COLUMN | mobilenative

In the Train

by TARO MATSUMURA - 2008.03.26 18:46

In The Train
In The Train

 もはや珍しくなくなった電車の中の一コマ。

 電車の中での隙間時間はケータイによって大きく変わった。それまで雑誌や本やウォークマンといういくつかのチョイスの中から自分にフィットするモノを選んできたけれど、もはやそのツールはケータイに一本化される寸前だ。

 ケータイはメールやウェブと言ったコミュニケーションの媒体になっているだけでなく、着うたフルで音楽が楽しめるし、最近では夜の静かになった電車の中で、ワンセグを楽しむ様々な世代の人が増えている。

 ケータイに食われそうになった書籍やマンガも黙っていない。

 若い世代向けの文章を中心に、ケータイ小説としてケータイの上で消費されるようになり、マンガもまたケータイで読めるようになった。特に書店で買いにくい類のコミックを中心にケータイで消費され、作品によっては週刊のマンガ雑誌に大きく採り上げられたりするようになっている。

 僕が大学生の頃はi-mode元年で、まだまだケータイによる画像やビデオだけでなく、テキストのコミュニケーションすら創世記だった。90分近い電車通学の時間、ノートパソコンを開いて大学への行き帰りで800文字のレポートを書き上げて、残りの時間は少しうとうとする、というライフサイクルが定着していたのが懐かしい。

 レポートを出す側に回ると、最近の大学生のケータイへの親和性の高さには驚かされる。メール提出が可能なレポートは、ケータイのメールから提出してくる学生が少なからずいるのだからスゴイ。そしてそう言う学生の意見が、意外とシャープだったりするからまた面白い。

 話を聞いてみると、ここにもまた驚きが隠されている。たぶん、頭の中で文章を組み立てていて、ケータイに一気にwrite downしていくのだろうか。読み返したり、校正したりすることなく、800文字のレポートが出来上がっていくというのだ。

 昨今のケータイ小説も、あの小さな画面の中で文章を作っていくのだ。もはやケータイは、最も身近なビューワーとしてだけでなく、最も身近な筆記用具になっている。

 さて写真の話に戻ると、写真の中でこれだけ多くの人がケータイを開いているのだ。彼らがなんらかの知的生産活動をカジュアルにしているとしたら、日本の電車の中は世界一の情報工場になっているのかもしれない。

 そう思ったら、ちょっとくらいケータイの着信音がうるさくても、大目に見たくなってきませんか?

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