COLUMN
Pin as Geo Presence - 僕らは位置情報で、どこへ行くのか?
by TARO MATSUMURA - 2010.03.14 10:49

位置情報というのは、とても面白いと思っている反面、どう使うのか、リスクはないのか、何の意味があるのか、といった疑問も沸いてくる、とても考えがいのある話だ。依然多くの人が、位置情報をウェブに公開して特をする経験は少ないはずだし、位置情報にまつわる経験談に、ちょっとした恐怖を感じている人も多いはずだ。
考えるきっかけは、あまり有効活用されてこなかったウェブ上のTwitter位置情報機能に変化があったこと。
位置情報付きの投稿にはツイートのステータス欄にピンが立つようになり、そこをクリックすると地図が表れる。foursquareやBrightKiteなど、投稿すればTwitterにも勝手に位置情報が送られるサービスも増えてきて、iPhoneやAndroidのTwitterクライアントはGPSから自動的に位置情報を取得してポストできるようになっている。
位置情報については、10年くらい前から興味を持って触れてきた領域だ。出会った頃は、なんてことはない、自分が今いる場所の情報を、誰が知って楽しいだろうか、と思っていたんだけれど、ちょっとした旅行をしたときに、地図の上で移動した場所に点を打っていったときに、いくつかの気づきがあった。
まず始めに、単純に楽しかった。
僕は幼児体験にさかのぼると、天気図から入った地図好きで、以来いろんな地図が好きになった。手書きの天気図には地球の日常を記入してきたわけで、自分の行動が地図上に記録される様、自分も地図の中の情報の一部になって行くような気がしたで、うれしかったのだ。
もう1つは、地図を最初から見ずに行動していると、いかに身近にある場所を見落としているか、という発見があることだ。始めていく土地はそもそもの空間認識が甘いため、知っている地名やテレビで見た光景を、絶妙に逃していたりすることもある。後から地図を振り返って、悔しい思いをしたものだった。
一方で、地図にかじりついてしまうと、自分の身の回りにある様々な「環境情報」を見落としてしまうことにもなる。バランスが大切で、拡張現実(AR)情報の収集と即時投稿は、こういった環境情報に触れるチャンスを増やしてくれそうだ、とも思う。
1998年だっただろうか、映画『ツイスター』を見て憧れて、免許取り立てだった高校3年生の夏、初代VAIO 505にNTTパーソナルのPHSを接続し、TBSのお天気情報の気象レーダーと空を見ながら、積乱雲を追いかけたことがある。これの時、初めてリアルタイムの地図を活用する経験をしたのかもしれない。
2003年頃、ちょうどブログに熱中していたときに、ケータイから写真を投稿するモブログを使って、その街の自分的な解釈を記録する地図を、ちょうどそのときオープンした六本木ヒルズを舞台に展開したことがある。そのとき買ったばかりのFOMAにはGPSが付いていなかった。auの端末はGPS付きカメラケータイになっていたが、MNPもなくて乗り換えられず。
ちょっと話が脱線したが、日本のケータイではなかなか自由にGPSにアクセスすることもできず、そこから先の話は一気に2009年まで飛んでしまうことになる。
2009年以降、僕はiPhoneからTwitterやBrightKite、foursquareといったリアルタイムなソーシャルメディアと位置情報サービスを組み合わせて、地図すら見ずに位置情報を投稿し、また自分の身の回りにいる人や情報を発見しながら生活している。
この間にいったい何があったのだろうか。そしてまた、身近にポストし、また発見できる位置情報で、僕らはどこへ行くのだろうか。
位置情報というものが情緒的な地図から切り離されて、より活用しやすい形で身近になってきたのが昨今だ。例えばfoursquareとTwitterを連携させておくと、他の誰かと同じタイミングでチェックインすると、「w/ @taromatsumura」といったようにすれ違ったことを記録してくれて、ウェブでも同時期に誰がいたのか、履歴でチェックできるようになった。
また、Twitterクライアントで「周辺のツイート」を検索することで、直近の自分の回りでクリップされた情報を知ることもできる。昨晩、たまたま近くを通りかかった蔵前にあるビジネスホテルで火災があったが、その詳細を知ったのもTwitterの周辺検索だった。環境情報化した位置情報を能動的に使う、良い手段である。
では、位置情報を受動的に使う、と言うモードは何だろう。
僕はドコモが提供しているiコンシェルの最新版で採用されたオートGPSは、心地よく位置情報を受動的に使うコトができるプラットホームとして注目している。例えば今自分がいる場所から自宅までの終電を、周辺3駅から検索して教えてくれる。必要そうな情報を先回りして検索しておいてくれるこの機能は、自分がいる場所が検索キーになって、かつ受動的に情報を取得する良い例だと思う。
どこにいるのか、という位置情報を使うと、僕らはどこへ行けるのか。ARという新しい公共のことも考えながら、今年は少し考えてみようと思う。
Author
松村太郎 Taro Matsumura
ジャーナリスト・企画・選曲。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ビジネスブレイクスルー大学講師。テクノロジーとライフスタイルの関係を探求。モバイル、ソーシャルラーニング、サステイナビリティ、ノマドがテーマ。スマートフォンに特化した活動型メディアAppetizer.jp編集長。 read more & contact
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