COLUMN

今回の総選挙で変わったこと

by TARO MATSUMURA - 2005.08.29 13:10

 忙しくてなかなか更新が出来ていないけれど、これは書いておこうと思います。明日公示の衆議院議員選挙、今までと変わったことがある。インターネットのサービスが前のように総選挙特集を組むというのも変化としてインパクトがあったが、ネットから離れて考えてみると、2人の友人がチャレンジとしている出る初めての選挙だというのは更にインパクトが大きいことだった。

ネットの経験値としては有効だが…

 まずネットと選挙について。今回の選挙は解散から公示まで時間がある程度長いようだが、しかしそれでも準備期間は短いものだ。公募して出馬する人も多い。なかなかネットを生かした選挙戦をするよりも、急場で地盤を作るより仕方ないという人もたくさんいたのではないだろうか。元々前職で議員をやっている人たちのウェブサイトは、通常の選挙モードに持ち込んでいるようだが、やはりポスターの電子版以上の役割を持たせている様子は見受けられない。

 また各ポータルサイトの動きは面白い。ブログに溢れている情報をどうアグリゲートするのか、どのようにして情報の大勢をどうとらえれることが出来るか。「総選挙はてな」では選挙を市場、政党を銘柄に見立てた政党評価を行っていて(黙認されるのか心配だけれども)、はてなダイアリーで選挙関係に言及している記事をピックアップしている。また「テクノラティ・ジャパン 郵政解散・衆議院総選挙特集」では、選挙関連のキーワードが入っているブログエントリーをリアルタイムにキャッチするページを提供している。そして「GREE総選挙2005」でも、関連するコミュニティをピックアップして参加を促し、関心を集めるシステムが出来ている。

 現場にいる人にとっては、今回の選挙でもやっぱり、口コミに代表されるネットの力を信じ切ることは出来ないし、今回特にそれを活用する時間的・リソース的余裕もないだろう。だからだろうか、ネットで総選挙特集を組んでいる各種サービスは、選挙に関連する世論形成に対して作用しているとはイマイチ思えない。手応えがない印象がある。別にそれを狙っているわけではないと思うけれど。

 今まで一般的に見れば、ネットの発言力は世論としてプライオリティが低いところにあった。無責任と揶揄されることもあった。その一方でマスメディアはネットから「ネタ」「口コミ情報」を拾い上げて、テレビや新聞でパブリッシュしてきた。

 先日のグローコムの議論では、ネット(ヴァイラル)→ マスメディア(メジャー)というシステムがウラで出来上がっているが、これはネットの本質ではないのではないかという議論であった。つまり発言力が上がったのではなく、マスがネットを活用する方法を作り上げて、それが表立って機能し始めた、と言うことである。

 マスでの流行をひねり出すシステムではなく、ヴァイラルの小さな規模でも成立するビジネス、リアルな活動のエンジンがもっと模索されても良いんじゃないかと思うのだ。そう言う意味で、今回新聞で、ネットの総選挙特集が取り沙汰されているが、広告としては良いのだが、これで良いブランディングがなされたわけではないと思う。むしろ残念なブランディングかもしれない。

 では意味がないのか、僕はそうではないと思う。ネットがリアルな選挙という世の中の動きにキチンとコミットしたという事実は残るし、事例としても残るだろう。そして何よりネット側が日本なら日本の国の動きにキチンとコミットしているのだ、という自負みたいなものを持つことになる経験として蓄積される。今回はそんな選挙になっていると考えている。

 しかも、人気のある上に挙げたサービスは、自分が既に持っているサービスをそのまま活用するだけで、短時間で選挙特集に対応しているのである。これも特筆すべきだ。

身近な人が立候補する時代

 僕にとってのもう一つの大きなインパクトは、友人が選挙に出ることになっている、ということだ。

・関谷りき さん
・杉村太蔵 さん

 今まで政治というと、自分とは離れた世界の話だという印象ばかりで、自分はおろか、自分の回りにすぐいる人たちが関わるとは思わなかった。前回は参議院の選挙だったので被選挙権は30歳以上だったからそもそも上の世代に友人が少なかったからかもしれないが、今回の衆議院の選挙で急に2人がチャレンジするという。僕の人脈が大きく変わったとは思えないので、何らかの変化があったのではないか、と思ってしまう。

 関谷さんはYahoo!に勤務している人、杉村さんはドイツ証券に勤務している人。2人ともサラリーマンが自民党に公募して活動を始めた人たちだ。もともと親が政治家だったわけでもないし、秘書経験を続けているわけでもない。これまでの生活や仕事の経験から思うことを国政に生かそうと思った。基本的にはこういった動機だったのだろう。

 今回の選挙が変化なのだとすれば、これから民間からどんどん優秀な人材が国政へ参加していくことになるじゃないですか。僕も被選挙権が生まれて初めてからの選挙になる。それだけに2人の友人のチャレンジは、強いインパクトがあったのだ。

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