TAROSITE.NET: COLUMN
Meso Scale - メソ・スケール
by TARO MATSUMURA @taromatsumura 2004.08.16 00:41
気象現象は地球規模からビル風までいろいろなスケールがあるけれど、そのうちの2kmから2000kmのサイズに当てはまるのがメソ・スケールで1日から3日程度の時間スケール。日々の天気のサイクルに関係しそうな高気圧・低気圧はメソではなくマクロ・スケールに分類される大規模現象。
定義する人や視点によって若干分類にも差違があるけれど、台風と温帯低気圧とでは同じ低気圧でもスケールのクラスが違うのだ。メソ・スケールの上はマクロ・スケールで低気圧・高気圧、下はミクロ・スケールで竜巻やつむじ風やビル風が分類される。
メソ・スケールの中にもアルファ、ベータ、ガンマという細分があって、アルファは200km〜2000kmの水平規模の前線や台風、ベータは20km〜200kmのスコール・ラインや海風陸風、ガンマは2km〜20kmの雷雨や晴天乱流や都市化効果(『天気予報用語集』東京堂出版より)。規模が小さくても急激な減少、例えば突風や豪雨・豪雪などで危険性の高い現象が伴ってくるから侮ってはいけない。
天気予報なんかで高気圧や低気圧の動きは比較的精度が高く予想がされているし、温帯低気圧については雲や降水パターンをビヤークネスがモデル化したものなどがあるため、そこから作る天気予報も精度が高くなる。しかし台風の進路予想はビシッとは当たらないし、前線の通過する際も天気の崩れの強弱なんかはまだまだだ。
そこで用意する必要があるのがメソ・スケールのモデル。低気圧は2000〜4000kmの水平規模になるけれど、もっと小さな10kmくらいの積乱雲のライフサイクルのモデルなどが蓄積されてくると、より細かい気象現象もより正確に予想することができるようになってくる。
降水については天気予報でも「降水メッシュ予報」だとか「お天気メッシュ」だとかいって格子点で分けられた地域の降水の有無や降水量なんかが視覚的に提供されるようになってきている。しかし各スケールで気象現象に大きな影響を与えている風については、メソ・スケールでは読み切れていない部分が多いため、今後の課題のようだ。
台風は温帯低気圧・高気圧といった長波の現象とはスケールが違うという話を書いたけれど、スケールが小さい台風もスケールの大きな長波を乱したり、相互に影響を与えあっている。
例えば台風は、高気圧の位置によって台風の進路が阻まれたり、さらにスケールの大きなジェット気流の流れに乗ってスピードをアップさせたり、影響を受けている。もちろん海水面の温度からも影響を受けている。一方台風は低気圧による雨を強いモノにしたり、北に暖かい空気を持ち込んでいったり、より大きなスケールに影響を与えている。
もちろん現象として切り分けて考えた方がとらえやすいという面もあるんだけれど、一方で相互に関係試合ながら現象が進んでいて、それが無視できない。生態系や人間社会なんかも同じことが言えると思うけれど、それが物質の特性や熱エネルギーや運動エネルギーというレベルで実現されていると見ることができるわけだ。
そういうところが、僕が気象にエキサイティングを感じている一つの部分だと思う。
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