方式でHD移行をすることなどの対応が欲しい。
こんな欲求も、自宅でHDを見るまでは一切考えることもなかったし、デジタル地上波への完全な移行にも懐疑的だったほどだ。180°意見が転換してしまうほどに、メディア体験というモノは重要なのだな、と2005年末に強烈に意識させられた出来事でした。
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松 村 太 郎
TARO MATSUMURA
UPPERWESTSTUDIO
慶應義塾大学SFC研究所 上席所員(訪問)
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