COLUMN | mobilenative

KIN - クールなWindows phone登場前夜

by TARO MATSUMURA - 2010.04.13 10:54

KIN

 AppleとGoogleに滅多打ちにされている他のスマートフォン関連企業。端末デザインは極力シンプルに、OSやプラットホームとのマッチングに注目が移り、結果的にクールなOSやプラットホームに対応する端末がクール、という循環になっている。お世辞にもここにコミットできていないのが、MicrosoftとWindows phoneを採用するスマートフォンメーカー(いくつかの日本企業も含む)だった。

 しかし、この状況を一転させそうな、とても面白いスマートフォンが登場した。KINである。その期待感は、ウェブサイト www.kin.com にアクセスしてすぐに理解することが出来る。

 ウェブサイトにはKIN ONEとKIN TWOという2つのKINが紹介されている。前者は2.6インチのディスプレイと500万画素、後者は3.6インチのディスプレイと800万画素カメラを搭載し、タッチパネルディスプレイとスライドオープンのQWERTYキーボードが登場するスタイルは同じ。

 注目はKIN ONEだ。

 非常にコンパクトで手の平に収まるデザイン、そして縦方向のスライドでキーボードが現れる動きなどは、ちょっと惚れるオブジェクトである。これまでスマートフォンにはクールさがあったが、コンパクトさが無かった。Xperiaも良い端末だが、早速Xperia miniが登場するなど、今までのケータイにあったようなコンパクトさは無かった。

 KIN ONEはとても良く手に馴染みそうな丸っこいフォルムで、男性らしい、あるいはガジェットっぽさが残り続けていたスマートフォンのデザインに一石を投じてくれそうな雰囲気がある。そしてQWERTYキーは片手入力向け、と書かれている。そしてマルチタッチ操作に対応したタッチパネルで、違和感ない操作もできそうだ。

 米国ではVerizon WirelessのCDMA端末として5月に発売され、今年の終わりには欧州でVodafone向けに登場する予定だ。価格に関しては特に表記されていない。

 ところで、このKIN ONEとKIN TWOを製造しているのは何を隠そう、日本のシャープだ。シャープと言えば、2002年から、米国で大ヒットしたスマートフォンSidekickを作ってきたメーカー。日本ではもちろんW-ZERO3シリーズなど、スマートフォンの草分け的存在を送り出してきたメーカーでもある。

 Microsoftのスマートフォン担当をしている越川さんは、今朝のTwitterで以下のように紹介している。

「マイクロソフト 「KIN」が発表されました。3年近くかかった「プロジェクト・ピンク」がようやくお披露目。若年層向けのソーシャル携帯です。製造メーカーはSHARP。日本メーカーを世界へ。これがマイクロソフトのグローバル・エコシステムです」(@shinjiko9
「本日発表されたWindows Phone『KIN』について問合せを多く頂いていますが、日本では当面販売の予定がありません。ただ、日本のケータイ・テクノロジーを世界に輸出する素晴らしいストーリー。サムライ・スマートフォンが世界へ! SHARPの灰鰤をシアトルで使っている越川より。」(@shinjiko9

 ぜひ、日本でもCDMAを採用しているauからこの端末が登場してくれることを願うばかりだ。

 しかし日本市場ではWindows phoneは企業ユースに振られており、端末のポテンシャルがいくら若年層向けであっても、キャリアサービスがWindows phoneに対応しなければなかなか展開が難しい。KDDIがAndroidだけでなくWindows phoneでも利用できるプラットホーム作りをしていくかどうか、見守りたいところだ。

 


Author

松村太郎 Taro Matsumura

Taro's Portraitジャーナリスト・企画・選曲。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ビジネスブレイクスルー大学講師。テクノロジーとライフスタイルの関係を探求。モバイル、ソーシャルラーニング、サステイナビリティ、ノマドがテーマ。近著に『タブレット革命』『スマートフォン新時代』など。 read more & contact

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