COLUMN
London Snap on Flickr
by TARO MATSUMURA - 2005.07.13 16:00
Flickrのような写真共有サービスを使っていると、BBCやCNNを見ながら国際的な事件を目の当たりにするのとは違ったカタチで、ロンドンのテロを目の当たりにすることになった。ニューヨークの同時多発テロの時の記憶ははっきりと覚えている。母、弟、そして祖母が正にニューヨークにいて、ワールド・トレード・センターに上ると言っていたからだ。ロンドンに家族はいなかったが、そのときと似た印象だった。
ニューヨークの同時多発テロを始めて知ったのは、何気なく見ていたニュースステーション(当時)だった。日本時間で22時過ぎに急に画面がCNN配信の映像に切り替わり、ビルが燃えている。しばらくしてもう1機の飛行機がつっこむシーンを直視することになる。すぐに連絡を取ってみると、無事に連絡が付き、彼らはConnecticutにいたため、連絡を取った瞬間はそのニュースすら知らなかったそうだ。そして電話を切ってからは回線が混み合って電話が繋がらなくなってしまった。
テロや戦争をただ単にニュースで見ているだけでは、その映像を見たときに、実感のない事実という受け取り方でしかなかったのかもしれない。しかし自分の肉親や知り合いが危険にあっているかもしれないと言うだけで、ニュースが全く違って見えてくる。もちろん他の多くの人の死を見過ごすわけにも行かないが、やはり正直な話、一種違った感情でニュースを受け取ることになる。自分が当事者ではないが、その場にいるような感覚になるというか、上手く説明することは出来ないけれども。
映像や写真を見るときに、ニュース映像だと「実感のない事実」という感覚になってしまうのかもしれない。その一方でFlickr出てきた写真は、AP通信の記事で触れられているが、普通の人の視点から感じた写真が出てきていたのだ。報道写真にあるように衝撃的な瞬間を必ずしも捉えているわけではないが、日常と違った様子を写しだしている。これに僕は実感のない事実とはずいぶんと違った印象を受けた。
爆破事件発生から半日経った後、Flickrには「explosions(爆発)」の項目に150枚、「blasts(爆破)」に111枚、「terrorism(テロリズム)」に219枚の写真が掲載された。325枚以上が「London Bomb Blasts(ロンドン爆発)」に掲載された。それらの多くは単なるTV映像のショットだった。
記事にはTV映像をスナップした写真がたくさん載せられていた。良いか悪いかは別として、僕はこれも、「実感のない事実」の報道映像を、より実感のある一般の人の視点で切り取った結果ではないか、と見たくなる。インターネットやそれを使ったblogなどが、一般の実感が伝わる写真・意見を伝えてくれると思うと、メディアの変革は心理面にも届いているのだという実感を持つのであった。
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