COLUMN

着うたの排除勧告

by TARO MATSUMURA - 2005.04.16 08:00

 これも少し前の話題のフォローになるが、着うたのダウンロード数が2億ダウンロードを突破した。iTunes Music Storeは2005年1月の段階で全世界で2億5000万曲を販売しているが、日本では着うただけで2億曲だ。着うたの初期は30秒程の短いモノだったから単純に比較をすることは出来ないかもしれないけれど、やっぱりものすごい勢いでデジタルミュージックが流通していると言う意味では目を見張る。

 着うたが実現した背景には、主要レコード会社5社が立ち上げた、音楽の原盤権を管理する会社であるレーベルモバイルを通じて、音源をコンテンツとして流通させるモデルを作った。しかし公正取引委員会が、レコード会社がレーベルモバイル以外に原盤権を許諾していない、と独占禁止法違反だとして排除勧告をしている。

・ITmedia: 「着うたで排除勧告」の裏にあるもの


 僕は以前、といっても2001年のブロードバンド元年頃だけれど、CDの楽曲をキチンと権利処理してネット配信するコンテンツに使うにはどうしたらいいか、と不気味なピラミッド型の建造物を備えるJASRACに問い合わせに行ったことがある。ちなみにあの建物は地元民の間では気味が悪いと不評だ。当時返ってきた答えは「事実上不可能です」というものだった。著作隣接権をレコード会社に取りに行く必要があるが、個別対応をしてくれるかどうか、と説明を受けた。

 そんな状況からすれば、CDの音がこんなによくケータイで流通するようになったな、と感心しているが、確固たるビジネスモデルの下で権利処理をするレーベルモバイルがあるからこそ作り出せた状況だったのではないかと思う。まあレーベルモバイル自体が、レコード会社同士の間で、「抜け駆けはやめましょうね」といった申し合わせの意味合いがあったのかもしれないが、ケータイで音楽が聴けるようにする受け皿としての役割はあると思う。

 確かにレーベルモバイルも会社なので、原盤権の開示がレーベルモバイルとの間でしか行われていない点が指摘されているのだろう。しかしレコード業界的には、著作権を一括処理するJASRACのようなとらえ方をしているのではないか、と利用者からしても思える。ただそう言う意味合いで捉えるなら、業界団体的な会社が直営で着うたサイトをやっているのが少し不自然なところもあるかもしれない。

 もう少し踏み込むと、レーベルモバイルがせっかく原盤権を束ねているのだから、着うた向けの権利処理以外の業務をやってくれるとなおうれしい。例えば僕が自分のサイトでCDの音楽を流そうとしたら、JASRACとレーベルモバイルにいくらかのお金と使う曲を申請すれば、ストリーム配信である限りは権利がクリアされる、とか。

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