TAROSITE.NET: COLUMN
名古屋の地下鉄はPDCケータイ禁止に
by TARO MATSUMURA @taromatsumura 2004.04.07 01:08
これまで電車内でのケータイ利用と医療機器への影響などで、議論が重ねられており、僕もいくつかのエントリーで指摘している(tarosite.netでの「電車内」+「ケータイ」の検索結果)。今度は名古屋の事例がニュースになっている。
名古屋の地下鉄では元々ケータイが入るような設備を導入していなかったが、事実上使えていた状態だったそうだ。しかし工事によって、800MHz帯と1.5GHz帯のPDCケータイを締め出し、つまり使えないようにする処置が執られている。その一方で2GHz帯域を使うW-CDMA方式の第三世代(3G)ケータイ(FOMAとVGSですね)は締め出しの対象にならず、使えるように工事が進んでいる状況だ。
800MHz帯を利用するauの3Gケータイはどうなるのだろう。CDMA方式はPDCに比べ、同じ周波数でも影響が小さいと言われているけれど、ITmediaの記事でははっきりと言及されておらず、線引きも記事からは分からないんだけれども、周波数の問題で行けば、CDMA方式だろうと800MHz帯を使うauの3Gもアウト、と言う事になるのだろうか。
首都圏では800MHz帯域を利用し、これまでの方式と上位互換性があるauのCDMA2000xが、3Gケータイとして先行して地下鉄完備になっている一方で、FOMAとVGSは分が悪い。もし周波数で線引きをするのなら、名古屋では形勢が逆転、FOMAとVGSはOKでCDMA2000 1xは締め出しという逆転現象が起きるという事なのだろうか。
そもそも、地下鉄こそキケン?
地上の電車よりも地下鉄でケータイの電源がONになっている状態の方がキケンである、と師匠である小檜山先生は指摘している。地上では状態は良かれ悪かれ、基本的に電波をキャッチしている状態であるため、出力もコントロール下に置かれて小さく絞られている。しかし駅間毎に圏外になる地下鉄では、圏外の間は基地局をフルパワーで探しに行くため、地上の電車内以上に医療機器などへの誤動作の危険性が高いのではないか、という事だ。
今回の根拠
名古屋はなぜ800MHz帯と1.5GHz帯を締め出し、2GHz帯を許容したのか。これは電波の最大干渉距離に関する総務省の報告書を元にしているそうだ。
それによると、800MHz帯PDCの最大干渉距離は、実機を利用した場合で11.5センチ。1.5GHzPDCでは、実機で4センチという結果だった。安全マージンなども考慮すると、総務省が従来から通告している「(携帯電話は)植込み型心臓ペースメーカから22センチ以上離すこと」という指針が、適切と確認された。同じ報告書で、W-CDMAはどうだったか。「最大干渉距離は、(中略)実機で1センチであった」(報告書より抜粋)。つまり、ペースメーカーを装着するユーザーの肉厚程度の距離があれば、干渉はうけないことになる。
心理的な不安への配慮はまた別のファクターになるが、2GHzのW-CDMAでは改札やホームでの利用は事実上無害であるという認定を名古屋では下したということになる。
この報告書も日本のケータイの3G移行加速のツールとして(一方では科学的に検証されているけれど)使われるような印象を受けないでもないので、名古屋のケータイキャリアと地下鉄はそれにうまく乗っかる格好で3G移行の波を作っていくことになるような気がする。
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