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Ene-geometrix - 自然を感じるメディアアート
by TARO MATSUMURA @taromatsumura 2007.07.31 00:20
先週の土曜日、SFCに行った。小檜山賢二研究会の最終発表を聞くためだ。この一番最後の発表、Ene-geometrixは、とても印象的な作品であった。僕がとても興味を寄せている気象、大気の運動を想起させ、しかもその姿は美しい。台風の雲、実際のパワーは恐ろしいが、空から雲を見ると、その美しさに息をのむ。だからこそ恐ろしさを増大させるようにも思えるくらい。それと同じ現象が、目の前で展開されると思うと、これは感動に値するのだ。
セキネマサトさん(写真)が作成したEne-geometrixは、塗料が含まれる液体を張った水槽の中に、底面に仕込まれた熱によって模様を作り出す作品だ。今回発表した作品は底面に3×5の熱を発生させる電極盤が設置され、その熱をコントロールすることによって表面に模様を浮かび上がらせる。
はじめは混沌としたマーブルからスタートする。これがだんだん時間がたつにつれて、何らかのパターンが見られるようになり、それが成長して狙った模様に到達する。この過程の中で、非常に幾何学的な直線が現れたり、はたまた複雑だけれどもパターンを見いだせるような模様が現れたり。プロセスを見始めると、一瞬たりとも目が離せなくなるから面白い。
SFCの小檜山研究プロジェクトは、僕が所属していた小檜山研1と、もう一つの小檜山研2がある。ここ数年、1と2は合同で学期末の最終発表会を開催している。1はモバイルメディアについて、2はものづくりについてがテーマ。こう言ったら自虐的だけれど、小檜山研2の方が面白い発表が展開される。面白さは、ものづくりだからこそのモノかも知れない。
何かを作ります、といっても、作りたいモノだったり、実現したいことがなければ手を動かし始めることが出来ない。例えば、風に強烈な興味があるだとか、自然界の美しい現象を再現したい、だとか。その出発点が決まると、次に実現する方法や先行事例を調べて、必要であれば技術を身につけて、1つの表現物として完成にこぎ着けるよう努力する。モノが出来た、出来ていないにかかわらず、そのプロセスそのものが興味深いのだ。
さてこの作品、2007年9月5日から1年間、オーストリア・リンツにあるARS ELECTRONICA CENTERで展示されることも決まっている。光や図形のコントロールなど、さらなる可能性が秘められているこの作品はこれからも進化していくだろう。しかしあくまで物理的な、自然現象の再現のような美しさを、見る全ての人に瞬間的に伝えるパワーは絶やさないのである。
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