COLUMN

Motor Show Hippp - おしりで見るモーターショー

by TARO MATSUMURA - 2005.11.05 23:02

 いよいよ明日で閉幕する東京モーターショー2005。今年が第39回目で、来年の40回目に向けて助走している、みたいな感覚も否めなかったけれど、僕はクルマのデザイン、プレゼンテーションや技術動向など、いろいろな面で楽しむことができた。気に入ったクルマはまた別のエントリーで写真をべったりと紹介するとして、僕のちょっと変なクルマへのこだわり「良いケツしてるかどうか」という視点でクルマを見ていこうと思う。

 ちなみに東京モーターショーで撮影してきたすべての写真は、僕のFlickrのtokyomotorshowタグで見られますので是非。いつも思うけれど、やはりURLがきちんと自然言語で打ち込めるというのは便利だし気持ちがいい。そのページを見なくても、空で以下のページのURLがたたけちゃうんだから。別に暗記していなくても、URLを見れば、「tokyomotorshow」と「tags」付けされている「taromatsumura」の「photos」である、と分かりますからね。

・Flickr: taromatsumura - tokyomotorshow
 http://www.flickr.com/photos/taromatsumura/tags/tokyomotorshow/


Alfa Romeo Alfa Brera 03Alfa Romeo Alfa Brera
 ボディカラーの赤も相まって、結構こってりとしている印象ですね。バンパーの面が落としてあって、屋根からくるっと丸く地面まで落ちていくカーブは、ダイナミックです。また正面から見るとこのデザインの面白さが分かるのだが、正面のライトのデザインとシンクロしている印象がある。多くの意匠を使わないという点も、シンプルなデザインの1つの要素だと思う。このクルマが走ってこちらに向かってくる時と、前を通り過ぎて走り去っていくときと、印象が同じ、というのがかっこいいですね。

Alfa Romeo Alfa GT 02Alfa Romeo Alfa GT
 もう1台Alfa Romeoから。今度はちょっとサイバーな感じのシルバーを纏ったAlfa GT。先ほどのAlfa Breraのとは違って、前後でちゃんと顔とおしりを分けているオーソドックスなスタイル。視認性を考えながらも、極力ボディのメタルの面積を確保するデザインは、バックライトの部分が小さな異質部である象眼の魅力を生かしているのではないか。いつの間にかソリッドに角が出ているショートデッキもスポーティー。

SUBARU Impreza WRC 2006 09SUBARU Impreza WRC 2006
 スバル・インプレッサのワールドラリー選手権向けのカスタマイズ。ラリーカーは基本的に量産車をベースにして作られるので、現行モデルのインプレッサからほとんど変わらないデザインになっているが、強烈な羽は街中ではちょっと目立ちすぎますね。ユーロテール(テールランプがクリア加工になっている)と、リングのランプカバーのデザインになっていて、その間を埋めるカーボンデザインがまたクールだ。この角度から見ると、ラリーモデルに限らず、結構タイヤハウスがもっこりとしていますね。

Audi Shooting Brake Concept 07Audi Shooting Brake Concept
 Audiのコンセプトモデル。たぶんBMWの1シリーズに当てていくようなポジショニングだと思われるのだが、ハッチバックながらこのグラマラスかつベリーショートデッキで引き締まったおしりのデザイン。これにはちょっとクラクラしちゃいました。このクルマのおしりは、極力横から見た方が素敵ですね。斜め後ろの角度だと、Alfa Breraに負けちゃうかもしれません。それにしても何で日本のメーカーって、こういうワイド&ローな印象が作れないのかな。そして気がつく範囲で唯一だと思うんだけれど、男性モデルを使ってのアピールも、自然で好感が持てた。

Volkswagen EcoRacer 07Volkswagen EcoRacer
 このクルマは異次元だ。ウエイトは850kgのカーボンファイバーボディで、直列4気筒DOCHディーゼルターボエンジンは1484cc。0-100km/h加速が6.3秒、最高速度230km/hというスポーツカーとして誇れるポテンシャルを持っているのに、たった3.4リッターで100kmも走行できてしまうのだ。そんなクルマのおしりは軽量化の後もあるのだろうが、ダイナミックそのもの。次世代のルパンがこれを乗り回している風景に浮かびますね。ちなみに僕の中でのルパンは、モンドなかっこうよさの代名詞です。

FSC 04TOYOTA FSC
 アメリカなどで結構はやっている日産のブランドInfinityのFX45というクロスオーヴァープレミアムカーがあって、それもかなり魅力的なおしりをしているんだけれど、これに負けないのがTOYOTA FSC。ちょっとテールゲートが跳ね上がった状態しか撮影できなかったんだけれど、今まで日本のミニバンクラスでこのグラマラスでクールなおしりがあっただろうか。日本のミニバンクラスと呼ばれるクルマが全部、このくらいクールなセンスで迫ってきたら、と思うとにやにやしてしまう。

Lexus LF-Sh 01Lexus LF-Sh
 なんだか、結構ふつうじゃないですか? 僕はLexusについても、先ほど紹介したTOYOTA FSCみたいに、日本のフツーのクルマのクオリティやデザインをボトムアップしてくれる象徴的な存在として見ているんだけれど、このLF-Shをみると、フロントフェイスこそ、LEDヘッドライトをあしらったきりっとした面持ちをのぞかせてくれるんだけれども、これまで紹介してきているクルマのようなおしりのeroticさに欠ける部分がある。トータルしたらクールなんだけれども、やっぱりおしりをみておっと思わせてはくれないのだ。

Daihatsu Copen ZDaihatsu Copen Z
 これはイイですね。先ほどからある意味でのベンチマークになっているAlfa Breraのように、フロントフェイスとおしりの意匠が同じになっていて、ツーシーターオープンというスタイルも相まって、Volkswagen Beetleのようなかわいいけれどもシンプルでおしゃれなデザインを実現している。日本車もやればできるじゃない。これがいろんな色で、たくさんの台数並んでいたらものすごくかわいいですね。それにしてもこのモデルは、一応ユーロテールだし、ちょっと濃いめのシルバーの光り方もかっこいい。

Chrysler 300C 5.7 HEMI 02Chrysler 300C 5.7 HEMI
 ゴージャズ。そんなイメージを持たせてくれるのがChrysler 300C。先日の内Pスペシャルで、ゴルゴ松本のクルマとして登場して、ふかわりょうが慎重にドライブしている様子が印象的だったそのクルマ。黒くてのっぺりとしたおしりにメッキの部品がアクセントとして入っているのがいかにもアメリカの高いクルマのデザインになっていて、クラシカルだけれどもダイナミック、ゴージャスだけれども落ち着きもある、そんなうまいイメージを持たせてくれているのがこのおしりじゃないかな、と。

Mitsubishi Lancer WRC 2006 01Mitsubishi Lancer WRC 2006
 ランエボの親分にあたる世界ラリー選手権出場者のレプリカ。トランクの部分でボディカラーをシルバーに変えているのは、おしりから見たときの印象が真っ赤よりもかなりクールで鮮烈になっている気がする。インプレッサほどタイヤハウスのもっこりが強調されないデザインで、戦闘機なのにスマートにしているデザインが面白い。ふつうに考えてみると、赤地に黒いスモーク入りの窓に白いアクセントが入っているんだから、ド派手なように思えるけれども、不思議ですね。

Mercedes SLR McLaren 06Mercedes SLR McLaren
 かないませんね、このおしりには。正面や真横から見ると、このクルマのスパルタンさ、迫力に圧倒されてしまうんだけれども、よくよくおしりを観察してみると、意外とボディがクラシカルな面をしていて、それなのにこのコンビライト一発で全体と同じ迫力を醸し出しているあたりに、とてつもない魅力を秘めているといえるだろう。繰り返しになるかもしれないけれど、やっぱりこれは見て楽しむモノ、自分で乗ろうとはあまり思わないです。

Nissan GT-R PROTO 05Nissan GT-R PROTO
 ついついこれを見て「おかえり」と声をかけてしまいたくなるような、新しいプロトタイプなのにむしろ懐かしさの方が前に出てくるんだから、スカイライン、GT-Rというブランドの根強さに驚かされる。真後ろから見ると本当に懐かしさだけなんだけれど、この角度から見たGT-R PROTOの面や角の取り方にはぼれ惚れしてしまう。イタリア車には負けない、日本ならではの技を見せてくれる造形を感じさせるのも、懐かしさからくるイメージかもしれない。

Nissan Foria 02Nissan Foria
 TOYOTA FSCの時に触れたInfinityのきりっとしたおしりにあこがれちゃうという話だが、まさにこのNissan Foriaは、そのあこがれちゃうおしりを受け継いでいるクルマだと思う。展示してあったのはさわやかな空色だったんだけれど、たぶん色によって表情が変わるクルマなんじゃないかと思う。これの黒がリリースされるなら、是非Foria黒のデザインを堪能してみたいと思う。やはりライトのプラスティック部分が少ないおしりは、結構未来っぽいデザインとして見えてきますね。

Mazda Senku 10Mazda 先駆
 まだ実写販売しないだろう、という段階のコンセプトカーを出していたのはMercedes-BenzとMazda位だったんじゃないかな。その貴重なコンセプトカーの1台がこのMazdaの先駆。どことなくRX-8の面影を出しながらもかなり巨大なボディで、ダイナミックにドアが開く。黒いリアガラスを縁取るようなテールランプがかなり印象的。そして確かNissan PremeraやTOYOTA WiLLなんかにも見られた、テールの中央にエッジがあるデザインも特徴の1つ。でもちょっと大柄すぎるので、そそられるおしりというわけではないですね。

Porsche Cayman S 02Porsche Cayman S
 先日先輩に、「できればこういう写真を期待していた」みたいなことを言われたのを覚えているんですが、とりあえずPorsche Cayman S。確かにPorscheらしいおしりをしているんだけれども、それにしてはちょっと斬新な印象がありますね。他のメーカーのクルマに見えるか、といわれたら全然ポルシェポルシェしているんだけれども、よりポルシェらしさを求めるのであれば、他の車種をチョイスした方がいいのかもしれない。でも、てっぺんからすっとまっすぐ伸びてくる背筋のラインはとてもきれいですね。

 ということで15台のクルマのおしりを東京モーターショーからより抜いてきましたが、お気に入りのおしりはありましたか?僕は今回のモーターショーでベストヒップ賞を贈りたいのは、Audi Shooting Brake Concept。やっぱりこれには、強烈に「乗りたい!」と思ってしまった。でも、乗っている本人は、走り去るおしりを見ることは滅多にないんですけれども。

Audi Booth 02


Author

松村太郎 Taro Matsumura

Taro's Portraitジャーナリスト・企画・選曲。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ビジネスブレイクスルー大学講師。テクノロジーとライフスタイルの関係を探求。モバイル、ソーシャルラーニング、サステイナビリティ、ノマドがテーマ。近著に『タブレット革命』『スマートフォン新時代』など。 read more & contact

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