COLUMN

Rich Trackback

by TARO MATSUMURA - 2005.02.09 02:36

 月曜日の朝、久々にSixApartのオフィスにお邪魔させて頂いて、関さん、平田さんとディスカッションをした。その中で出てきた話題として、trackbackについてはもう少し改善・拡張の余地があるのではないかというものがあった。blogが日本に輸入された当初はアメリカのような運用がなされていて、議論を継続していく、引用をしてコメントするという使い方が多く見られていた。関さんは、僕もそう思うけれど、「決して現在の日本ではそのような使い方がメジャーではない」と言う。


 日本でのtrackback、「トラックバック」はスタンプに近いのではないか。trackbackをもらって送り主のURLにいっても自分のblogへのリンクや言及がなされているわけではない。同じテーマについて書かれていることがせめてもの救いと言うべきか。アメリカでディスカッションが進行していくための有意なリンクであるという位置づけには決してなっていない。

 それでも他人が書いたモノに対して何かを行う、と言う行動が起き始めたことそのものを評価すべきだと僕は思っている。それに、そもそもの話、「2年前はtrackbackを説明するのに骨が折れたでしょう? それに比べれば、今はtrackbackそのものを説明する必要はなくなったじゃないですか」という関さんの言葉に大きくうなずいてしまった。

 たとえアメリカ式の有意のtrackbackであっても不十分な点はある。trackbackを受け取っただけの状態では、自分の意見にポジティブなのかネガティブなのかは分からない。読みに行けば分かることではあるが、trackbackそのものに全く意味がないと言うことを浮き彫りにし、やはり運用面に助けられているテクノロジであると言うことが言える。

 日本でのスタンプとしてのトラックバックにも同様の事が言えて、ポジティブなのか、ネガティブなのかという2局的な意味の他に、さらに多くの意味を含んでいる。筆者へ送るトラックバックなのか、カテゴリやテーマに送っているトラックバックなのか、そのエントリーに送っているトラックバックなのか、読んだ・参考にしたというトラックバックなのか。「トラックバックの意味が混在して使用されているという現状がある」と関さんが指摘する。

 「trackbackには今の仕様でもオプションがあって、Movable Typeではカテゴリへのトラックバックにパスワードをかけるときに使っているんです」と平田さんが教えて下さった。この部分の使い方に何らかのガイドラインをつけてあげてツールを組み込むことで、trackbackの拡張は現在の使用でも可能である、ということになる。とはいえ関さんからすれば「trackbackについては、現在でこそ定着したそのプロセスそのものも改善の余地がある」とのこと。

 元々興味があったことだし、僕も取り組んでみたいテーマなので、この春はtrackbackの分析や意味の追跡、拡張への道についてフィールド実験をしながら探ってみようかと思っている。trackbackの本当のヒミツというかコラボレーションのミソみたいなものが出てくれば面白いですよね。

 


Author

松村太郎 Taro Matsumura

Taro's Portraitジャーナリスト・企画・選曲。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ビジネスブレイクスルー大学講師。テクノロジーとライフスタイルの関係を探求。モバイル、ソーシャルラーニング、サステイナビリティ、ノマドがテーマ。近著に『タブレット革命』『スマートフォン新時代』など。 read more & contact

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      2005年2月 9日 23:27 From okanomail.com - 日本人は議論が苦手なので、このようなトラックバックの使われ方はある程度仕方がないかな、と私は思うわけです。