
Discussion with Tsuda-san, Hayashi-san, and me
10月1日、Castalia.jpがリリースした新しいラジオ関連のコミュニティ、「radiostar」のローンチイベントがApple Store銀座で開催された。そこにデモ要員として、そしてディスカッションのモデレーターとして、ステージに上がりました。ラジオ、ポッドキャスト、音楽、コミュニティFM、このあたりがキーワード。ちゃんとした音楽を使ってラジオ番組を作って、それがコミュニティFMに流れる。これって素晴らしい世界じゃないですか?
ディスカッションでは『CONTENT'S FUTURE』の津田大介さん、作曲家、アレンジャー、シンガーソングライターで、出身地である静岡県富士市のコミュニティFM局の社長でもある林哲司さんが参加された。津田さんはネットラジオを熱心に取り組みながら、ネットでの音楽配信についてのコメントを繰り返してきた人物。そして林さんはラジオ局を経営しながらも、自ら著作権者としての顔もある。そして僕は自宅でラジオ番組を作ってコミュニティFMに送るという趣味を5年以上続けている。そんなメンバーでのディスカッションは、ラジオ、そして音楽を楽しむ新しい形として、ラジオ番組を作る、という方法の提案である。
radiostarはラジオ制作者のためのコミュニティ。自分のページを持つと、全国191のコミュニティFM局とつながる。そこに自分のプロフィールを音声と含めて充実させ、5分、15分、30分までのラジオ番組をアップロードしていくと、ラジオ局からアプローチをかけて、それが実際にFM局に流れるという仕組みだ。
番組にはCDの音楽を利用することが出来る。公衆送信ではなくFM局のディレクターに個別に聞いてもらってAuditionがなされる。それがもしラジオで流れるときは、そこで著作権処理がなされる。やっぱりフリーの楽曲だけで音楽番組を作るのは無理があるし、好きな音楽を自分の声で紹介できるのは、それが出来るだけでも十分なインセンティブになっちゃうわけです。
作るところでも自今満足が生まれるけれど、それがコミュニティFMで流れるとしたら、これもまたいいものだ。ラジオ番組は、やはり若いときのエンターテインメントだったし、音楽に関する大きな情報源でもあった。僕の世代でもそうなのだから、僕より上の世代ではさらにそうだろう。せっかくネットで自由に発信できるようになっても、自由がきかなかった現状を打破してくれそうじゃないですか。とはいえ、もちろん権利者にもきちんと敬意を払いたい。
そんなところを解決してくれるのがradiostarである。
コミュニティFMは2011年に地上波アナログ放送が終わると、これまで鑑賞防止のために予約されていた87.0MHz以上のバンドがラジオ向けに解放される予定だそうだ。すると、現在空きがない状況で申請しても認可が下りていないコミュニティFM局が全国で急増する。と、コンテンツ不足に陥ることは目に見えている。これはイベント冒頭でコミュニティFMについてプレゼンテーションをした、日本コミュニティ放送協会の杉田英明副会長のコメントである。ここにもradiostarはエフェクトするだろう。
ディスカッションの中で、また会場とのインタラクションの中で、番組作りのモチベーションの話、技術の話、フィードバックの話などが課題としてあがってきた。番組が作られるときに、何らかのモチベーションを維持するための仕組みが必要じゃないか、そうじゃないと、突然番組をやめてしまうユーザーだっているかも知れない。ユーザーに対して、ラジオ局に対しての担保が必要だ。
津田さんの提案は、radiostar award。radiostarの中でコンテストをして、1位を取ったら191局で流れる、なんてどうだろうか? ユーザーの励みにもなるし、コンテンツ発掘にもなる。また僕はコミュニティFMの地域性を生かして、地域のコンテンツを全国に発信するようなスキームを、コミュニティFM局がキーになって企画しても面白いんじゃないか、と思った。忙しいラジオ局の時間を割くことなく、ボランタリーに地域の力を見える化ならぬ、聴ける化することにつながるじゃないか。
また実際にテレビ制作の現場に携わる人の意見としては、初めのうちは全国のラジオ局に「radiostar」という番組を持って、日常的にコミュニティ内の番組発掘を行う仕組みをコンテンツにしてはどうか、という意見があがった。良いコンテンツはその中でレギュラーのコーナーにもなるし、スポンサーを募ったり、単独でラジオ局が採用するためのコンテンツ・マーケット的な場にもなるわけだ。
とまあ、色々と可能性があるradiostarだが、ラジオを作ることに情熱をかけ、それを趣味とすることは、継続性やモチベーションの問題などは、やり始めるとのクリアできることに気づく。往年のムーブメントを起こしてきたメディアを作ることが趣味、というコンテンツのミライの形は、楽しみじゃないですか。
Apple Storeでこのイベントを行ったのにも理由がある。音楽を使ったラジオというコンテンツ作りを簡単にサポートしてくれるのがMacだからだ。ということで、僕がちょっとした番組をGarageBandで制作する様子をデモンストレーションとして行った。MacBookに向かって喋っている声を録音し、そこにBGMを付けたり、音楽をつないだり。音源はライブラリからiTunesの中身を引っ張ってくればいいわけだ。
「これを見ちゃうとなるほど簡単だ、と勇気づけられる」なんてコメントを頂いたりした。GarageBandはMacを買うとはじめからはいっているし、1万円以下でiLifeの他の製品とともに最新版を買うことも出来る。そういえば、Intel化されて初めてのiMacについて、「最高のPodcast Studio」だなんてレビューを書いたこともあった。これを駆使して、先ずは30秒、そして5分の番組から作ってみてはいかがだろうか。5分間、いろんなヒトが思い思いに毎週音楽紹介をしてくれるなんて、ちょっと魅力的じゃないですか。
僕は1日1曲ずつ、その日の音楽を選ぶ活動、「TOKYO TODAY SOUND」を2004年7月からはじめている。かれこれ3年続いて、4年目に突入した。半月に1つずつのプレイリストを作っているので、すでに40のプレイリストが出来上がり、今41個目のプレイリストを作っているところである。これは僕の生活音楽をアーカイヴしているわけで、実は他の人の音楽アーカイヴも聞いてみたかったりするのだ。僕の場合、同じ曲を使わない、と言うレギュレーションをかけているけれど、それはちょっと大変かな。まあ、季節になったら聴きたい曲、ってのものあるけれど。
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松 村 太 郎
TARO MATSUMURA
UPPERWESTSTUDIO
慶應義塾大学SFC研究所 上席所員(訪問)
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