TAROSITE.NET: COLUMN
SoftBankの通話生活
by TARO MATSUMURA @taromatsumura 2006.11.08 15:35
先週まで、僕がMNPを適用して長年使ってきたDoCoMoからSoftBankに乗り換えた話を書いた。もちろん自分の不注意から始まった話ではあるけれど、興味のある方は是非ご覧くださいませ(ケータイ時代のスタンダード: MNP体験記)。
さてSoftBankの新しいケータイに今までの番号が入っているのだが、改めて自分がSoftBankに移ってみると、周りにSoftBankのユーザーが意外に多いことに気づかされる。これば僕の友人が登録されているケータイの電話帳の中の話だけれど、数えてみると、DoCoMoが4割、auが3割欠けるくらい、SoftBankが3割強という割合だった(auよりSoftBankが多かったんです)。
もちろん世の中的に有効なサンプルではないかもしれないけれど、特に僕の世代の場合、大学に入学する時点でほかのキャリアに比べてメール機能が強かったことが、J-PHONE、Vodafone、SoftBankとキャリアの名前を変えながらも使われ続けている理由ではないだろうか。ちなみに僕の電話帳に入っている人の中でMNPを適用した人はすでに4人いて、DoCoMo → auが1人、DoCoMo → SoftBankが1人、au → SoftBankが2人で、auやSoftBankからDoCoMoに移った人はまだいない。
さて、初めて使うケータイキャリアであるSoftBankで、DoCoMoとカルチャーが多少違う部分もある。意外とSMSを多用しているのだ。
SMSはDoCoMoでいえばmovaのショートメールやFOMAのSMS、auでいえばCメールに当たる機能で、電話番号だけでテキストを送りあう形の、海外でもポピュラーなテキストメッセージングのサービスだ。DoCoMoのFOMAにも同様のSMS機能が入っていたが、使われなかったのはこんな理由があるからだと思う。
それは、@付きのe-mailとして送りあうi-modeメールの方がSNSより割安だったこと、ショートメールのイメージがあまりよくなかったこと(カタカナだけの時代があったり、ポケベルに送るような手順が必要だったりした頃のサービスだったので)、そのままのインターフェイスで他社にも送信することができたことなどだ。
僕のSoftBankの番号で契約した端末はX01HTで、いわゆるケータイメール(@付きのアドレスで送りあうメール)には対応していない。けれども、同じSoftBankのSMSは受信することができ、これをたくさんの人からいただくようになったのだ。X01HTはケータイメールは扱えない代わりに、パソコンで受信するメールやウェブメールなどは簡単にアクセスすることができる。
そのためSoftBank内のメールの流通については、SMSとPCメールで割と事足りるのかもしれない、とSoftBank新参者の僕として感じ取ることができた。けれども他社向けのメールに関しては、ドメイン指定受信でケータイキャリア以外のメールをシャットアウトされる可能性がある点は気をつける必要がある。そんなメールのカルチャーの違いのようなものにふれつつ、やはり気になるのは料金の問題だ。
SoftBankがMNP対策で打ち出した予想外割引は、SoftBank同士の通話0円、メール(SMS、S!メール)0円というゴールドプランが、2007年1月15日までの申し込みで月額2880円(継続利用11年目以降の割引率)で利用できるというものだ。SoftBank同士の通話料0円というのは、ウィルコム定額で打ち出された通話料0円のそれと同じようなサービスである。
「通話がしたい。- ウィルコムの新端末に興味津々」で書いたように、ウィルコムの場合はケータイ+αで持つことになるパターンが多かったため、誰がウィルコムの番号で通話可能であるか、ということを調べる必要があった。しかしSoftBankの場合はメインのケータイとして使っている人が圧倒的に多いので、ケータイのメールアドレスを見てsoftbank.ne.jpか?.vodafone.ne.jp(さすがにjp-?.ne.jpはいないと思うけれど)の人には無料でかけられることがわかる。
そんなもくろみでSoftBankにMNPで転向しようとしているユーザーにとって、耳の痛い話もあるが、それは次回のお話、ということで。
テレホーダイのサイクル再び
22時頃に家に帰ってきて、AC電源に接続してから愛用している黒いMacBookを開く。家の無線LANに自動的に乗っかって、iChatが開く。iChatはAIM互換のアカウントとGoogle Talkがセットアップしてある。最近Windows Messengerも新しいヴァージョンでIntel Macに対応したのでつけるようになった(それまではマシンのパフォーマンスに影響を来していたので使わなかった)。それぞれのIMにログインすると、iChatで音声チャットやビデオチャットをかけて話し込んだり、テキストのメッセンジャーでやりとりをしたり。これがごく一般的な秋の夜長の過ごし方だった。
SoftBank同士の通話料無料というふれこみも助けて、SoftBankにMNPで乗り換えてから1週間以上が過ぎる。しかしながらこのインターネット上の無料のコミュニケーションを使う生活にはあまり変化が見られなかった。それだけでなく、ちょっと心配な点が出てきた。それは今月の通話料の明細のことである。
SoftBankで端末の頭金が0円になる新・スーパーボーナスに加入すれば、SoftBank同士の通話料が0円になるゴールドプランに加入していきなり月額料金70%引きになるため、迷わず僕もそのプランをチョイスした。もしもSoftBankのケータイをビジネスで使う場合は、とてもよいチョイスになる。もともと名刺に印刷してあった電話番号なので、僕のMNP適用についても都合がよかった。
昼の時間帯はSoftBank同士でいくら話しても通話料はかからないため、ケータイであるにもかかわらず、仕事で電話をつなぎっぱなしにしながら作業をしたり打ち合わせをしたりすることもできる。後の問題はバッテリがどれだけ持つか、ということと、相手がSoftBankのケータイかどうかという問題くらいだ。
しかしプライベートでSoftBank同士の通話料0円を使おうとすると、そういうわけにはいかなくなる。ご存じの通り、ゴールドプランでは21時から25時(翌日午前1時)までの累計通話料が請求月内で200分を超えたら、30秒あたり税込み21円の課金がなされることになる。この1ヶ月200分という数字、1日にすると約6分半である。これがまた難しそうなハードルなのだ。
プライベートユースでこの通話料0円の恩恵を最大限に生かせるのは、お互いが仕事がキチンキチンと定時で終わる人か、お互いの仕事が深夜まで長引くことが多い仕事の人か、夜更かしができる学生くらいなものだ。そうでなければ、だいたいコミュニケーションを取ろうとすると、21時〜25時の時間帯に引っかかってくる。早起きして話すチョイスをすれば、モーニングコールも無料になるけれど、これから寒くなる季節、果たして早朝モーニングコール作戦が現実的かどうかは、布団の暖かさに相談した方が良さそうだ。
そういわれてみれば、過去に似たような経験、つまり時間に制限されるコミュニケーションツールを使っていた経験があったことを思い出した。
それはNTTが設定していた同一番号にかけ放題になるサービス「テレホーダイ」である。インターネットやパソコン通信に接続する際に、「ピーピーガラガラゴショ」という何ともいえない音を立てるアナログモデムを使っていた時代は、プロバイダの電話番号にモデムから電話をかけてインターネット接続を確立していた。僕が高校生で初めて自分でプロバイダ(246-net)の契約をした1997年頃の話である。
テレホーダイはまさにそのダイアルアップ接続をしていた頃にお世話になったサービスで、23時から32時(翌朝8時)までの時間帯の通話料が無料になる、という内容だった。すると何が起きたかというと、23時になる瞬間からプロバイダに電話をかけ続けて、ネットに早くオンラインになろうとがんばるのだ。
もちろんほかのテレホーダイユーザーも同じことをするので、プロバイダのダイアル回線をユーザー同士で奪い合うのである。設備の弱いプロバイダを使っていると、お話中で何度も再ダイアルをして、5分後、もしくは10分後に接続することができ、当時使っていたIMであるICQで続々とオンラインになる友人に、毎日23時の恒例行事である回線争奪戦の労をねぎらうところから、その日のネットタイムがスタートしていた。
このテレホーダイの時間設定のおかげで、常時接続が普及するまでは、ネットは23時以降のアクティビティがより活発だったのだ。ならばSoftBankでの通話に関しては、20時台の通話が活発になり、21時〜25時のトラフィックが落ち、25時を過ぎると皆が眠りにつくまでまたトラフィックがあがる、というサイクルができあがりそうだ(ちなみに昨日25時きっかりにダイアルしてみたら、お話中になったりコールせずに急に切れたりして、混み合っているようだった。たまたまだと思うけれど)。
1週間SoftBankのゴールドプランを使った感想として、通話料0円というプランは魅力だけれど、これの恩恵を受けられるシチュエーションは、プライベートに関してはなかなか少ないのではないか、というのが率直なところだ。もしも以前のVodafoneのLOVE定額のように、特定の番号だけでも、月額315円で21時〜25時の200分制限を緩和してくれるオプションがあったら流行りそうな気がする。
上の話は通話料0円の時間帯を押し広げるというアプローチだが、通話料0円の相手を増やす、というアプローチもSoftBankのケータイには存在している。ちょっと飛躍する話だけれど、Yahoo! BB Phoneや日本テレコムなどとSoftBankのケータイとをうまく組み合わせることによるFixed Mobile Convergence(FMC)を実現して、通話料0円の領域を押し広げていくことはできないか。
イギリスのBTが行っていて、世界的に注目を集めている「Bluephone」の事例も眺めつつ期待してみたいと思う。
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