BLOGGING
GarageBandを見れば、Steve Jobs退任でも大丈夫と分かる
by TARO MATSUMURA - 2009.01.15 15:58
AppleのSteve Jobs CEOが6ヶ月間静養するというニュースが流れた。Appleの顔だったSteve Jobs休暇中は、Tim Cookが代役を務めるそうだ。6ヶ月間、ということは、おそらく今年のWWDCで復帰するつもりなのか。
これは意見が分かれる部分なのかもしれないが、僕は積極的に復帰しなくても良いのではないか、と言う意見を持っている。もちろん彼の審美眼的な個性はとても大切なモノであったし、これからもそうなんじゃないかと思う。しかし、彼がiPhoneとApp Storeを残した段階で、Appleには向こう10年間の手法が蓄積されたのではないだろうか。
あまり驚きがなかった、と言われている今年最後のMacworld 2009。オンラインドキュメント共有に対応したiWork '09と、テーマという概念を身につけたiMovieを含むiLife '09、そして17インチのMacBook Proをリリースしている。
しかし今回一番注目したいのはGarageBand '09。もともとiLifeの中では地味で使われにくい存在のようだが、このソフトはとてもラジカルな対応をしてくる。Podcast制作の機能を盛り込んだのも、iPod向けに音声ファイルを配信する動きが出始めて、じゃあPodcast制作機能と音源の素材を入れてしまおう、となった。
そして今回、音楽のレッスンを行うことが出来る仕組みを盛り込んできた。そして著名なミュージシャンのテクニックをレッスンしてくれるコンテンツまで販売しているのだ。デジタルの楽器たるGarageBandそのもので、楽器の練習をすることが出来る。
ソーシャル・ラーニング、ウェブ時代の教育あたりに興味がある僕としては、結構これはびっくりするモノだったのだ。学習コンテンツを、音楽制作ソフトの上で購入して学ぶことが出来るようにしているのだから。これはデジタルコンテンツやウェブをベースとした学びの面でとても正しい方法だと思えるし、今までAppleが取り組んできたデジタルライフスタイルの線の上に乗っかった新しいビジネスである。
このモデルは、ハードウエアとそこへのコンテンツ注入という流れの、ハードウエアの部分を、プラットホームとなるソフトウエアに変えて展開したモノ、と見ることも出来る。iPod → iTunes Store、iPhone → App Store、GarageBand → Artist Lesson。同じ事だ。そして今までのモノ以上に、あり得ない豊かな体験がある。StingやNorah Jonesに楽器が習えるのだから。
そしてこのモデルは、当分デジタルコンテンツで通用するモノではないか、と思っている。これを外さずに10年間のビジネスを続ける間、後継者が次のモデルを考えるには十分時間があるのではないかと思うのだ。
どうだろうか。
CNET Japan: アップルのS・ジョブズ氏、病気治療で休暇へ--会社運営はCOOクック氏が担当
Appleは、同社最高経営責任者(CEO)Steve Jobs氏がホルモンの不均衡から回復するまでの間、CEO職から退くことを明らかにした。同氏不在期間は、6月末までとなる予定だ。
Author
松村太郎 Taro Matsumura
ジャーナリスト・企画・選曲。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ビジネスブレイクスルー大学講師。テクノロジーとライフスタイルの関係を探求。モバイル、ソーシャルラーニング、サステイナビリティ、ノマドがテーマ。近著に『タブレット革命』『スマートフォン新時代』など。 read more & contact
Related Article
Trackback
- URL:
http://upwest.org/mt/mt-tb.cgi/9681