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Social Dining and Agenda - 会話メインの長めの食事会で語るべきこと


by TARO MATSUMURA @taromatsumura 2011.04.04 10:34

Tom's Sandwich #02

 先週の金曜日の夜も、よくお世話になる小江戸ビールの生が楽しめるお店GOSHIKIで展開されていたのが正にこれだったと思うのだが、三橋ゆか里さん加藤康祐さんと話をして盛り上がったのが「Social Dining」(ソーシャル・ダイニング)というキーワードだ。このキーワードが引っかかったのは、ここ最近の自分の変化だった。

 震災から3週間が過ぎて、変化したことと言えば、時間の使い方だ。明らかに、1日の過ごし方がゆっくりになった。そして、目を向けるべき現状に目を向けたり、次のことを考えたり、友人にあって話をしたり、そんな時間が増えた。以前に戻りたくても戻れないかも知れない。しかし戻るべきなのだろうか、とも思う。

 これまで、1日にアポ4件、くるくるくるくる1時間おきに動き回る日も少なくなかった。インタビューをTsudaる技術でその場でEvernoteに文字として書き起こしながら3本こなして、打ち合わせをして、家に帰ってきたらぐったり、なんて日々だった。しかし最近はこういう生活を今するのは難しい。

 電車は本数を減らしてゆったりと動く。今までだったら来た電車に飛び乗れば良かったが、ホームである程度待つ事を予定しなければならない。乗り換え案内も、なかなかダイヤに対応し切れているわけではないので、「確実に動ける」ではなく、「何となくこのぐらいでいける」という確からしさになった。

 そんな些細なことから始まって、いろいろな自粛ムードやイベントの中止、大学の新学期スタートが2週間〜1ヶ月遅れるなどして、ちょっとぽっかりと時間ができたり、日常にもぽつぽつ時間の空きができている。ノマドワーカーからすれば、けっこうゆゆしき問題ではあるんだけれども、それはそれとして。

 こういうときに、1つ1つの予定をじっくりと時間をかけてこなしていくことができるようになったのもまた事実だ。そういう曲面において、何をすべきか。そこの1つの時間の使い方として、Social Diningというやり方が良さそうだ、と思ったのだ。

Social Diningとは?

 三橋さんのブログで、Social Diningを楽しむためのサービス「Grubwithus」が紹介されている。サービスとしては、食事会の席を予約、前払いして参加する、というクーポン的なスタイルなんだけれども、その場所と話題の限定によって、会話を楽しめる食事会に参加しやすくする仕掛けになっている。

“Grubwithus”はアメリカのサービスで、現在はニューヨークやシカゴ、サンフランシスコなど限定された場所で提供されてる。“Meals”という食事会がいろいろ用意されているので、その中から自分が参加したいものを選んで参加するだけ。まだ残席があれば予約をしてその時点で支払いを済ませる。あとは食事会に出向いて楽しむだけ。“Meals”と呼ばれる食事会をつくる機能は一部ユーザにだけ提供されているテスト段階だけれど、うまくいけば全ユーザに公開してもっと自由に食事会を開けるようになるはず。

 ちなみにGrubwithusでは「Social Meals」と書いているけれど、Mealという英語は日本人にとっては、僕も苦手なオートミールかUSのマクドナルドのバリューセットあたりが馴染みなので、ダイニングの方が良いかな、と思ったり。ちなみに、最初に参加表明をした人は割引が設定されていて、食事会開催への「貢献」がきちんと評価される仕掛けになっているところも面白い。

場の設定とアウラ的な会話のコロニー

 加藤さんは、社交に目を向けることについてブログに書いている。TwitterとUstreamはパーティーや勉強会を可視化した、なんて話を良く聞くが、日本にも社交のカルチャーがライトな領域で復活してきた、という感覚が僕の中ではある。そういう点で、ソーシャルメディアが注目され、そのアクティビティに多くの人が参加してくることについて、とてもポジティブな効果があると考えている。

 ソーシャルメディアを活用する以前から、場としてのソーシャルを作り出そうとしていたお店が、豚組で有名なグレイスの中村仁さんのお店、泡組(壤)だ。中村さんによると、バーカウンターの中のスタッフがハブになって、お客さん同士をつなげるような店の導線・設計にしていて、「あそこに行けば誰かに会える」という偏った客層を集める結果になったと話す。「豚組なう」とツイートすると、個室中心なのにちょうどお店に居合わせた他のお客さんと知り合える。ファシリティからSocial Diningを支えている例だ。

 一方でGrubwithusのようにどういう人がどんな話題で集まるか、というやり方だってある。僕が大学院にいた頃、2003年にUniversity Of Art And Design Helsinkiのコッコネンさんにアウラ・スペースについて聞いたことがあった。フィンランドのカフェカルチャーから考え出され、「その場限りのトピック・オリエンテッドに会話のコロニーが生まれるような現象、あるいはそれを誘発する場が自然と生まれ、受け入れられる」という的確な説明をして頂いた。

 ちなみに以前JaikuというTwitterのようなサービスをやっていて、Googleに買収されて開発終了となったサービスがあったが、これをやっていたフィンランドのJyri Engstromさんが始めたサービスDittoは、街ごとのタイムラインが用意されていて、上に挙げたアウラ・スペースを構築する材料を揃えているようにも思えてくる。

 Twitterは明らかに「何かやろう」「話そう」というきっかけ作りを起こしているし、そのきっかけが起きる瞬間は、文字通り誰かが何気なく「つぶやいた」ことに端を発している。それについて深く話し合い、あるいは共感するポイントを見つけて、何かアクションにつなげていく、その過程がSocial Diningという場と時間なんじゃないか、と思えてくる。

Agenda:話題をいかに設定するか

 僕の2011年のテーマ、キーワードはAgenda(アジェンダ)だ。なのでSocial Diningについての考えも、このAgendaに向けて収束させたいと思っているんだけれども、長くなってきたのでこのあたりでまとめておきたい。

 場の設定やそれに参加するという話はシステム的に何とかなってきたんじゃないか、と思う。しかし、話題が問題だ。一体どんな話題を話すべきか。何が問題なのか。何を解決すべきなのか。具体的なアクションプランまで落とし込めるのか。Social Diningにはアウトプットが生まれることを目指すことが重要なのかも知れない。

 中心となる話題や解決すべきテーマについてのプロフェッショナルがいなければなかなか話にならないかもしれない。しかしプロじゃなくても、日頃考えていること、何となく感じていること、全然関係ない突飛なアイディアなどとミックスすることもとても意味がある。あるいは「千と千尋の神隠し」に出てくるかまじいみたいに、引き出しを一度にたくさん開けまくる技術を持つ人もまた、Social Diningにはもってこいの人だと思う。

 そうして、じゃあ返って何をするか、明日からどう動くか、と言った事を話して、それを実行してみる。フィードバックの時にもう一度、話せばよいのかも知れない。こういう身近なレベルでの議論とアクションを、ソーシャルメディアで広げていく、仲間を増やしていく。そんな活動ができるはずなのだ。

 思っていることが一気に飛び出してきて、長文になってしまいましたが、問題提起。どういう場所がいいのか、どんな話題を話すべきか、それぞれが上手く考えて動くことが大切なんだと思う。

 そう言う側から、これから、月曜日のお昼間、3時間のランチに出かけてきます。


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