文字を書くツールとしてのネット、パソコン
2007.02.05 17:11 JST - COLUMN - PHOTO (culture mac net photo weblog)

Metal Keyboard by TARO MATSUMURA at Makuhari Messe, Chiba (MAP!)
ITmediaの小寺信良さんの記事は面白かった。パソコンがいくらビジュアルも含めてデジタルデータが簡単に扱える道具になったとしても、やっぱりパソコンで最も長く触れている道具はキーボードだし、文字をたくさん読むことになる。それでパソコンはWindowsではなくMacを使っている。結果的にはMacにブランド感を感じるけれど、文字という機能で選んでいるんです、訳もなく強調するようだけれども。
ブログ関連でお世話になっているひらただいじさんもインプレスBB watchで指摘されているように、MacのウェブブラウザSafariは本当にウェブサイトを美しく(読みやすく)表示してくれるのだ。Firefoxの方が機能的に優れていて、最近メインのブラウザをFirefoxに切り替えたけれど、ニュースクロールはやっぱりSafari。さて。
・ITmedia: ネットから長文が消えたいくつかの理由
・デスクトップ百景: 第六景:デスクトップ上に広がる「混沌の中の秩序」
好きなフォントで作業がしたい
フォントって気にする? 文字表示のキレイさを気にしてMacにしている、と言う話を書いたけれども、とにかく作業をしたり書類を作ったりするときにも、好みのフォントで出力したい、と言う密かなる思いがある。
最近までのマイブームたるフォントは「Gill Sans」というフォントだった。ゴシックなんだけれど線が細めで丸い部分が正円に近いカタチをしていて、おしゃれな雰囲気を味わうことができるからだ。何ともフォントの好みの話は抽象的になりがちですね。次あたりのエントリーで、次期tarosite.netのタイトルフォントをどれにするか、という話を書くので、気になる人はそこでフォントのカタチを観ておいて下さい。
ところが、この前の週末、僕のMacで画面表示に使うフォントを「Myriad Pro」に統一して変更した。日本語の部分は変わらないんだけれど、英数字の部分がなんとなく太めでかわいげのあるフォントにしたかったので。メールのリストや本文、iChatの吹き出しの中、ウェブブラウザのデフォルトのフォント、テキストエディタのフォントなど、あらゆるフォントをMyriad Proにしてある。また変えるかもしれないけれど、好きなフォントで作業をしたい、という願いがあるのだ。
コンピュータの画面の話からはそれるけれど、ケータイの画面でも同じことだ。好きなフォントでケータイの画面の文字を読みたい。少なくとも、キレイな文字で。SymbienOSを搭載している富士通や三菱電機の端末は、好みのフォントではないけれど割とキレイな文字で表示してくれる。明朝体に変更することもできる点が新しい。
実はiPhoneが気になるのも、Macと同じフォントでケータイが使えるから、と言うところが大きいのかもしれない、と言う点は言わないことにしておきましょう。
書くためのツール
文字を書くツールとして、ブログやSNSの書き込み画面は都合が悪そう、ということは僕も感じている。ITmediaの小寺さんの記事でも指摘されている通りで、横幅の狭さだとか、行間だとか、書いた文章のエディット画面での一覧性の悪さだとか。
Safari+Movable Type 3の環境だと、横幅は割と都合が良いし、行間もスタイルシートでしっかり空けられるので、意外と悪くないんだけれども、手になじんだテキストエディタに比べると、ウェブブラウザのフォームの中という領域の余裕のなさ、余白のなさみたいな部分が居心地悪くなってくる。また余白がなくて気持ち悪い、なんて言うと妙なこだわりみたいだけれども。
普段何か書くときには、Macのmi(ミミカキエディット)を愛用している。モードというカスタマイズ可能なテンプレートを設定することができる。対して特殊なことをしているわけではなく、ただ単に横幅を全角50文字で折り返すようにしてある。
そうすると、1行書いたら50文字、2行で100文字、4行で200文字(この辺で改行もしくは1行開ける)、という何となくの僕の中での書きやすいテンポにフィットするのだ。40文字、80文字あたりも試してみたんだけれど、やはり50文字がちょうど良かった。文字数制限の原稿を書くときも便利だから。
最近はMovable Typeのタグに対応していないからあまり使わないけれど、ウェブログエディタのectoも、便利だ。横幅をだいたい50文字になるように調整してウインドウサイズを記憶させておけば、テキストエディタからコピーすることなくそのままブログに自分のテンポで書き込むことができる。早くversion 3が出てきて欲しいモノだ。
自分の書きやすいペンを選ぶみたいに、自分の書きやすい環境をコンピュータで用意すれば、短文、長文にかかわらず、書きやすくなるんじゃないか、と思う。それがブラウザ上のSNSやblogの画面で実現されていれば良いのだ。
ドリコムのブログオフィスの書き込み画面は、フォームに書くと編集結果というか表示例がその下にリアルタイムに再現される疑似WYSIWYGエディタを、ブラウザの上で実現している。こういう各ツールとしての作り込みはこれからどんどん必要だと思うわけです。
書き方について
ITmediaのコラムにも出てきたとおり、僕もはてなブックマークを使っている。こいつがブログのエントリー頻度が減った原因でもあるんだけれど。ここには100文字までコメントを添えることができるが、僕はほとんどそれを使っていない。ブックマークしたこと自体が興味を示した、ということなので、あとはタグ付けでどういう理由でブックマークしたか、を表現しておけば良いからだ。
たぶんはてなブックマーク以前は情報をつなぎ止めるためにblogにエントリーしていたけれど、それすらしなくなった。だからよっぽどのことがない限り、文章を書く必要がなくなった、と言う話がコラムにも出ていた。
blogのエントリーは決してストーリーになっている必要がない、と言うのも僕は同意見だ。文章の小さな固まりを1つのエントリーとして残しておけばいい(だとすればこの長さの文章はブログ的ではない、と言うことかもしれないですが)。それこそ、はてなブックマークに記録可能な100文字、僕のテキストエディタで2行分の固まりで良いと思う。
もし長い文章を書きたいなら、そういうパーツを集めておいて、順番に並べてあげれば良いわけだ。20個並べれば2000文字、50個並べれば5000文字の文章と言うことになる。
これはまさにアウトライン編集だ。時々OmniOutlinerやKeynote、PowerPointなんかでアウトライン編集ができるぞ、ということを書いているけれど、すでにあるブログのエントリーを、言いたいことを表現するために都合の良い順番に並べて整形してあげればいいわけだ。
もちろん逆もできる。2000文字の文章を書こうとするとき、まず4つの固まりに分け、その中身をさらに4つに分けてみる。すると1固まりは125文字。はてなブックマークのコメント+α程度の分量だ。これを16個作ればできあがり。1固まりごとに別々に作るので、1段落ごとに文章がたってきて、読みやすく伝わりやすい文章ができるはずだ。
はてなブックマークだとか、blogもそうだけれど、細かい単位の情報をたくさん作り出したりはき出してそれを記録するための道具が整備されてきている。けれどもそれを再構成するための道具や方法が整備されたわけではない。もしネットが文章を書く道具として評価されるときには、やはり細かい情報を「編集」してくれる機能が強化されなければならないと思う。
文章を書く気持ちよさも重要
とはいうものの、僕はどちらかというと、アウトライン編集なんてしないで上から下まで一気に文章を書いていくのが好きだ。この文章だってそうやって書いている。なぜかブラウザで開いたMovable Typeの新規作成画面で書き始めてしまったので。別にいくらでも推敲・修正をすることは可能だけれど、やはりMovable Typeのテキストボックスからの書き込みで文章を読み直すのはつらい作業だ。なにより、文章を書くことの爽快感がなくなりそうで。
爽快感の話をすると、今度はキーボードなんかのインターフェイスの話に舞い戻ってくる。今は黒いHHKB Lite2を使っているけれど、MacBookだとか、PowerBook G4だとか、Cordless Desktop S 530 Laser for Macだとか、それぞれ特色は違うけれど、打鍵がとにかく気持ち良いキーボードを身の回りにおいておくことも、僕にとっては重要だ。書き終わって最後のリターンキーを右手の小指で叩いた直後に指をぱちんと鳴らすくらいの文章が書けたときにはうれしくて仕方ないじゃないですか。
文章を書くにもそういう身体的な爽快感が伴ってきたりすると、また面白いんじゃないか、と思っている。まあこんなことを書いたらますます、外れ値というか、マニアックというか、個人的快感みたいになってくるのでこのあたりで。
ちなみに、というか今ふわっと思い出したんだけれど、CHAGEがTOKYO FM系で「ラジ王」火曜日を担当していた時に、「個人的快感」というコーナーがありました。『伊勢崎町ブルース』がテーマソングだったんですよ。懐かしいなあ。こういうアーカイヴがiTunesでダウンロードできたらいいのに。
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松 村 太 郎