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言語フリーで未来を記述するDitto - Jyri Engeström Interview
by TARO MATSUMURA @taromatsumura 2011.05.05 01:16
DittoのオフィスはSan Franciscoのダウンタウンにある。Market Streetからちょっと入ったところにある怪しげな建物のベルには「Pirates & Ninja」と書かれていて、ここを押すとJyri Engestormさんが出迎えてくれた。
中はまるで肉屋の冷蔵庫のような金属の重たそうなドアがあったりして、なかなかなアンダーグラウンド感があるが、2Fに上って中に入ると、ロフトがある天井の高い空間に、センターテーブルというシンプルなオフィス。ミーティングルームは屋外、というところも気候の良さを生かした気持ちよい設定だ。
先日アップしたブログの話の続き。
そもそもDittoとはどういうネーミングなのだろうか。辞書的には「賛成!」「同意」とかそういう意味合いがある。実際アプリの中でも、誰かのポストに対して「Ditto」ボタンを押すだけでFacebookの「いいね」ボタン的な役割を果たしてくれる。前回のインタビューで紹介したアイディア「タップだけでコミュニケーションを取り持つということ」に直結しているのではあるが。
「僕は英語のネイティブスピーカーじゃなかったんだけれど、『ゴースト』(ゴースト/ニューヨークの幻)という映画を観たときにDittoと言っているシーンがあって、意味を聞いたことがある。I agreeとかme, tooという意味だと知って、印象に残っていたんだ」(Jyriさん)
さて。僕がDittoについて興味のあるポイントは、ソーシャルメディアが未来について記述し始めた、という点だ。
書き込みが基本的に「I'm going to ○○」という未来形で記述され、それがエリアのタブによって束ねられている。自分が東京にいれば、ちょっとざっくり目のエリアわけではある、人々が何をしたいか、何をしようとしているか、どこへ移動しているのか、ということが分かる。以外と深夜にコーヒーを飲みに行く人が多いのだなとか、今日はうどんが食べたい人が多いのだな、ということが分かるのだ。
間接的、直接的は別として、実は似ている情報を持っているところはたくさんある。例えばエリアごとに細かく天気予報を出しているところは、そこで傘が必要か、マフラーを巻く人がいるだろうか、ということを間接的に知っている。あるいは、先日銀座で話込んだけれど、路線検索は(もしかしたら)人がこのルートで移動するのではないか、という情報を知っている。件名性の有無に必要ない、一般論としてでも、意味がある情報じゃないか、と思っている。
ここで、Dittoが「私はこれをするつもりだ」「どこへ移動中だ」という話が流れてきて、上の情報とミックスされると、おそらく「エリアタイムライン」という考え方はより意味をまして、活用しやすくなるのではないか。そういうアイディアについては、次のように考えているそうだ。
「Dittoのフォーカスはタップでいかにソーシャルアクションが出来るか、ということ。つまりタップだけで街を知ることがポイントなのだ。コーヒーを飲みに行きたい、という人にお店を紹介するにもタップだけですむし、映画が観たいという人に近所の映画館でやっている映画作品を紹介するのもタップだけ。友人じゃない来訪者をどうやってタップだけで貢献できるかを考えている」(Jyri)
この話を聞いて、少し僕は考え違いをしていたことが分かった。僕はどちらかというと、ソーシャルジェシチャーの基準は「自分」であり、ソーシャルメディアの多くは自分がどうするかを伝えるためのツールであった。しかしDittoはもう少しソーシャルでのインタラクションによる解決を目指そうとしている。
このコミュニケーションはシンプルだが、確かにTwitterだけで実現することは難しかった。フォローしているかどうかでリプライが見えるかどうかが決まるし、位置情報は共通かもしれないが、地元の人が自分がいる場所の周りの情報に気を配るチャンスは少なかったし、そもそも言語が違えば、他の言語を喋る地元の人は答えようがないからだ。
最後に、退屈な質問かも知れないが、と前置きした上で聞いてみたマネタイズについて。「そんな事、知らない」と答えつつも、Dittoのアプリの中でタップによるソーシャルジェスチャーによって示されるお店や映画、本などをレコメンドする広告的な手法がある。
そしてiPhone/Android/iPadなどのアプリを紹介したり、何かやりたいという目的に対してソリューションを教えてあげて、それに対して足で向かう、あるいはその画面の中で直接実現するという方法が提供されると、Dittoの行動のエコシステムができあがることになる。これはなかなか面白そうだ。
現在DittoはiPhone版しかないが、なぜかと聞くと、ベータ版だから、と答える。自分たちのアプリケーションが最も見栄え良く動くプラットホームをチョイスしているが、もちろんAndroidも出すし、iPad版は本や映画などのコンテンツ消費に近いという点で注目しているという。しかしiPadはリビングルームで使われるので、レストランの情報をそんなに細かく知る必要はないかもしれない。ここでも、モバイルの特性について非常にフォーカスしていることがよく分かる。
一連のストーリーを読んでも、Dittoをじゃあ使ってみよう!という気持ちにさせられなかったかも知れないし、僕も多分積極的なユーザーになれるかどうか不安がある。しかしBlogは過去、Twitterはなうを記述できるようにしたが、Dittoは未来を記述し始めているし、より深いソーシャルなコミュニケーションを、タップという簡単なアクションだけで実現しようとしているそのフレームワークにはとても共感が出来る。もしサービスを作っている人、作ろうと思っている人の参考になれば幸いです。
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