REVIEW
3音の転調で、よみがえる青春 - CHAGE and ASKA Concert Tour 2007 alive in live
by TARO MATSUMURA - 2008.05.13 12:52
小学校5年生の時、『僕はこの瞳で嘘をつく』のCHAGEパートが聞こえたことからチャゲアスファン、とくにCHAGEファンになって青春時代を過ごしたのが懐かしい。1990年前半、CHAGE and ASKAは当時、飛ぶ取り落とす勢いでヒットを連発していたし、ASKAさんの曲には間違いなく何かが宿っていた。特にベースラインの魅力。
僕がイギリスという音楽のルーツをたどるきっかけになったのも、ジャジーな音楽への興味も、きっかけをただせばCHAGE and ASKAだった。特に、イギリスで開かれたMTV UNPLUGGED LIVEの映像を見たときに、それまで聴いていた音楽と違う何らかの衝動を感じて、彼らから少し離れながら僕の好きな音楽ができあがっていったように思われる。
だからこそ、この「alive in live」というツアーは絶対行きたかったし、その全曲収録の映像がリリースされたのもとてもうれしかった。
ライブはレコードを思わせる円形のステージで行われた。収録されているのは代々木第一体育館(ここをコンサートホールとして初めて使ったのは彼らだった)。中央付近に設置されたステージは、レコードのように回転しながらライブが進行する。これは、武道館で行われたCHAGEソロライブ『CHAGE大いに歌う in 武道館』で作られた半円分回るステージのスタディからだろうか。
音楽はUNPLUGGEDという縛りはないものの、限りなくそれに近い構成。弦楽器やホーンセクションから始まり、グランドピアノにオルガン、そしてウッドベースとギター。この楽器でスタートする楽曲は、あまり違和感ない『if』から始まった。そして『river』『天気予報の恋人』というライトなラブソングを立て続けは、このバンドの構成を思いきり感じさせてくれる。
そして最新シングルの1つである『Here & There』まで聴いたときに、気づいたことがある。彼らの音楽は昔から一貫して、このバンド構成にものすごくフィットして、美しく聞くことが出来るのだ、ということ。
極めつけは、僕のきっかけソングでもある『僕はこの瞳で嘘をつく』のジャズ・ヴァージョン。あんなにテンポが速くライブでも一番盛り上がるところに持ってくるような楽曲も、強調されたウッドベースの動きの上にピアノが激しく遊ぶ。そこで、僕が聞こえてしまった例のCHAGEコーラスとささやくようなASKAのボーカル。これにはしびれた。
『YAH YAH YAH』は別にやらなくても良かったなと思えるのは、その後に続く『higher ground』が素晴らしかったからだ。弦楽器の繊細なリズムが彩りながら、弦楽器とコラボレーションし、シリアスなメロディとべったりからみつくコーラスワークが静かに、そしてさびに向けて大きく押し寄せてくる。このライブの中で僕は『higher ground』が一番気に入った。
2時間のライブはクリスマスシーズンに行われたと言うこともあり、アンコールでは『世界にMerry X'mas』と『SAY YES』が演奏された。この『SAY YES』もよかった。UNPLUGGED以降、薄い演奏で歌われることが多かったこの曲は、いつしかCメジャーのさわやかな雰囲気でさらりと登場するようになっていた。
このライブの最後もCメジャーで、さわやかかつ優しい雰囲気の中で曲が進んでいく。この雰囲気で、静かに聞き終えるのかな、と思っていたら、最後のコーラスに映るところで転調。オリジナルと同じE♭へとキーが上がったのだ。
この転調は感動的だった。
過去の僕がまだ幼かった頃の記憶が、耳にタコができるまで聞くことになったこの曲のオリジナルのコード、音色によって一斉に押し寄せてくるような感覚。何気なく3つキーが上がっただけだったけれど、僕だけでなく多くのチャゲアスファンが、この転調に感動したのではないだろうか。
いや、やっぱり彼らの音楽を愛していたのではなく、今でも愛しているのだ、と認識する瞬間でもあった。
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CHAGE and ASKAが長い間温めていたアンプラグドスタイルのライブツアー。アコースティックスタイルにリアレンジされた楽曲たち。お馴染みのバンドメンバーに加え今回加わったストリングスチーム4名にコーラス2名。アリーナ会場のど真ん中に設置された、回る円形ステージ等今回の為だけのスペシャルなメニューとキャストを起用した「alive in live」がDVDにてリリース。
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