TAROSITE.NET: COLUMN

Cybozu Mr. Takasuka "好きでやってるヤツは…"


by TARO MATSUMURA @taromatsumura 2004.11.09 18:05

 SFCのネットワーク情報産業論にサイボウズの高須賀社長が講演に来ていた。来年からサイボウズに入社するSFCの学生は2人とも友達だったという偶然もあって、最前列に陣取って話を聞いていた。その2人のうちの1人がメッセンジャーで「イイ社長でしょ」と耳打ち。ITベンチャー論と銘打った講演の中で心に残ったのがタイトルのフレーズ「好きでやってるヤツはとてつもなく恐ろしい」だった。


 やはり来年からの社員が目の前にいると緊張するみたい「今日は調子が出ないんですよね」と苦笑い。まず学生に質問。「サイボウズという名前を知っていますか?」「何をしている会社か知っていますか?」意外とサイボウズという名前は認知されているようだ。「ネットワーク情報産業論」という授業を取っている学生ですからね。続いて「ライブドアのサイトからモノを買ったことがあるか?」「ライブドアのサイトへ行ったか?」という質問も。「マーケティングの調査です」と言っていたので、今回の球団を買う・買わないという報道などの効果を、感覚として知りたかったのかもしれない。

 話はサイボウズの創業に移っていく。松下での7年間のバックグラウンドからとても多くのことを学ばれたということが、講演の節々で出てきていた。その中で「会社を大きくするためには税金をたくさん払え」という話は面白かった。会社を個人で建てるときに、節税対策のためにするか商売を大きくするか、という選択をすることになり、もし後者を選ぶなら税金をたくさん払え、と言うものだ。

 それはどういう事かと考えると、つまり会社が節税対策の装置なのか、もっと公共の役割を担う装置なのか、というとらえ方の違いなのだと思った。どちらがよい、悪いという話ではなく。高須賀さんの言葉にも「会社は価値を創造することが第一だ」という内容で出てきていた。会社はよいモノを作ってなんぼのものだ、と。

 一方で、冒頭に惹かれた「好きでやってるヤツはとてつもなく恐ろしい」と少し食い違っているようにも聞こえる。自我の目的よりも社会への還元を主眼に置くところで、自分が好きなことから社会の利益へと転換している何らかがあるはずだ。せっかくの機会なのでこの点を質疑応答で質問してみた。すると次のように返ってきた。

 「学生のうちに抱いていた社会人になってからのやりたいことっていうのは、多分本当にやるべき事ではない。子供がセーラームーンになりたいというのと同じ。自分の場合、自分が何をやりたいか知ることができた方法は、何らかのスペシャリストになることだった。ある瞬間急にわかることではないが、自分が何の専門家になれるか、それをやり続けられるか。そうやって見つけていくことができるんじゃないか。」

 あいつに頼まなければ、と言うポジションに着く。これは梅田望夫さんが言っていた「ヴァーティカルポイント(見晴らしの良い場所)に立つ」という事と同じかもしれない。高須賀さんの場合は、その方法として、自分がスペシャリストになることだと言う。スペシャリストの視点から自分を見る、産業を見る、日本を見る、世界を見る。エキサイティングなんじゃないか。なんだかクリアになった感じですね。


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