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近況とiUnivについて

by TARO MATSUMURA - 2010.05.21 21:29

Taro ちょっとBlogの更新が滞ったので、近況報告と、本日からプライベートβサービスをスタートしたiUnivについて、報告したいと思う。

 最近はもうiPad一色の毎日だ。4月5日からiPadを使い始め、日本での発売が1ヶ月延びてしまい、しかしいよいよ5月28日にiPadが発売されることになる。僭越ながら、インプレスのできるポケットシリーズで、iPadの本を書かせて頂いた。池袋や秋葉原の量販店で6月10日、全国書店で6月18日に発売となる。詳しくはまた追って、エントリーさせて頂きます。

 また、Mac Fanで年明けから続いていた、本田直之さんとの短期集中連載も今月末発売の7月号でいったん終了となる。僕にとっても非常にたくさん成長できた実り多い連載だった。9月をめどに、これまでの内容をまとめて書籍化する予定だし、何か別のテーマでまた本田さんとご一緒したいと個人的には思っています。ぜひお楽しみに。

 まだ2010年は半分も終わっていないけれど、非常に充実した時間を過ごすことができている。その中でも、最もうれしく、また最も語りたいのが「iUniv」という新しいサービスだ。光の道対談の時にソフトバンクの孫さんに話したら、サポートして下さるとの言葉も頂いた。日本というよりは、世界で非常に愛されるサービスを作ったつもりだ。

 その前提となる話に、少し触れておきたい。

 僕は2005年4月から、「ノマド」と呼ばれるフリーランスのスタイルを標榜して、仕事を始めた。卒業した慶應義塾大学SFC研究所に籍を置きながら、東京を拠点として、主としてモバイルを中心とした、パーソナルテクノロジーとコミュニケーションをライフスタイル軸で切るテーマ設定をして、ジャーナリスト活動と執筆、企画などの仕事を手がけてきた。一方で2001年から気に入って使っていたApple製品に関するレビューなども充実させてきた。

 2007年のiPhoneの登場は、いろいろな意味で転機となった。

 2005年にアメリカのコネチカットで気づいた、モバイルインターネットのライフスタイル分野で、アメリカが日本を追い抜いた事実が、iPhoneというわかりやすいプロダクトとしてコンシューマー向けにより大きな波となって押し寄せた点。そして、別々に追いかけていたモバイルとAppleが1つのテーマとして集約された点。そして日本国内のiPhoneユーザー20人が集まったイベントで隣の席になり、ビジネスパートナーとなった山脇さんと意気投合した点だった。

 1つ目は、社会的な大きな動きが、モバイルインターネットに舵を切ったことを決定的にした。2つ目は、僕が好きな分野が統合されて、より好きな分野ができあがった。そして3点目は、報じるだけではなく、自分で何かを作る場を手に入れた。マクロな動きから僕個人の動きまで含めて、2007年はいろいろ前向きに変化する時期であった。

 そこから3年間を経て、本日、iUnivというサービスをローンチすることができた。まだプライベートβなので、はっきり言ってテストドライブもいいところなんですが、6月のフルオープンとiPhoneアプリの提供に向けて、しっかりと準備をしていきたいと思う。

 このローンチには、Castaliaの山脇社長を始め、iUnivのウェブとアプリに関するアートワークやコミュニケーションデザインを手がけた景山さん、ユーザビリティーやこれからのPRなどを担当する森さん、僕とともに「ソーシャル・ラーニング」についてのメソッドを構築してくれた山崎さん、その他たくさんの方々のご協力、ご助言があってできあがった。まだまだこれからだけれど、まずお礼を言いたいと思います。

 iUnivは「Free Flow Education」プラットホームである。

 ウェブ上に存在している大学や企業、その他団体が無料で公開している学習コンテンツを集約し、オーディオやビデオにアノテーションを入れながら(特許取得技術の「Fusen」を活用)、自律学習するための教室のようなモノだ。現在、世界中の65000を超えるコンテンツがiUnivに登録されており、毎日増え続けている。これらのコンテンツとソーシャルメディアを使って、自由でオープンな学習プラットホームを構築したのだ。

 自分の生活を振り返ると、狂ったようにソーシャルメディアにコミットし、たくさんの時間をその読み書きに費やしている。しかし情報収集や情報発信、そして時には思いも寄らなかった気づきやアイディアを得ることができ、決して無駄な時間として切り捨てることはできない、大切な時間になっている。これがそのまま学習の時間にならないかというのが、1つのアイディアのきっかけだ。

 また、Podcast、OpenCourseware、iTunes U、YouTube Eduなど、大学は活発にオンラインにコンテンツを出している。日本にいながらMITやStanfordの授業を見ることができるのだ。もちろん現地の大学で学ぶ体験に比べるとほど遠いかもしれないが、しかし最新の授業をキャッチアップできる価値もまた大きい。

 では、授業をビデオとして視聴するのと、学習するのとの間には、何らかのツールが必要になってくる。1つは履歴やサーティフィケイトなどの学習したことを記録するツール。もう1つはペンとノートだ。まさかパソコンの画面を見ながら、紙のペンとノートで学習するなんて、あり得ないと思ったのだ。

 iUnivには、MINDSというメソッドによって、上の2つの課題を解決しようと試みている。

Manage:
コンテンツやFusen、iUniv上のクラスメイトを管理する

Input:
ビデオやオーディオの講義コンテンツを視聴する

Note:
講義コンテンツに対して自分が気づいたこと、考えたことをアウトプットする

Discover:
何を学ぶ必要があるかを発見する

Share:
あなたの知識をソーシャルメディアを通じてシェアする

 そしてこれらが、ウェブだけでなく、iPhoneやAndroidといったスマートフォン、そしてiPadでスタイルも自由に体験できる。これがiUnivである。まずはウェブとiPhone向けにリリースし、ベストプラクティスとなるであろうiPadのリリースが続く。Android向けもユーザー数の増加に合わせて早い時期に導入したい。

iUniv for Web, iPad, and iPhone

 多くのすでにスマートフォンを導入している大学の学生にも使って欲しいし、iPad導入を予定している大学にも使って欲しい。そしてなにより、iPadやスマートフォンを使っていてソーシャルメディアにアクティブで、学習したい人、知的好奇心を満たしたい全ての人に触れてもらいたいサービスだ。

 しかし残念なことに、現在あがっている65000以上の授業コンテンツの97%以上が、英語コンテンツだ。日本語のコンテンツはさらに少なく1%も無いかもしれない。そのため、iUnivも初期は英語版のリリースとなる。もちろん日本市場に期待していないわけではないし、日本語の授業コンテンツの充実のきっかけとしてのiUnivの役割も大きいと思う。

 そして、学習すること、学ぶこと、その知識で人とつながっていく、良いトーンのコミュニティを作っていきたいと考えている。

 まだまだこのプロジェクトは始まったばかりだ。たくさんの人たちからの協力や支援が必要だ。まだシステムの都合上、リクエストを頂いた方から順にアカウントを発行して使ってもらう事になっている。興味がある方は以下のページから、ぜひ、アカウント作成のリクエストを送って頂きたいと思う。

 iUniv.tv - 会員登録のためのリクエストはこちらから。


Author

松村太郎 Taro Matsumura

Taro's Portraitジャーナリスト・企画・選曲。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ビジネスブレイクスルー大学講師。テクノロジーとライフスタイルの関係を探求。モバイル、ソーシャルラーニング、サステイナビリティ、ノマドがテーマ。近著に『タブレット革命』『スマートフォン新時代』など。 read more & contact

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