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パスポートより大切な記憶帖について - モレスキン 人生を入れる61の使い方 / 堀 正岳, 中牟田 洋子, 高谷 宏記


by TARO MATSUMURA @taromatsumura 2011.09.05 16:41

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 タイトルは紀行作家のチャトウインが書いた「パスポートをなくすのはトラブルのうちに入らない。でも手帳をなくすようなことがあったら、それは大惨事だ」より。この本の中にも、ノートを旅先でなくしたけれど、最初のページに連絡先を書いてあったからきちんと手元に送り届けてくれた人がいた、というエピソードが紹介されてます。

 モレスキンはビジネスでも、プライベートでも非常にファンの多いノートだ。これだけブランドが立っているノートも珍しいのではないかと思うのだが、その魅力はおそらく「フォーマット」としてのノートと、使い方の創意工夫の余地。個人的には紙質の高さも外せない。

 そのノートの魅力を61人の使い方を取材して表現したのが本書『モレスキン 人生を入れる61の使い方』だ。

 先日San Franciscoの取材でご一緒していた本書の著者のひとり、堀正岳さん(@mehori)に、Evernote Trunk Conferenceの会場で「あーーーー!」と言われてびっくりした。何かいけないものでも踏んじゃったかな、と目を丸くしていたら手に持っているノートを指さして「モレスキン、使ってたんですか?」とヒトコト。

 本書向けに話聞けば良かったと悔しがっておられたのですが、この本を読んだとき、正直言って、取材を受けなくて良かったとホッと胸をなで下ろしているところだ。

 僕なんて、とにかくインタビュー中にパイロットのHI-TEC-C 0.25で細かく整理しながらメモしたり、自分の頭が混乱しているときにへたくそなイラストで整理したりしている程度で、とてもじゃないけれど、この本で紹介されているような、工夫にあふれた魅力的な使い方をしているわけではなかったからだ。

 この本は、「モレスキンノートとは何か?」から始まり、「モレスキンと記録」「モレスキンと日常」「モレスキンと旅」「モレスキンと私」「モレスキンとアート」「モレスキンと人生」という6つのチャプターでモレスキンの活用方法を紹介している。こんなにも1冊のノートの使い方にバリエーションがあるのか、とびっくりしてしまうほどだ。

 中でも、旅下手で絵心に欠ける僕としては、「モレスキンと旅」のチャプターは憧れそのものだ。僕もどこか遠くに旅をしたときに、ベンチやカフェに座って、モレスキンにさっとスケッチをして、見たいなことが満足に出来るようになりたい。このあこがれを達成できるまで、多分モレスキンを持ち続けるんだろうな、と思う。

 さて、たいした使い方をしていない、と言った僕のモレスキンの活用方法は、ノートの活用がモレスキンで完結することがほとんどないからだ。つまり、どこかでデジタル化するのだ。

 例えばインタビューのメモの場合はノートを見ながらインタビュー中の様子を思い出しながらキータイプしてテキストをデジタル化する。あるいは概念図やスケッチのようなものは、iPhoneのカメラからスキャンアプリで取り込んでEvernoteに突っ込んでおく。時が来たらそのキャプチャをKeynoteでスライド化する。

 はじめからスキャン前提の時はローディアの無地のノートを使って、ScanSnapで読み込ませる、と言った事も多いが、モレスキンはびりっと破れないので、もう少し暖める必要があるアイディアや図が残っているような気がする。大きく見てしまえばあまり変わらないことなのかも知れないが、どこか少しだけ、モレスキンとそれ以外という区分けがあるような気がして、その感覚もまた好きなのだ。

 ということで、モレスキンを盛っている人が、もっとモレスキンからインスパイアされるため、あるいはもっとモレスキンと人生上出向き合うための人とが詰まった1冊、手に取ってみて下さい。僕は旅とスケッチというあこがれをいつ達成できるのか、もう少し見守ろうと思っています。