2008.02.27 11:29 JST - ( )

プロカメラマン、カメラ付きケータイと戦う - ケータイパパラッチとトゥルーマンショーの表裏一体

 アメリカのゴシップ写真事情も、アマチュアカメラマンの台頭でプロとの間に軋轢を抱えているという話題がウォール・ストリート・ジャーナルの翻訳記事にあった。コンパクトデジタルカメラの高画素化で、プレスカメラマンではない人たちが、プレスでないエリアからの写真撮影を盛んに行っていて、あらゆるイベントでその光景が見られるという。

・ITmedia: [WSJ] 「アマチュア」パパラッチの台頭に「プロ」はご立腹  - プロカメラマンのナンシー・カサーマン氏は、街でセレブの写真を撮るのは「カメラ付き携帯との戦いだ」と語っている。最近ニューヨークのホテル・ガンズブールで行われたパーティーでは、TMZサイトへの投稿者風アマチュアパパラッチがあまりに大勢集まったため、アンジェリーナ・ジョリーは撮影用のポーズを取れなかったという。「アマチュアパパラッチたちは彼女に接近し過ぎだった。彼らはレンズもズームも使わないからだ。以前は、カメラマンも被写体から少し離れて立っていたものだ」

 撮られる側も撮る側も、良い写真が残るようなお互いの感覚、間隔があったが、そういう暗黙の了解の外にいる人たちが写真を撮り始めるようになったために、今までの流儀が崩れてしまい、その流儀というか礼儀作法みたいなモノに従っているプロの間で迷惑がっていると言うことだろう。

 またケータイのカメラについても触れられている。

 今までのカメラの撮影スタイルとケータイのカメラによる撮影スタイルはあまりに違いすぎるのだ。カメラやレンズの性能も違うという部分と、ケータイという端末の小ささの割に、最近画素数だけはどんどん伸びてきている、と言う事情もある。

 数年前、ダウンタウンの松本人志さんがカメラ付きケータイの登場について、「街中がパパラッチになったようなモノだ」というコメントをしていてシャープだな、と思っていたけれど、まさにそれが先ほどリンクをした記事の状況で、しかもアメリカではそれがビジネスに結びついているから面白い。

ロンドンに拠点を置くWebサイト、Mr. Paparazziの創業者ダリン・ライアンズ氏は、こうしたサービスが急増している理由について、「ある現場の写真を撮るようカメラマンを急いで1人派遣するよりも、一般の人々の方が100万ドルの価値を持つそうした現場に遭遇する可能性が高いからだ」と語っている。「最近では、メディアよりも一般の人々の方がそうしたチャンスを生かしやすい立場にいる」

 この意見もその通り。1つのレンズよりも街に散らばっている10000のレンズの方がそれはゴシップ的に価値のある写真を撮る可能性が高い。しかしながら、そこにマナーというモノは存在しないのだろうか? という疑問もある。

 僕の好きな映画に『トゥルーマンショー』という作品がある。トゥルーマンが24時間生放送のリアルドラマの中の出演者となっていて、本人は作られた世界の中で生活していることを知らないという設定。作品の中でプロダクトプレイスメントが行われていたりしていて興味深いのだが、先ほどの記事を読んでこの映画を思い出すと、誰でも「明日は我が身」という可能性を考えなければならなくなる。

 その一方で、目の前にある状況を写真に収めてキャストする、いわゆるMoblogの習慣は、日常的なコミュニケーションや災害時の情報ネットワークとして活用できる可能性も秘めている。テクノロジとそれを活用したメディアやカルチャーに慣れて緊急時に上手く作用することと、パパラッチが大量発生することは、どうやら表裏一体になっているような気がする。

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