早速ソーシャルブックマークやオンラインフォトアルバムなどのサービスを使い始め、自分なりに情報に対してタグを付け始めたら、一度自分が付けたタグの一覧(タグクラウドと言います)を振り返ってみましょう。直感的に、自分がどのような情報に興味があるのか、知ることが出来るでしょう。
タグ付けは自分が触れた情報を瞬間的に分類する、情報処理の反射神経を鍛える作業と言えます。自分が見つけた情報が、自分にとって必要なのか、不必要なのか。自分の知識の中、あるいは思考の中で、どのような場所に入るのか。これを瞬時に判断してタグとして記録しておくのがタグ付けの作業です。
1つの情報だけ、あるいは1日だけタグを付けても、あまり意味のあることではないかもしれません。タグ付けした情報が蓄積していった先に、自分の情報に対する考え方、とらえ方、価値観が現れてきます。つまり、自分の周りにある情報の種類と自分の興味の度合いが、タグ付けで明らかになるということです。
タグ付けが出来るサービスのほとんどに、「タグ・クラウド」と呼ばれる表示画面が用意されています。画像はオンラインフォトアルバムサービス「Flickr」のタグ・クラウドです。一見文字の羅列のように見えますが、1つ1つの単語の文字の大きさがバラバラになっています。これは、写真に付けられたタグをABC順に並べ、そのタグが付けられた回数に応じて文字のサイズが大きくなるようにデザインされています。
筆者の写真に付けたタグを見ると、「cafe」「food」「home」「moblog」「studio」「tokyo」などのタグが大きなサイズで表示されていることが一目で分かります。それぞれのタグについて、「cafe」はコーヒーの写真、「food」は食べ物の写真、「home」は家の中の写真、「moblog」はケータイから投稿した写真、「studio」はスタジオで撮影した写真、「tokyo」は東京で撮影した写真、という意味があります。
同じタグでも、いくつかに分類することが出来ます。「cafe」「food」は写真に写っている対象物を表すタグです。コーヒーや食べ物が映り混んでいる写真には、このタグを付けていきます。一方で「home」「studio」「tokyo」はどこで撮影したかと言う場所を表すタグです。そして「moblog」は、どのようにして撮影したか、あるいは何で撮影したかをという、手段を表すタグです。
このように同じタグ付けをしていても、1つの情報にいろいろな目的でタグを付けていることが分かります。情報を機械的に分類する場合は、5W1Hをそれぞれ埋める形にしなければ混乱してしまいますが、タグを付けるのは人間、そしてタグを使うのも人間であれば、特にタグの属性を考えることなく、そのまま並列してタグ付けしていっても、情報を探す場面で困ることはありません。これがタグ付けに代表される「フォークソノミー」の特徴でもあります。
1つの情報に複数のタグが付けられるのだから、複数のタグを使って情報を探すことも可能でしょう。例えば「cafe」タグと「tokyo」タグの両方が付けられた写真を探せば、それは東京で撮影されたコーヒーの写真を見つけ出すことが出来ます。同様にスタジオで撮影された料理の写真を探したければ「food」「studio」をクロスで検索すれば見つかります。
タグを使って情報を探すことの便利さに触れると、タグ付けをするときに、どんなタグを付けておけば自分のブックマークや写真を探しやすくなるか、と言うことを意識しながら探すようになります。後に利用することを考えながら情報に触れていく、これがタグ的思考の第一歩です。
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松 村 太 郎
TARO MATSUMURA
UPPERWESTSTUDIO
慶應義塾大学SFC研究所 上席所員(訪問)
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