今日も一日出ずっぱりだった。朝打ち合わせをしてから、午後の予定が六本木だったので千原くんに連絡して黒兵衛でランチ。お店に入ったことがあったんだけれど、麺を食べるのは初めてだった。ラーメンはシンプルな縮れ麺、そして塩ラーメンのスープがまた美味しかった。ラーメンの割にかなりさっぱりとしたさわやかな1杯。急な呼び出しにもかかわらず、どうもありがとう。
午後はグローコムで、Theodor Holm Nelsonさんの講演を聴いてきた。「Hypertextの父」と呼ばれたりしているが、各所でも既出の通り、彼の考えがたまたまウェブのhypertextに近かったと言うだけなのだ。僕が気に入って使っているblogやAdobeのデザインソフトウエアについて「デジタルドキュメントの表現はかなり上手になってきたけれど、それでもやはり紙のシミュレーションを上手にこなしているだけ」と言う言葉は印象に残る。コンピュータの中でわざわざ紙のマネをせず、より新しいドキュメントシステムを追い求める。そんな宣言が散りばめられていた。興味深いデモもありました。
Microsoft WordもAdobe IllustratorもいわゆるWYISWYG(What You See Is What You Get)を実現しているインターフェイスを持っている。これはコンピュータの画面の上で紙を再現して、編集した通りの結果が得られるというスタイル。僕にとってはWordとIllustratorでは、使い勝手の上ではかなりの差があるし事実アウトプットにも大きな差があるけれど、彼にとっては紙の再現という意味で同じ事だ。「PDFは現状、完璧に紙をシミュレーションするフォーマットだ」とも付け加えていたっけ。Flashについては触れていなかったような気がする。
デモの中では、紙ではとうてい実現できないような文書の表示・編集の仕組みを披露していた。1つは3D空間に文書が飛び回っているというもので、いくつも文書が飛び始めると、その関係性を空間の中に表現したりするのだろう。もう一つはより関係性の記述を強化したリレーショナルデータベース。前者は視覚的にすぐ理解できたが、後者はちょっと難しかった。
僕はコンピュータの未来像などを考えたりもするけれど、日常生活の中ではやっぱり紙とペンが好きだったりするし、ポストカードやコースターといった紙を使った表現も好きだ。身近にパソコンはおろか、ワープロすらなかった時代に幼少期を過ごしていたんだから、コンピュータで紙が作れるなら、それで良いかな、とちょっと思ったりもする。未来を考えるヒトがそんなことを言っちゃいけないのかもしれないけれど、好きなんだからしょうがない。なんかレトロが好きなんですね。いや、考えてますよ、未来のヤツ。
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松 村 太 郎
TARO MATSUMURA
UPPERWESTSTUDIO
慶應義塾大学SFC研究所 上席所員(訪問)
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