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プロジェクションとリフレクション
by TARO MATSUMURA - 2008.12.13 23:45
現在東京・初台のインターコミュニケーション・センターで行われている『サイト・インサイト - 拡張する光、変容する知覚』のキュレーター、四方幸子さんにインタビューをした。12月末発売のMacPeople誌に掲載予定です。
光というあまりに身近すぎるテーマは、掘り下げるととても大きく深いテーマでもある。
ICCのロビーに設置してある「WiFiカメラ・オブスクーラ」は、可視光線ではない高周波数帯の電磁波を可視化・投影してくれる仕組みだ。普段あまり意識していないけれど、可視光線も電波も、同じ電磁波なのだ。人間が見えるか見えないかという、人の都合による区別であって、都市空間でのWiFiカメラ・オブスクーラは可視光と全く違う景色を見せてくれる。
「メディアアートは日常から乖離した空間ではなく、日常の中の気づき、別の見え方を再発見することが重要で、組み合わせることによる創造が必要だ」(四方さん)
四方さんはそう強調する。
光について考えると、普段当たり前のように受け取っている遠近法すら、ルネサンス以来の表現で、そこからなかなか脱出できていない僕らだ。ポニョの世界に直線がない表現がなされているのが、珍しい、面白い、と感じてしまう時点で、かなり視覚の制約を受けていることがわかる。
カメラ・オブスクーラはピンホールカメラのような装置で、光を受動的に切り取って投影する。その反対にあるのがプロジェクション。つまり光を発するものだ。人は光を発することができず、視覚は受動的な感覚。一方で表現は、プロジェクションとしての役割を持つ。
これまでのアートと現代のアートの違いは、同じプロジェクションでもただ自己表現をするだけか(これもとても尊重されるべきだと思うが)、リフレクションやコラボレーションを期待するか。つまり自己完結型のプロジェクションではなく、問いかけるプロジェクションを行っていくことによって、社会との関係性を強く表現やアクティビティに盛り込むことができるのだ。
「自分でむやみに答えを出さず、人に投げかけていくことが大切だと思います。これだけあらゆるモノが萎縮している時代、人の精神も萎縮してしまう。どんどん自分が持ったことがない意見を持ってもいいし、時に矛盾しても良い。それだけ、自分にも社会にも時代にも縛られない自由な発想を持てる空間としてICCを育てたい」(四方さん)
集められた作品を見ると、光と知覚が持つテーマ、そしてその背景にある時代への思いを、深く脳裏に焼き付けることができる。思いを新たにする視覚の空間、とても考えさせられることになった。
ICC ONLINE: ライト・[イン]サイト―拡張する光、変容する知覚
この展覧会は,自明すぎてあらためて振り返られる機会の少ない「光」という存在の過去,現在そして未来の可能性を,「知覚」という切り口を通してアートと科学を超えた視点から新たに照射するものです.
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