MacSPiCE | REVIEW
iPod nanoの「ビデオ」カメラ位置がイマイチだけど、最も売れるポケビになる
by TARO MATSUMURA - 2009.09.10 12:57

昨日のAppleのRock n Rollイベントは、昨晩未明にウェブで盛り上がりを見せた。iPod touchにはカメラが付かなかった一方で、iPod nanoにはカメラが付いた。しかしこのカメラの位置というのが良くない。
iPod nanoには、ビデオカメラ(静止画は撮れない)が入り、H.264 640x480ピクセル、30fpsの映像とAACオーディオで記録するビデオを撮影できるようになった。その他にもGeniusプレイリスト、15分のいわゆるタイムシフト機能付きラジオ、歩数計とNike+などが加わり、iPod nanoはiPodとしてフル装備の機能を備える存在になった。
このカメラはちょうどクリックホイールのやや左下に配置してあり、構える向きを自動的に認識して縦長・横長の動画を記録してくれる。クリックホイールのセンターボタンが録画スタート・エンドのボタンになるのだが、縦に構えても横に構えても、クリックホイールを押す手がかぶるのだ。
グリップではなく、縁に手を添えなければならないため、片手でビデオ録画は難しい。もし片手でうまく握れても、本当に気をつけないと指が画面にかぶってしまう(写真では落とさないために左手を添えています)。


どうしたらうまく片手で握れるかを試行錯誤した結果、人差し指でサポートするというチョイス以外に難しかったのだが、端末を安定させつつ落とさない、という安心できるポジションで握ろうとすると、画面に指がかかる。
端末の形状が変わらない事、いくつもの新しいハードウエアが入った事もあって、なかなか配置が難しいと思うのだが、ビデオを思い切りアピールしているのにこのカメラ位置はナンセンスだと思う。出来れば、iPhoneと同じようにディスプレイの背後において欲しかったところだ。
しかし、それでも、新しいiPod nanoは、最も売れる「ポケビ」になる事は堅いんじゃないか、と思う。
amadana SALが登場したとき、動画を日常的に撮りたい人たち、特にベビーカーを押すお母さん達にとてもウケた。ほぼ100%の割合で持っているカメラ付きケータイで動画が撮れるのにもかかわらず、である。
動画を撮るだけのシンプルな機能、USBジャックを内蔵していて簡単にYouTube・mixi・アメーバに動画をアップロードできるソフトを内蔵している点から、ケータイのmicroSDでちまちまPCにアップして、という事をする必要がなかった点が良かった。
iPod nanoはそもそも音楽を聴くために持ち歩いているiPodの新機種にビデオカメラが入った。音楽を取り込むためにパソコンに接続するが、Windowsならマイビデオのフォルダ、MacにはiMovieに自動的にコピーされる。
Macの場合、iPhotoではなく、iMovieにコピーという点はびっくりだ。
もちろんYouTubeへのアップロードはワンタッチで出来るし、いくつかのビデオを簡単に編集してちょっとしたビデオクリップに仕上げる事も出来る。iPhotoのテコ入れは人々や場所の機能追加で行ったが、AppleはiMovieのテコ入れをビデオ撮影が出来るiPod nanoで実現しようとしている。
例えVGAサイズでYouTubeで見る動画だとしても、その出来映えの違いは歴然だ。普段どうしてもHDの動画編集がどれだけキレイに仕上がるかばかり気にしていたから見逃している点がある事に気づかされる。VGAサイズの動画はHDに比べると遙かに軽く、時間的にも扱いやすい。
しかし手元にないデータは編集できなかったわけで、Appleはパーソナルビデオに関して、「鳴かぬなら、鳴かせてしまえ」戦略を、iPod nanoに託したことになる。「DVDやBlu-rayにホームビデオを焼く?どこにそんな時間があるんだ?」なんて声が聞こえてくるようだ。
Author
松村太郎 Taro Matsumura
ジャーナリスト・企画・選曲。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ビジネスブレイクスルー大学講師。テクノロジーとライフスタイルの関係を探求。モバイル、ソーシャルラーニング、サステイナビリティ、ノマドがテーマ。近著に『タブレット革命』『スマートフォン新時代』など。 read more & contact
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