COLUMN
Life mediaを突き進む - ガイアの夜明けにウェザーニューズ登場
by TARO MATSUMURA - 2009.08.19 00:20
僕の好きな気象とケータイが融合した話題、ウェザーニューズのゲリラ雷雨防衛隊に関する話題がテレビ東京の『ガイアの夜明け』で紹介されていた。ウェザーニューズという会社、気象、ケータイはそれぞれ僕が追いかけ続けているテーマ。以前の記事を少し振り返ろう。
トランスメディア - ケータイの発展にフィットした概念 2005/11/22
ケータイキャスティングを実践するエリアチャンネル 2006/01/16
※ レイアウトが詰まってしまっていて、どう直そうか、、すみません。
2005年の取材では、ケータイというパーソナル・ハイブリッド・メディアという視点で、テレビ・ウェブ・ケータイにコンテンツを最適化して出し分ける点、プッシュ型情報サービスに対する考え方、そしてケータイによる情報収集が地域性や個人差を気象予報に反映させる入り口になる点を指摘していた。
気象予報を伝える手段がこれまでは新聞、テレビ、そしてウェブサイトだった。そこに1999年にモノクロで小さな画面のケータイが加わった。このとき、ケータイが、気象庁のレーダーでも間に合わないゲリラ雷雨をとらえる端末になると、誰が思っていただろうか。
ウェザーニューズは試行錯誤の連続だった、と1999年からの経験を振り返る。そもそもコンシューマーからケータイに対して情報提供をして、100円ないし300円を毎月受け取る、と言うビジネスが初めてだったのだから。ウェザーニューズにとって初めてだっただけでなく、他のいわゆるコンテンツホルダーだってそうだったはずだ。
転機は、カメラ付きケータイの登場。それまで情報提供の手段だったケータイに、一変して情報収集の手段となる可能性が開けたという。ユーザーに空を見て貰いながら風景をカメラで撮って送ってもらう。そこに選択式も含めたちょっとした情報、例えば蒸し暑いだとか、雨の降り方がザアザアなのか、ぽつぽつなのかを投稿してもらう。こうしてユーザー参加型の気象情報収集のモデルができあがる。
これをどう生かすか。台風、虹、梅雨、雪など、様々な体感・目視できる気候の動きについてテーマとして扱ってきたが、さらに難易度の高いゲリラ雷雨に取り組むことになる。
ゲリラ雷雨を把握するサポーター投稿メディア――ウェザーニューズの気象革命 2009/10/09
CGMが気象予報を"180度"変える――ウェザーニューズの気象革命 2009/11/10
インタビューの中で、2008年は決して異常気象ではなかったと言うが、多くの人が「おかしい」と思い始めたタイミングに、ゲリラ雷雨が関連する雑司ヶ谷の事件が起きた。しかしそのタイミングでは、すでにゲリラ雷雨防衛隊を組織し、2009年は全国で15000人規模になっていた。
番組の中でもゲリラ雷雨メール発送のシーンがあったが、これもユーザーからの情報がなければ成立し得ないという。気象庁が行う数値予報のうち、時系列予報などに活用する全球モデルは、水平解像度20キロ、1日4回の予報間隔となる。防災気象であっても、5キロ四方、1日8回の予報であり、1キロ程度、数10分で変化するゲリラ豪雨をきれいに捉えることは難しいのだ。
人とのコミュニケーションによって、情報を集約し、それを命を守るために生かす。そんなモデルがウェザーニューズで気象というテーマに於いて実現しようとしている。カメラ付きケータイが登場してから7〜8年だろうか、きっと提案したシャープもそれを受け入れたJ-PHONEも、当時はゲリラ雷雨から命を守る手段になるとは思っていなかっただろう。
いかにして生きるために必要な情報を作るか。今後の社会においてとても重要なテーマであり、番組中のウェザーニューズの社内の映像を見ると、それが容易ではないことを物語っている。しかし、すでに不可能ではなく、おもちゃとされていたケータイのカメラがキチンと機能してゲリラ雷雨に対処し始めているわけだ。
先日、ブックコーディネーターの内沼晋太郎くん、ブックコンサルの古屋壮太くんという同世代と情報について、メディアについての対談をした。その様子はJunk Stageで記事になっているのでぜひ読んでみてください。また、Podcast「NOMAD TALKS」でも配信中です(現在3本目まで掲載中。Junk Stageで第3回が掲載されたら、残りの分もアップロードします)。
この中で印象的だったのは、そもそも情報は生存のためのモノだったという話である。確かフルヤくんが口走った言葉だったと思う。大航海時代、コーヒーハウスで金融や世界情勢の情報交換が行われ、ロイズのようにコーヒーハウスのオーナーが海上保険会社を始めたりしていた。このときに必要なのが情報であり、コーヒーハウスには海難事故などの情報がいち早く集まったという。
そんなコーヒーハウスに当たる存在を、気象庁や自治体などに任せるだけでなく、自分たちでも作って参加し、メンテナンスすることが出来る。これがゲリラ雷雨防衛隊であり、生きるための情報をいかに集め、シェアするのか、と言うヒントになっているはずだ。
僕は「Life Media」というテーマを昨年口ずさみ、博報堂生活総研の吉川さんのPodcastのタイトルになっているけれど、このLife Mediaというものをいかに作るか。CGMがいかに社会資本を作るか。このあたりは先だって行われたAR Commonsでも考えられていくテーマじゃないかと思う。
ということで、ウェザーニューズが突き進むLife Mediaの構築には大いに期待したいし、また他の手段やテーマに関しても、もっと考えていくべきだ。
テレビ東京 ガイアの夜明け: 異常気象を追え!〜命を守る気象情報ビジネス〜
NOMAD TALKS
TALKSHOW by castalia: ITジャーナリスト、松村太郎氏の現代の「ノマド」ライフスタイルをめぐる冒険。
Author
松村太郎 Taro Matsumura
ジャーナリスト・企画・選曲。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ビジネスブレイクスルー大学講師。テクノロジーとライフスタイルの関係を探求。モバイル、ソーシャルラーニング、サステイナビリティ、ノマドがテーマ。近著に『タブレット革命』『スマートフォン新時代』など。 read more & contact
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