TAROSITE.NET: COLUMN
31日23時50分
by TARO MATSUMURA @taromatsumura 2006.08.01 23:28
先日友人から、こんなメールをもらった。
「ケータイと一緒に水遊びをしてしまったので、番号とメールアドレスの変更をお願いします」
後から話を聞いたところ、ジーンズにケータイがポケットに入っているのを忘れて水遊びをしてしまったから、だそうだ。よくうっかり手が滑って水の中に落としてしまった、と言う話は聞くけれど、自分もろとも水の中に入って、結果ケータイも水没、というのは初めて聞いた。夏でしたからね、そんなこともあるのだろう。
ただ、ケータイを水没させたからと言って、番号とメールアドレスが変更される必要はないはずである。友人によると、10ヶ月を過ぎていなかったので、別の端末に乗り換えるのにずいぶんお金がかかってしまう。そこでキャリアも乗り換えて新しい端末を買ったそうだ。水没したら端末に保存されているデータも一緒に水泡と化すことになる。その上での番号とアドレスの変更は、自分の連絡先を絶つようなものじゃないですか。
しかし友人は番号とアドレスを変えた。なぜ友人はそんな思い切ったことが出来たのか。その理由は、電話帳や直近のメール、写真やムービー、フリーメモの内容などを新しく買った端末にも引き継ぐことが出来たからに他ならない。だからこそ僕も含めケータイの電話帳に入っている人たちに、水没のことと、番号やメールアドレスが変わったことを伝えることが出来たわけだ。なぜそんなことが起きたのか。
そのからくりは、防水型のminiSDカードのおかげだという。そう言って、水没にも耐えた1GBのminiSDを見せてくれた。これは目から鱗とも言えるエピソードだった。そもそも防水のminiSDカードというモノがあることにも驚いたが、電話帳やメールなどの端末に保存されているデータをきちんとminiSDに保存しているということにも驚いた。普段ケータイのメモリカードを使っていない僕からすると、とても意外な話として受け止めることになった。
ケータイのデータについては、思わぬ水没やナンバーポータビリティ対策として、パソコンにUSBケーブルで接続して保存・編集を行う、いわゆる「ケータイメモリ管理ソフト」が様々なメーカーからリリースされている。最近は使い方も簡単で、ケータイとパソコンを接続してソフトを起動して、目的を選ぶだけでデータを保管したり、同期したりすることが出来る。端末によってははじめからその使い方が出来るよう、ケーブルを付属したり、パソコンのソフトウエアを提供するケータイもある。
一方で、パソコンを普段からあまり使わない人はもちろんのこと、パソコンを使っているユーザーであっても、ケータイをケーブルでつないでメモリを保存する作業は、そう頻繁に行うことではない。つまるところ、面倒なのである。例えばキャリアを乗り換えるときは違うケーブルが必要になってしまうし、データ通信をしない人は、そもそもケータイとパソコンをつなぐ様子がイメージしにくい。
一方miniSDカードは、メモリカードスロットが省かれている端末、ソニーエリクソン製やその他海外メーカーの端末、microSDカードというさらに小さい規格を採用した端末を除く全てのケータイが採用している。ケータイメモリカードの標準規格と呼べるだけ普及している記録メディアである。ここにデータをバックアップする際は、SD-PIMという表記で、どの端末でも読み込むことが出来る形式で保存される。これならケータイにminiSDカードを差しておくだけで、パソコンなどを起動することなくバックアップを取ることができるわけだ。
いくらバックアップが手軽だと言っても、バックアップをきちんきちんとこなす習慣のようなモノが必要だ。そこで、今回のタイトルとなる「31日23時50分」というキーワードが登場する。
最近のケータイでは、ケータイキャリアのページやアプリからアクセスすることで、その月の通話料やパケット代をチェックすることが出来るようになっているが、以前のケータイで現在の利用料をチェックするには、端末の積算通話時間と概算料金の表示に頼っていた。学生時代、これを参考にしながら、1ヶ月の無料通話分内に納めるように通話をセーブしたり、あまり気味だったらわざと長電話をしたりしていた(無料通話分の繰り越しサービスがない頃の話でした)。そして月が変わると、積算料金をリセットしてゼロに戻していた。懐かしい習慣である。
友人は、この習慣から派生して、毎月末になるとminiSDカードに電話帳・送信メール・受信メール・写真などをバックアップするそうだ。電話帳のデータは消さないまでも、放っておけば知らないうちに古いモノから消えていくメールや、本体のメモリを圧迫する写真のデータなどを本体から削除して、ケータイの中のメモリをクリーンアップする。この作業を始めるのが、31日23時50分なのだそうだ(31日がない月は28日か30日に行うそうです)。
このバックアップの作業は、リスク管理のための習慣としてとらえればそれまでだが、その1ヶ月のコミュニケーションの記録をふりかえるきっかけにもなる。
メールのバックアップ・クリーンアップと同時にクリアされる「送信ランキング」「受信ランキング」(メールの送受信の頻度を表示する端末の機能)は、その月に誰とよくメールをしたか、と言うことが分かるし、そこにモブログのデータが含まれていれば、その月に気になったことをふりかえることにもつながる。また送信メールで使った言葉を拾っていくと、自分がその月に何に興味があったか、友人に伝えたメッセージは何だったかにも触れることができる。
言葉遣いだとか返信が遅いなど、反省することばかりになりそうだけれども、ふりかえりによって、自分のクセを損なわない程度に参考にしても良いのではないか。次の月に向けて、ポジティブになれる10分間として、月末にケータイのバックアップの時間を設けてみてはいかがだろうか。
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