Lexus↑、DoCoMo→ - ひとつのドラマ内でのプロダクト・プレイスメントの明暗
2006.06.25 23:45 | by TARO MATSUMURA
BLOGGING | car, keitai, tv
タイトルに妙な記号を使うのも珍しいというか初めてかもしれない。とにかく、Lexusは上がり、DoCoMoは変わらず、という意味である。それはドラマの中で小道具として出てきたモノについて、ブランド価値を上げたなと思ったのがLexusであり、興味がわかなかったというか、変わり映えしなかったのがDoCoMoだった。そんな感想である。ちょっとテレビっ子の視点で行きましょう。
今日が最終回だった日曜日のドラマ、TBS系「おいしいプロポーズ」。パターンとしては稲森いずみ主演のフジ系「曲がり角の彼女」と同じ、上司の若造男と部下の年上女というありがちな構成だった。でも久しぶりに最終回まで淡々と楽しめた気がする。
前クールもそうだったけれど、途中までものすごく良かったのに、うまく最終回で終われない症候群のドラマが多い。もうなんとも歯がゆい思いになっていたところだったので、それに比べれば「おいしいプロポーズ」はそう不満はなかったドラマだった。フジ系で今週最終回の「医龍」もオチが不安注意報。最終回を慰留して欲しいと思ってしまう。
つまらない洒落はさておき、小道具として目についたのがクルマとケータイ。その若造が(社長の息子で会社の常務という役所)が乗り回していたのがLexus IS350だった。気を抜いていると見落としてしまうけれど、しょっちゅうクルマが格好良く映るカットで撮影されているのだ。
例えばマンションからバックで出てきて、向こうへ走り去るというシーンでも、カメラに向かっておしりが向かってきて、モデル名、ロゴが見えたところでテールランプが光り、いい音を立てて走り去っていくのだ。確かに映像的にその方が格好いいんだけれども、ついついクルマのアピールにドラマのワンシーンが使われているようでならない。
もっと不自然なのは、その若造(役者のお名前は小出恵介さんです。すいません、若造呼ばわりで。あくまで役所をさして、ですので)がLexusを運転するとき、仕事の時はもちろん、休日も必ずジャケットを着ているのだ。決して汚いTシャツ姿では運転させない。徹底している。さらに、ちょっと悲しかったり怒りが走るシーンの後クルマを運転しているときも、どことなく楽しそうな表情をしているのだ。思い起こせばLexus ISのキャッチコピーは「微笑むプレミアム」だった。考え過ぎかもしれないけれど。
詳しく見るとわざとらしいところもあるけれども、少なくともクルマ好きの僕はLexusのイメージが向上した気がする。以前は「ちょっとね」とあまり興味がなかったけれど、このドラマで描かれたLexusを見ることで、街中でもLexusを気にするようになった。さすがに買って乗ってみたいというほどの動機が沸くほど面白そうな「モノ」の魅力は見つけていないけれども、完全に対象外ではなくなった点で成功したんじゃないかと思う。
さてここまで書いてきた、ドラマの中での商品プロモーションの話、これは「プロダクト・プレイスメント」と呼ばれる手法で、アメリカの映画界ではあの「E.T.」で少女がE.T.にプレゼントするチョコが、初のプロダクト・プレイスメントだと言われている。1970年後半からの手法だ。僕のお気に入りのプロダクト・プレイスメントは「トゥルーマン・ショー」。詳しいストーリーはAmazonをご参照。劇中劇的な世界観で、プロダクト・プレイスメントの教科書っぽいですね。
さてLexusは「おいしいプロポーズ」をおいしく活用できたと思うけれど、一方でDoCoMoはあまりおいしくなかったように見受けられた。使われていたのは4月からのドラマだったので902iシリーズ(FとSH)が使われていたけれど、おサイフケータイやプッシュトークはおろか、テレビ電話も使われなかった。おそろいのストラップをつけて、気持ちが通じ合っていることをアピールしていたけれど、ストラップはDoCoMoの製品じゃないし、いまいち弱含みだった。
これは気付いている人がいたかどうか、若造がイタリアに出張に行っているときに、日本の年上女(こちらは長谷川京子さん)と連絡を取っているシーンがあった。普段若造が使っているケータイはF902iだけれど、イタリアで使っていたのは違う端末。SIMPURE N(N600i)だった。
そう、海外でも通話もテレビ電話もi-modeも使える端末で、低価格なので2台目に持ってくださいという触れ込みの端末である。日本ではF902iを使っていて、海外ではSIMPURE NにFOMAカードを差し替える、という作業をしていることになる。まあそんな下りもドラマにないから伝わらないだろうと思うけれども、ケータイで真新しいことと言ったらそのくらいだった気がする。
ケータイはもはや現代の日常生活で当たり前だからこそ、変化がつけにくいというか、突飛な使い方をしていたら不自然でお芝居やストーリーに影響してしまうから、派手なことが出来ない「モノ」なのだろう。とはいえ僕の中で躍進したLexusと変わり映えしないDoCoMoの2つのブランドの明暗は、結構インパクト大きく受け止めることになった。
同じドラマの中でのプロダクト・プレイスメントといっても、モノが違うので、なかなか単純な比較は出来ないけれど、CM枠の取り合いは、今度はドラマのストーリーの中のポジショニングの取り合いがより明確になってきて、Lexusの場合はいわゆる「くさい芝居」をしてしまっていたかもしれない。けれども現状だとくさい芝居でもしなければ視聴者に気付いてもらえないのも事実で、自然な流れで2代のケータイを使いこなす若造を描いたDoCoMoはマニア好みと言うことになってしまった。
同じ番組の中でCMの場合はトヨタも日産も出向しているパターンが見受けられるけれど、プロダクト・プレイスメントも1つのドラマの中で同じモノが2つ出てきたら、見る側としてはエキサイティングじゃないですか。
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