2006.06.29 16:13 JST - - - ()

iD事始めならず - 意外な問題点

 モバイルSuicaを設定したところで、こんどはiDも設定してみようと思った。iDを使うにはDCMX mini(毎月のケータイ料金で利用料が引かれる)に登録しなければならないのだが、ケータイ料金をクレジットカード引き落としで支払っている場合、DCMX miniを契約することが出来ない。仕方がないのでクレジットカードから銀行引き落としに変更して、登録が終わったタイミングでDCMX miniに登録した。しかし次なる関門があった。それはケータイのICカードのメモリの問題である。

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       iDアプリをダウンロードしようとしたら「ICカードのメモリが足りません」というエラーメッセージに見舞われた。確かにそうかもしれない。現状、はじめから入っていたEdy、これと紐づければマイルがたまるANAマイレージクラブ、ヨドバシカメラのポイントカード、TOHOシネマズのチケットアプリVIT、そしてやっと設定したモバイルSuicaの5つのICカードアプリが入っている状態。一杯一杯である。

       かつて待ち受け画面という領域を巡って、あるいはiアプリの保存領域を巡って、コンテンツプロバイダやキャラクターなどの競争状態があると思っていた。ケータイの顔となる画面にどのコンテンツが収まるか、限りあるアプリの領域にどうやって入り込むか、しのぎを削っている。少なくとも、アプリの保存件数はケータイ本体のメモリの増加で競争状態は緩んでいるかもしれないが、使ってもらう隙間時間を巡っての競争は依然として続いている。

       待ち受け画面に関してはだいたい1つのケータイで1つしかない。画像だけでなく待ち受け対応のiアプリも登場してきて、ケータイの1面トップを奪取しようという争いは続いていくだろう。そこで今度出てきた争いが、FeliCaチップの容量の奪い合いである。こちらの方がどちらかというと熾烈な戦いになっているように思える。決済というより生活に近いプラットホームが関わっているからだ。

       僕の場合、結論から言うと、iDアプリのダウンロードはあきらめた。普段のコーヒー1杯の支払いも極力クレジットカードで行っている生活をしていると、iDの魅力はエリアの面でもカードの枚数の面でも全くない。小銭は持たなくなって大きなサイフはいらなくなっても、やっぱりカードケースは当分必要な持ち物であり続けるからである。クレジットカードをケータイに入れる必要がない。

       逆に言えば、iDによる決済がどこでも出来るようになり、さらに海外でも可能になり、免許証や保険証といったiDもケータイの中にはいるのであれば、カードケースは不要となり、ケータイクレジットも使うようになるんじゃないか。もちろんさらなるセキュリティを確保する次世代FeliCaチップが、そのポジションをねらってくるのだろう。

       考えてみると、公的なiDである免許証やパスポートが、現在のカタチである必要はない。言ってみればちょっと加工・印刷された紙ぺら1枚である。決して紙ペラがICチップより信頼性・セキュリティの点で優れている訳ではないと思う。ただ生活している上での感覚では、やっぱり目に見えるモノの方が信頼感が沸くというのも僕は理解できる。いかにこの感覚を覆していくか、という問題じゃないですか。

       例えば現在、同じサイフに銀行のキャッシュカードやクレジットカードなどのカード類と、運転免許書や保険証などのIDになるカードを入れておいて、その財布をなくしてしまった場合、補償が受けられなくなる場合があるそうだ。IDカードさえあれば、本人でなくても不正利用をすることが可能だからであり、カード型のIDやクレジットを使っている限り、その危険性はが存在している。

       例えばおサイフケータイの中にクレジットカードと電子化された運転免許証が入っていて、それをなくしたとする。そのとき端末自体で個人認証を取らなければ使えないというセキュリティの仕組みがあれば、不正利用のリスクは薄まるだろうか。ケータイの中に入れておけば不正利用を防げるならば、モノは少なく統合して、セキュリティも高くなるという状態になるだろうか。

       少しずつのユーザーの経験から紙やプラスティックのカードよりもケータイのICチップの方が安心だということになれば、また信頼性やセキュリティの感覚が日常レベルで変化してくるのではないだろうか。ビジネスサイドも行政サイドも、割と思い切った施策が必要かもしれないが、当分の間は、ケータイがローカルサイドのセキュリティツールの役割を担ってくれると考えている。ただそのための道筋は、混沌としていて、ユーザーサイドからははっきり見えないのが残念だ。

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2007.02.01 #06松 村 太 郎
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