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iPad: 無料アプリは減る?App Storeの雰囲気の変化はあるか
by TARO MATSUMURA - 2010.03.24 11:06

ぜんぜんまだまだ数が少ないですが、iPadタグで過去のアーカイブを。もう記事と読者が少し増えれば「iPadなんちゃら」というカテゴリを作って、読み込みやすく準備しようと思います。
さてさて、今日もいくつかiPadに関して考えたいと思うんだけれど、まずAppStoreの変化というものが起きるのではないか、と考えている。ユーザーにはうれしくないかもしれない、有料化の流れが強まるという変化だ。要因はいくつかある。開発者やユーザーの2年弱にもわたる「AppStore慣れ」、そして「画面サイズの拡大とビジネス構築」の2点だ。
AppStoreニッポン、もう慣れた?
まず1点目のAppStore慣れについては、2008年7月11日にオープンして以来、約15万のアプリと30億本を上回るダウンロード数を数え、2009年のモバイルアプリケーション市場の大半を占めるマーケットへと成長している点が挙げられる。
iPhoneシリーズ、iPod touchシリーズ累計約6000万台近くが出荷されているユーザー数の多さと、批判は多いながらも、Appleによる審査とダウンロード方法などのルールがきっちり決まったマーケットは、開発者、ユーザー双方にとって、ワールドワイドでアプリに触れられる場として親しまれている。もちろん、日本では全ケータイユーザーの約30%のiPhoneユーザーのうちの、クレジットカードに抵抗がないか、iTunesカード・AppStoreカードの存在を知っている人が使っているに過ぎないため、iPhoneやiPod touchユーザー全員がAppStoreに慣れている訳ではない点は、留意すべきかもしれない。
しかしそれでも、日本のAppStoreは海外に比較して、有料アプリや高額アプリが売れやすい環境にある。
CNET Japan: iPhoneビジネス最前線 第2回--特殊な日本アプリ市場と電子書籍の急拡大という記事の中で、日本のAppStoreの特に有料アプリランキングを見ていると、「まじめなニッポン」が現れているという点を指摘した。1500円を超える辞書系を含めたアプリがトップ50に何本も入っていたり、ゲーム以上に仕事効率化のアプリがフィーチャーされているAppStoreは日本くらいしか無い。海外の有料アプリ市場はゲームが60%を占めて、仕事効率化+リファレンスと言ったアプリが7%しかないのに、日本では後者が29%を占めている。
iPadは早い段階から、キラーアプリを揃えて行くことで、iPhone向けのアプリ市場以上に、有料アプリが活発に動く可能性があると考えている。その理由を、別の角度から。
疲弊中のiPhoneアプリ開発環境への光となるか?
冒頭に挙げたiPadのAppStoreの画像を見て、気づいたことはないだろうか。「とてもリッチだ」ということ。iPhoneはAppStoreに限らず、あらゆるアプリで画面は、1画面そのままあるいは縦方向にのみのスクロールでウェブページのように構成され、ボタン操作によって左右の階層を移動するインターフェイスを採用している。採用していると言うよりも、画面が狭いのでそれ以外やり用がないのだ。
しかしiPadのAppStoreを見ると、そこにはレイアウトが存在している。さらにメニューが吹き出しのように登場したり、映像領域と情報領域が分かれていたり、iPhoneのそれとは大きく違うインターフェイスになっているのだ。アプリ開発者は、アプリに対して「レイアウト」という新たなデザイン要素を加える必要があり、開発する側も使うユーザー側も、使いやすい最適解を求めるまでに結構なハードルが存在しているのではないか。
また、アプリ開発については、結構みんな苦労しているのが現状だ。
個人あるいは非常に小規模でアプリを開発し、代表作、ヒット作を有するごくわずかな開発者は、iPadに対してもiPhoneと同じようにまず自分が作れるものを表現しに動くことが出来る。しかしiPadが日本市場でどうなるか分からない段階で、戦略として踏み出せなかったりする企業の声も聞いている。
さらに、AppStoreはAppleが管理しているため、アプリ開発を請け負っていて審査にとおらなかったり、急に落とされてしまったりしても、クライアントに対して説明がつきにくいという事情もあり、請け負って無料アプリを開発する動きよりは、自社で有料アプリを開発して売っていく方がリスクが小さいと見る企業もあった。
もちろん各企業の状況や体力、事例などによって条件は異なるが、インターフェイスデザインの必要性や良くも悪くもiPhoneでのAppStoreの経験を考えると、アプリ開発者は有料アプリを中心に作っていく流れがiPadでは強くなってくるのではないか、と見ている。
Author
松村太郎 Taro Matsumura
ジャーナリスト・企画・選曲。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ビジネスブレイクスルー大学講師。テクノロジーとライフスタイルの関係を探求。モバイル、ソーシャルラーニング、サステイナビリティ、ノマドがテーマ。近著に『タブレット革命』『スマートフォン新時代』など。 read more & contact
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