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TwitterとMTV Video Music Award - new Event Casting Ad

by TARO MATSUMURA - 2007.08.23 11:46

 ここに来て、Twitterについて1つ分かったことがある。Twitterを企業がキャンペーンや広告として使うメリットは、とにかく好きなだけ書き込んでも良い場になっているという点だ。

 Twitterがいよいよメジャー化に向けてスタートしそうだ。それは「イベント・キャスティング」という時間の経過をシェアするカタチでのキャンペーンによって実現されることになる。パートナーはあのMTVのミュージックビデオの祭典、Video Music Awardのキャラクター、MoonmanがTwitterに登場するところから始まる。

 現在報じられている範囲では、9月9日のVMA本番までの間、会場となるラスベガスからTwitter上のユーザーMoonmanが書き込み続けるという手法が核となるようだ。Moonmanを「follow」(購読)することで、イベントまでの「ストーリー」をファンとともにシェアしながら、イベント当日へ向けて盛り上がりを最高潮へ持って行く、というやり方になる。

 例えばMoonmanがVMAに登場するアーティストや有名人と絡んだりする様子がTwitter上にリアルタイムにキャストされていくと、TwitterというミニBlogのメディアにファンが釘付けになっていく、という算段だろうか。

・CNET Japan: TwitterとMTVが「MTV Video Music Awards」関連のイベントで提携:ニュース - CNET Japan

 このあたりは、日本のGREEでも、ユーザーに化けた企業製品やキャラクターが登場して、ユーザーと友人になって最新情報やちょっとしたデコレーションのパーツなどのプレゼントをゲットしたり出来る手法が試されていた。

 しかしながらSNSと違う点もある。SNSで企業キャンペーンのユーザーが、ここぞとばかりに日記を更新しまくったり、コメントを打ちまくったりしたら、ちょっと引いちゃいますよね。本来の目的である友人とのクローズド気味な良質なコミュニケーションに対するスパム以外の何ものでもなくなり、SNS上の企業ユーザーは過剰な活動が出来ないのもまた事実である。

 MoonmanがTwitterに登場するのも、これらと何ら変わらないが、Twitterというメディアの前提がSNSとは違う。いっぱい書いて良いのだ、みんながそうしているように。むしろ、即時性が求められるメディアであるため、遠慮して1日に1回だとか、1週間に1回書いたところで、すぐにそんな情報は埋もれてしまい、取り組みは水泡と化す可能性が高い。

 とにかくリアルタイムにコンテクストをシェアする、という気力のいるTwitterというメディアにキャンペーンとしてきちんと取り組むことになった点は新しい。また、その力の入れ用や面白がり方がキャッチーだ。さすがエンターテインメントのイベントである。

 以前、Twitterを使って授業をキャスティングする試みにトライしたことがある。こちらが授業の生のログ、そしてこちらがその後のフォローのエントリー

 ここでは目の前で何か(と言うか授業のディスカッション)が進行していてその感想を取りまとめたり、Twitterのコメントから議論が展開していったり、といった動きを面白がってみていたんだ。もう1つ書き忘れていたことをフォローするなら、書き込みはほぼ全て、主観的な意見が多かった点が面白かったのだ。授業の運営サイドの僕も、議論で喋っていないときに主観的な意見を書き込むし、学生もそれにつられて「○○だと思う」「それは違う」みたいな意見をぶつけてくる。

 VMAのMoonmanも、いまMTVでこれを聴いてるぜ!みたいな書き込みがされていて、やっぱり主観的な発言になっている。もちろんこれがMTVによってモデレートされているユーザーであることはみんな百も承知だけれど、イベントに参加する、Twitter風に言えば「Followする」新しい手段を提供することになるし、その過程で生まれてくるストーリーを踏まえて9月9日のイベントを待ちかまえる体制を作るわけだ。

 こうなってくると、ストーリーメイキングがとても重要になることは言うまでもない。ある種のアクシデント、突然の事件を「予定」しなければならない。そしてそれをTwitterで流して、話題にしていくことになる。これが、Twitterなどの即時性メディアを活用してユーザーと時間とコンテクストをシェアする「イベント・キャスティング」広告という定義を、ここでしておこうと思う。

 とはいえ、こう聞くと、Twitterだけではコンテクスト作りがまだ弱い気がする。以前トライしてみたTwitterを使って週替わりで議論をしていくTwisterが立ちゆかなくなったのもまた、Twitterだけでコンテクストを作ることが出来ないか、もしくはその手法を見いだしていないからであろう。

 MTVのように、本番のイベントがあったり、日常的にテレビ番組が流れている状態とミックスすることで、うまくいくのかも知れない。ここは1つ、9月9日まで注目してみたいと思う。

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