CNET Japanの読者ブロガーの集いで審査員特別賞を発表されたときに聞いた良い言葉。
「実際に会う時にはみんな明るく接しているのに、ネットに向かうとネガティブになり、負のオーラをまとう情報になってしまう。僕らがポジティブなオーラを放つネットをつくっていこうじゃないか」
なんだかとても勇気付けられる言葉だった。多分僕が眺めているネットの世界の姿を端的に表現している気がする。
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会場には、CNET Japanで読者ブログを書いている人たち、記事ブログを書いている人たち、ブログ業界関係の人たちで大盛況だったけれど、この集いの主役である読者ブロガーの方々同士は、基本的には初対面ということになる。実名で書いているブロガーの方もいらっしゃったが、ほとんどがハンドルネームとブログ名でのコミュニケーション。なんだか僕にとっては、3年ほど前にそういう経験をしていたな、という懐かしい感覚すら覚えた。
読者ブログという試み自体は珍しい事ではないかもしれないが、CNET Japanというチャレンジングな媒体にとってはとてもよいチョイスだと常々思っている。「編集部の中には10人の記者がいるだけ」という編集長の言葉もあり、実際のビジネスの現場にいる人(目利き)の意見を媒体に生かそう、という試みなのだ。「もしかしたら編集部という概念がなくなるのかも」という話すら出ていた。
僕は少しそこまでポジティブに踏み込んだアイディアではない。昨日お話しさせていただいた読者ブロガーの方々が、自分が勤めている企業や自分の名前を明かさず、読者ブログに書いている内容も自分の企業とは関係ない領域の話しかしない、と答えていたのである。確かに現場に出ている人が筆を執っているけれど、現場の声はコンプライアンスの問題などで、当然の事ながらブログには書けない。そういう意味で、現場にいる目利きの意見を取り入れる、という言葉とは少し温度差があるように感じられる。とはいえ、それでも、いい記事を書く方はたくさんいるから、メディアとしてすばらしいな、と思うんだけれども。
もう一つ、編集は、CGMの世界でかなり不足している作業だと思っていて、読者ブログが盛り上がれば盛り上がるほど、編集部が大きく必要とされるようになり、CGMに対する編集の役割が明確になっていくのではないかと思う。ただその手法がどのようなものか、という点はまだわからない。ラジオのDJとはがき職人のやり取り的になるのか、社会調査のアンケートに答える人とそれを分析する人の関係性に近いのか。それを開発してくれるんじゃないかという期待が、読者ブログの取り組みには隠れていると思っている。
もちろんCGMの書き手同士が編集して自然と集合地が形成されていく、という夢の実現と言う要素も大きく持ちたいところだけれども、それはそれとして視野に入れつつ、やはり僕は編集のパワーというものに期待しているところが大きいのだ。
TAROSITE.NETは1997年にスタートした松村太郎のウェブサイトです。コラムやニュースクリップなどの情報発信と、様々なコラボレーションの場として、10周年を迎えました。
松 村 太 郎
TARO MATSUMURA
UPPERWESTSTUDIO
慶應義塾大学SFC研究所 上席所員(訪問)
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