TAROSITE.NET: COLUMN

The Rule - 優先席付近での光景


by TARO MATSUMURA @taromatsumura 2004.11.30 11:23

 ケータイに関する電車の中の優先席ルールはおおよそ認知されたと見て良さそうだ。もう一度ルールを振り返ると「優先席付近ではケータイの電源は切りなさい、その他の場所ではマナーモードに設定した上で、通話はやめてください」というものだ。つまり、優先席付近で通話をする、というのは(このルールの上では)もってのほか、と言うことなのだが、朝の電車の中で(このルールの上では)衝撃的な映像を目の当たりにしてしまった。


 これまで公共空間のマナーについて口うるさく注意をしてきたのが現在の高齢層。ワカモノも内心逆ギレすることが多いかもしれないが、「年長者が言っているんだから」「頑固そうで面倒そう」みたいな形で「はい、はい」「わかりました」「スイマセン」としっぽを巻くケースに多く遭遇したことがある。逆にワカモノが多い電車内では老人は注意をしない。科学的な理由付けをお互いにキチンと知らないため、周りの雰囲気による、ある意味では臨機応変な対応をしてきているように見える。

 ところが今朝びっくりした。優先席に座っているご老人が、急行の駅2つ分くらい延々とケータイで話しているのだ。先に書いたルール上での「もってのほか」行為だ。今まで注意する側だったご老人が、これではまるでルール付けされていない頃のワカモノを見ているかのようだ。

 僕としてはそのイキイキと通話を楽しんでいるご老人の姿を見て、なんだかうれしくなってきたというか、元気が沸いてきた気分だったが、そんな思いを彼に抱いているのは僕くらいで、周りの人にとっては迷惑で仕方ない、と思ってしまっているのだろう。電話がかかってきたのか、自分からかけたのかは知らないが、どうも町田駅での待ち合わせまでの移動時間の通話をしているようで、相手も恐らく電車の中。ダブル「もってのほか」状態だった可能性もある。

 こういう姿を見るに、この電車内でのケータイのルールの陳腐化が既に起きていると思わざるを得ない。ご老人もケータイを持っていなかったら注意する側に回っていたかもしれないが、いざケータイを持ってしまうと、通話せざるを得ないどころかどこでも通話を楽しんでいるのだから。blogやSNSなどと同じように、使ってみなければ良さが分からないと言うパーソナルツール特有の現象で、このご老人も一度使ってみたらもうやめられない、という状態なのだろうか。

 裏を返せば、それだけケータイが浸透していることを表している、とも言えるわけだ。ケータイに関する社会的なルールや共通認識は常に、社会の現状との非整合性をはらんでいるルールが浮かび上がってきて興味深い。


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    • 優先席とケータイと
      2004年11月30日 23:05 From bmblog - ここ数ヶ月、ちょっと気になっていて電車に乗るときに何気なく観察していたことがある。 優先席の数。 ちょうどtarositeでエントリーが出てきたところでタイミン...