昨今注目して扱ってきたタグと、昨今爆発的な注目を集めるTwitter。タグは情報を説明するための単語を、記事や写真などに割り当てるサービス。そしてTwitterは自分が今何をしているか、ということを短い文章で記録していくサービス。この全く違いそうな2つのサービスは、短いフレーズを使う点で共通しているように思える。この2つの組み合わせから、いったいどのようなネットの世界が生まれるだろうか?
とにかく、気軽に続けること
タグはブログのように文章を書かなくても、触れた情報を自分の視点でまとめておくことが可能だし、他の人の文章を読み込んでいかなくても、情報を探して、それにたどり着く方法を提供してくれる。確かにブログに文章としてまとめていく方が、自分がその情報に触れてどう考えたのか、あるいはまっさらな状態から何を思いついたのかと言うことを、自分の言葉で順番を組み立てて、記録しておくことが出来る。
しかし、この作業には時間と労力がかかりる。ブログが普及し始めて1年もたたないうちに、三日坊主で終わってしまったブログが散見されるようになっていた。ちょうど同じ時期に行われた調査によると、三日坊主に終わって更新されなくなってしまったブログは6割にも上り、いかにブログを続けることが難しいか、それなりの覚悟が必要かをうかがい知ることが出来る。
もしブログを情報収集の記録のために使っている人がいて、続かなくなってしまった場合は、より簡単に触れた情報を記録するだけのソーシャルブックマークサービスを利用し、触れた情報への興味をタグとして記録すればよさそうだ。ブログに比べると、1つの情報を処理する時間や労力がかなり軽減されるのではないだろうか。その中でブログをふりかえるように、自分のタグをふりかえりながら自分の興味の移り変わりや、自分の興味から新たな発見に結びつける事につながる。
全く同じ、時間や労力をかけずに続けられるブログに変わるモノとして、Twitterのような1行コメントを記録するサービスが挙げられる。ブログは自分のための記録であると同時に、友人や(社内ブログが許可されている会社であれば)同僚同士との情報共有やコミュニケーションの材料として有効だとされている。しかしこれもまた、本来の余暇の時間や業務の時間を削ってしまうほど時間と労力をかけるのは本末転倒な話だ。
そこで1行、「今何をしていますか?」という質問に、140文字(英数)と入力できる文字数を限ったサービスがTwitter。今何をしていますか、あるいは今何を考えていますか、という質問に、素直に答えるだけ。それを見て反応したリストに登録されている友人から、やはり同様に140文字以内でコメントが寄せられてくる。これ以外に出来ることは、現状ではない。とてもシンプルで簡単なコミュニケーションである。
タグとTwitterは、続けることに時間と労力がかからないタイプの、ある意味では筆無精ならぬブログ無精なユーザーのためのサービスと言えそうだ。もちろんブログをきちんと書いている人にとっても、気軽に追加できるサービスでもある。では気軽に続けられることに、どのような意味があるのだろうか?
行動や思考のプロセスを記録するLife Tagsへ
時々、何となく考えていた仕事のことや趣味のことで、急になんらかの解決策や発見に気づくことがある。ひらめきだとかブレイクスルーという言葉で表現されることもあるだろうし、これらがどのように生まれたのかをふりかえる前に、ひらめいたことをカタチにしようと突っ走ることになる。そしてまた別の課題では、同じようなひらめきやブレイクスルーに出会えばラッキー、出会わなければ地道にこつこつ考える、といった繰り返しをしていないのではないだろうか。
もしこのブレイクスルーに至るプロセスが記録されていたら、何らかの自分の中でのパターンや、さらに進めばひらめきを得るための手法のようなものが、経験知として蓄積されていきそうなものだ。タグやTwitterのようなサービスは、簡単さ、気軽に続けられるサービス群であることをご紹介した。これはつまり、記録の残しやすさを提供しているサービスであると位置づけるができるのだ。
そこで、どのような種類の情報を集めていった結果、何かを新たな知識として知ることに役立ったのだろうか、新しいアイディアを考え出すのに役立ったのだろうか。あるいは何を考えながら仕事をしていった結果、効率が良かったり、ブレイクスルーに出会うことが出来たのか。 そこにどのような他者からのコメントや示唆があって、気づきにつながったのか。
1度でも2度でも良いので、自分の思考のプロセスとその周辺にあったキーワードや情報を集める経験をしてみれば良いと思うし、気に入れば、それを自分の仕事術として思考術に採り入れていけばよい。この短い言葉やフレーズによる知識の分類や行動・思考記録をつけながら、自分を簡単にふりかえることを可能にする方法に「Life Tags」と名付けて、ライフハックの1つとして発展させることが出来ないだろうか。
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松 村 太 郎
TARO MATSUMURA
UPPERWESTSTUDIO
慶應義塾大学SFC研究所 上席所員(訪問)
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