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ストーリーボード・メソッド - Back to the Macイベントを振り返る #happyws


by TARO MATSUMURA @taromatsumura 2010.10.26 18:33

10月20日に登場したMacBook Airはそのスピードと11.6インチの小さいサイズで話題騒然だが、これについてはCNET Japanのレビューをご覧下さい。写真は後ほど。

 さて久々に「本田直之式 ハッピー・ワークスタイル」関連。最終章でプレゼンテーション術を紹介しているが驚異のプレゼン師・Steve Jobsが登場しているので、そのプレゼンを振り返りながら、エッセンスとMacの今後について考えておきたい。

 今回のプレゼンテーションは、キーポイントをJobs氏が紹介し、パートごとに担当者が登場するスタイルで進行した。会場の小ささも伝わってくる映像で、どこかアットホームな雰囲気で進行していたのが印象的だった。まだ見ていない方は、以下のYouTubeをチェックしてみて下さい。

 今回の大きな流れは3つ。「State of the Mac」と「Back to the Mac」と「One more thing」の3部構成だった。

 今回の最初のキーワードは「State of the Mac」。Appleのビジネスの中でのMacがどのような状況にあるのかを紹介している。ここでは「数字に踊ってもらう」テクニックが大いに登場している。プレゼンターはTim Cook。

 まずMacの売り上げが220億ドル、Appleの事業全体の33%と紹介した。この220億ドルという数字を、Forune 500で110位に企業に相当する、と言い換えている。ちなみにCNNMoney.comによると、最新のFortune 1000での110位はMotorola(!)。さすがに企業名を出して皮肉ることはしなかったが、iPhone関連のイベントだったらどうだったか分からない。当のAppleは56位でWalt Disneyの1つ上、Microsoftは36位、Googleは102位だった。

 総数では当然のことながらWindows PCの方が売れているのは誰にでも分かっているが、ここで持ち出してきたのは前年比の成長率だった。2010年7月〜9月の前年比で比較すると、PCは11%だったがMacは27%で、PCの2.5倍のペースで成長していると指摘。これも上手く数字をポジティブに見せている例と言えるだろう。

 続いて新製品の発表としてiLife '11の発表。こちらはアプリの要点をJobsが説明し、各担当者がデモを行うというスタイル。iPhoto、iMovie、GarageBandのデモが行われた。さらに、FaceTimeのベータ版の紹介とデモ。どうもJobsはそしていよいよ今回のKeynoteの最大の見所のスライドだ。

Back to the Mac Event

 ここで今回のイベントのタイトルである「Back to the Mac」の意味を明らかにしている。それを端的に象徴しているのがこのサークルを示したスライドだ。つまりMac向けのMac OS XからiPhoneを作り、iOSとして進化させてiPadを作り出してきた。それをMacに再びフィードバックすることを意味しているのだ。

Back to the Mac Event

 その上で、iPadからのフィードバックのポイントを上のように抜き出し、1つずつ解説していく。ここで、マルチタッチ対応の方法、Mac App Store、Launch Pad、フルスクリーンアプリ、Mission Controlといった新機能がiPhoneとiPadと同じ、と言う文脈で紹介している。ここですかさず新OSのデモ。これらの新機能を印象づける。

 実は、このサークルのスライドと、その要素をドリルダウンする手法はとても有用だ。自分にとってはプレゼンテーションの主題とストーリーボードの役割を果たしてくれて、聴衆にとってはそのプレゼンテーションで伝えたいことと、ナビゲーション(目次)の役割を果たしてくれる。自分の理解をストレートに聴衆に伝える事ができるツールなのだ。これはぜひ取り入れたいテクニックである。

 そして、「One more thing」でも、サークルの図は利用され、ソフトウエアがiPadの恩恵を受けたなら、ハードウエアもiPadの恩恵を受けるべきだ、として新型のMacBook Airに取り入れたiPadの要素を、Mac OS X Lionと同じプレゼンテーションのテンプレートで説明している。そしてMacBook ProとiPadを向かい合わせて、「これが答えだ!」とMacBook Airを「未来のノートブックだ」として発表した。

 ストーリーボードとなる1枚のスライドと、それを同じテンプレートでドリルダウンしていく、という手法を上手く活用しよう!というのが今回のプレゼンテーションからの学びなんじゃないか、と思った。

 せっかくなので僕もOne more thing。

 仮想敵を登場させて一緒に解決策を考える、というメソッドがあった。実は今回、これには短期・中長期の「伏線」というメソッドを見いだすことも出来る。

 今回Mac OS X Lionの紹介の中で、画面にタッチするのはエルゴノミックではない、としてノートパソコン向けのマルチタッチトラックパッド、Magic Mouse、Magic Trackpadを用意しているという説明だった。これも、画面に直接触るタブレットPCが使いにくい点の指摘だったりするのだが、Magic MouseもMagic Trackpadも既に数ヶ月前から登場しているマウスたち。Appleが出してくるアプリやアクセサリを含む製品には、様々な伏線がちりばめられていて、それを読み解くのもまた楽しい作業だったりするのだ。

 で、今回の話のベースとなったiPadが登場したとき、スマートフォンとパソコンの間を埋めるのはネットブックではない、と批判した上でiPadを登場させた。しかし今回のMacBook Air 11.6インチモデルは、とくにネットブックと競合するようなサイズ感で登場させている。もちろん中身は全く違い、メインマシンとしても良いくらい充実したスペックで、僕自身もCNET Japanにも「捨てないミニマル」というキャッチコピーでファーストレビューを投稿した

 しかしここで注目したいのは、批判していた製品をきちんと意味づけした上で、自社の製品としてリリースしている点だ。となると、直近でSteve Jobsが猛烈に批判していたのは7インチサイズのタブレットとAndroid。さて、何が起きることになるやら。



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