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IP culture - 発明協会の問題意識
by TARO MATSUMURA @taromatsumura 2004.10.28 00:07
元特許庁長官で発明協会の前理事長、吉田文毅さんの卓話を伺う機会があった。発明協会は1904年に設立されて、今年で100周年を迎えていたそうだ。題目の「IPカルチャー」というのは、僕が身を置いている場からするとインターネットの話かと思ってしまうんだけれど、これは「Intellectual Property」、知的財産の略なのだそうだ。
発明協会は知的財産を保護し、活用する社会を作るための啓蒙活動を特許庁から委託されている(残念ながらその委託事業で人件費の不正受給のニュースがありましたね)。そこで「IPカルチャー」というキャッチフレーズで、活動をしている。海外ではどうなのか分からないけれど、今の日本でIPを知的財産のことだと素直に理解させるのは相当難しそうだ。やっぱりネット関連の言葉になっちゃいますよね。
卓話では日本での知的財産の扱いや海外事情などを中心に、今日に至るまでの知的財産の国家・民間の関係性について触れられていた。日本で革新的だったのが現在のトヨタの前身となる事業を行っていた豊田佐吉やその息子の豊田喜一郎の話は興味深い。
親である豊田佐吉は、専売特許に関する制度が日本で成立したときに「太平洋に島を作るかのごとく」と評価しているし、息子の喜一郎はイギリスに当時の金額で100万円で技術提供してファンドを作り、1930年ごろから自動車事業を着手するにあたって「苦心して到達した者にはそれを進歩させる力があるが、他人の者を受け継いだ者には進歩させる力や迫力に欠ける」と、知的財産のパワーについて語っているそうだ。
「苦労した者の迫力を養うべし」という言葉は、なんだか勇気が沸いてきますね。発明協会ではそういった知的財産やそれを生み出す際に伴うパワーのようなモノを、今の日本により広めていこう、そのためには知的財産に関するより広い理解を進めよう、というロジックで動いている。これが直接的に、青少年の理科離れ防止や発明に対するマインドを高めることに繋がるかどうかは疑問がある。
吉田さんは「ニート」(Not in Education, Employment, or Training)が52万人に上る現状について懸念を示しておられた。日本の危機と映っているのかもしれない。一時的な危機的状況はあるとしても、決してネガティブではないと思っている。僕の理解だと、彼らは立ち止まって自我を探しているというプロセスにある、と思っている。その捉え方の下においては、僕自身も「明日は我が身、あるいは今現在も」と言う意識がないとは言い切れない。
教育や企業などの場での啓蒙活動はもちろん行う方が良いが、発明協会としてはむしろ「ニート」にこそ働きかけを行ってみてはどうだろうか。アメリカやイギリスに比べれば圧倒的に少ないものの、少年少女発明クラブという期間が日本全国に165カ所あるそうだ。少しずつ草の根のネットワークが出来つつあるのだから、やれることはいろいろあるはずだ。
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