タグを育む - Tag Think 08
2007.05.16 22:23 | by TARO MATSUMURA
COLUMN, IDEA | idea, tag, tagthink
前回、自分のタグクラウドの中にある2つのタグを取り出して、混ぜ合わせる、マッシュアップすることで、アイディアプロセッサとして活用してはどうか、という話をご紹介しました。自分のタグは、新しいアイディアを生み出したり、アイディアに気づくための道具として使えることはもちろんですが、そうして生み出された新しいアイディアを育てる道具として使うにはどのようにしたらよいでしょうか?
タグ同士のマッシュアップは、新しい発想を与えてくれるきっかけになります。しかし発想を与えてくれるだけでは、アイディアを生み出したことにはならないのではないでしょうか。つまり発想から発展させて、アイディアとしてカタチにしていく作業が必要になります。せっかくタグから発想にありつけたのに、それをそのまま放置しておくのではもったいない。そこでタグでアイディアを育てる方法を考えてみましょう。
まずはタグ同士のマッシュアップです。前回はタグを組み合わせることで、調べたい情報に簡単にアクセスできるようになる、と言う切り口でご紹介しました。例えば「お風呂で使えるケータイはあり得るだろうか」という問いかけには、まず「bath」と「keitai」という2つのタグを持つ情報を検索します。この2つを含む情報はまだ存在していないので、それぞれのタグを個別に検索して、そのケータイの可能性や技術用件などを知ります。
これがタグ同士のマッシュアップによるアイディア発想と下調べの段階ですが、ここまでで可能性を感じたら「bathkeitai」という新しいタグを創ります。そしてまず下調べで触れた情報に「bathkeitai」というタグをつけておきます。以降、お風呂ケータイに関係しそうな情報や統計データ、発売されたお風呂ケータイがあれば、もちろんこの「bathkeitai」というタグをつけていきます。
これによって、「bathkeitai」というジャンルを自分の中のアイディアとして確立させることが出来ます。もちろんどこかのケータイメーカーからお風呂で使えるケータイが発売されているので、自分のアイディアによって生まれた製品ではありませんが、お風呂ケータイに関しては技術者や発売したメーカーとは違う、消費者の視点で「お風呂で使えるケータイがあったらいいな」という出発点から、製品やジャンルが育つ様子を観察する経験が残ります。
新しいタグを創り、それが育っていく様子を情報収集をしながら見守っていく。その過程には、どのような技術が必要だったか、どのようなマーケットリサーチが必要だったか、どのようにしてニーズを発掘したり育てたりしたのか、出された製品はどのようなモノだったか、さらにはその製品がどのように受け入れられたか。自分が創った新しいタグを継続的に観察していくことで、アイディアからものづくりがどのように行われるかをトレースすることができるでしょう。
これを「自分が創ったタグを育てる」作業としておきます。
タグを育てる経験は、自分が新しいタグを創り、そのものを作り上げるプロセスを実践することに役立つようになります。様々なタグの成長のプロセスを観察していれば、アイディアからものづくりに結びつけるのに必要なプロセスやそこにある発想が、自分の中のパターンとして蓄積されていく。これは大きな武器になるのではないでしょうか?
もしも自分でアイディアをカタチにすることが出来なくても、議論をする相手に自分が創ったタグと、それにひもづけられた情報(もちろん新しいタグだけでなく、他のタグも付加されている)ごと伝えていけば、アイディアの着想から成長過程をうまく説明できるでしょう。その新しいタグという世界観を共有していけば、相手の発想を新しいタグに盛り込むことにもなります。新しいタグが、ものづくりの作業の共通言語として機能し始める瞬間です。
もしも新しいタグをつけてカタチになったアイディアがあったら、その新しいタグとともにぜひ教えてください。
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