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Super Storm - ハリケーンと気象操作
by TARO MATSUMURA @taromatsumura 2007.07.18 15:25
先週末の台風4号はとてつもない風雨をもたらした。四国の渇水が解消してあまりあるほどの降水量があったのだ。直撃を受けた沖縄、九州の被害も大きい。ちょうどアメリカの研究者のインタビューが土曜日にあったんだけれど、せっかく日本に来たのに台風に見舞われるとは不運だ。「それも楽しむよ」とは言っていたけれども。彼らのと僕らの自然に対する観念はやはり違うのだろうか。
僕が大学生時代、「都市と環境」という授業で欧米と日本の庭園の作り方で、自然に対する考え方の差が見える、という話を聞いたことがある。欧米は直線の花壇を作り、底の中に植物の花を咲かせるし、噴水は下から上に水が噴き上げられている。一方の日本は自然を再現するように、小さな河や池を模し、植生も季節の変化を持たせた自然に近い状態を作ろうとする。
自然に打ち勝つ人間を描くか、自然を尊重する小さな存在でいるか、という思想の違いがある、と言う話だった。自然災害は自分はもちろんや家族の身に危険が迫るので、とんでもないことだと思うんだけれど、一方でどこか「自然に勝てない、仕方ない」という自然への服従の意識があるのだろうか。
以前沖縄に行ったときに地元の人に話を聞いたら、毎年台風が直撃する度に電柱が折れて電線が切れて停電するそうだ。「地下に埋めたりしないんですか?」と質問したら、「そうすると仕事がなくなっちゃうから、しないんだ」という答えが返ってきた。自然に勝てないなりの対策があるんじゃないか、と思うんだけれども、それも生活の一部になっているからある種の力強さも感じる。
17日から3回でNHK BS hiで放送されるドラマとドキュメンタリーの番組「ハイビジョン特集 フロンティア(国際共同制作) スーパーストーム」では、「気象操作」という手法を研究してハリケーンを弱めたり、ハリケーンの進路を変えたりするなどして、自然災害を食い止めようとする取り組みが紹介されていた。
台風の進路だけでなく、気象現象はカオス的な振る舞いをするとされている。有名な例えは『予測可能性ーブラジルでの蝶の羽ばたきはテキサスでトルネードを引き起こすか』というバタフライ効果で、これを1972年に発表したのはMITの気象学者Edward Norton Lorenzだった。初期値の微妙なズレが将来大きな際をもたらすかもしれない、と言う話だ。
そう考えると、その初期値のズレを人間が作り出せるんじゃないか、という仮説である。そう言われれば確かにそうなのかもしれない。そこに期待を寄せて続けられているのが今回のドラマ・ドキュメンタリーのテーマになっている気象操作であり、特に被害が甚大なハリケーンに対する取り組みとして、台風にヨウ化銀をまいて目の構造を変えさせたり、西海岸で炭素を巻いて低気圧を発生させたりしていた。
もちろんうまくいくこともあれば、ネガティブに作用して、台風がさらに強大になったり、ルートが悪い方向に向かってしまったりすることだって有り得、その場合は初期値のズレを創り出したことによる人災になってしまうから難しい。
ドキュメンタリーの中では、技術の問題以上に人々の支持が得られないことの方が障害であることも指摘していたが、ドラマの中では中国が夏にゴビ砂漠に吹雪を創り出したというエピソードから、中国の積極的な気象操作の実情にさらりと触れていた。北京オリンピックも晴れになるのだろうか。
今晩と明日の夜も放送されるので、楽しみに見ようと思う。