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今、僕の中で最高にホットなアルバムが、Ne-Yoの『Because Of You』。最近来日も果たし、テレビなどでも露出して、カッコイイパフォーマンスを披露してくれている彼のサウンドは、梅雨前の日本のさわやかすぎる気候にフィットしすぎているように感じる。タイトルトラックの#04『Because Of You』のびしっと聴いたビートから柔らかで温かみのあるピアノの音色、そこに乗ってくる彼のさらに温かい声に、緑を少し揺らすそよ風を感じずにはいられない。
1982年にピアニストの母のベーシストの父という音楽一家に生まれたNe-Yo。彼自身のデビューは2006年のアルバム『In My Own Words』。#04の雰囲気は、ファーストアルバムからのNe-Yoの路線を踏襲するモノだ。彼のデビューアルバム以前からプロデューサー、ソングライターとしてヒットソングを量産してきた。最近ではビヨンセに『イレプレイスブル』と提供し、これもまた大ヒットを飛ばしていたのは記憶に新しいところ。
ビヨンセつながりで行けば、ビヨンセと映画『Dream Girls』で共演して歌唱力が高く評価されているオスカー女優のジェニファー・ハドソン。実はNe-Yoのこのアルバムの中の#07『Leaving Tonight』でフィーチャーされている。映画を見た人なら、このアルバムの中で再び、映画のシーンが浮かんで、感動がよみがえってきそうなくらいだ。ゆったりと始まり、情熱的なデュエットと情緒的なコーラスワークで彩られるトラックに仕上がっていてお気に入りの1曲だ。
もう一人のゲストはJay Z。#10『Crazy』でコラボレーションしていて、このアルバムの中で最もNe-Yoらしい楽曲と言える。やはりゆったりとしたテンポの中で、切れの良いピチカートやビートのサウンドに耳を取られていると、いつの間にかボーカルとバックグラウンドの伸びやかなストリングスに包み込まれている自分に気づく。マジックのような楽曲で、昼でも夜でもフィットする普遍性すらある。
その他のトラックもPrinceへのオマージュや彼が生まれ育った80年代に思いを馳せるサウンドなど、Ne-Yoらしさだけでなく、彼の音楽としてのバックグラウンドを感じさせてくれるトラックが並び、同じ80年代生まれの僕からしても満足度の高い作品だ。当然次の作品では、彼の音楽性をさらに色濃く出したアルバムが出てくるのだろう。その楽しみは取っておくことにして、少しこのアルバムの虜になってみてはどうだろう。
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松 村 太 郎
TARO MATSUMURA
UPPERWESTSTUDIO
慶應義塾大学SFC研究所 上席所員(訪問)
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